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1級建築施工管理技士の合格率・難易度の推移【データで徹底分析】

1級建築施工管理技士の合格率(30秒でわかる要点)

  • 第一次検定の合格率:約36〜51%(年度により変動が大きい)
  • 第二次検定の合格率:約37〜52%(施工経験記述がカギ)
  • ストレート合格率:約15〜25%(第一次×第二次の概算)
  • 難易度:2級より確実に難しいが、計画的に学習すれば一発合格は十分可能
  • 必要な勉強時間:300〜600時間(2級の知識があればその分有利)

「1級建築施工管理技士って、実際どれくらい難しいの?」

「合格率は何%?2級と比べてどのくらいハードルが上がる?」

こんな疑問を持っている方は多いでしょう。特に2級に合格して「次は1級」と考えている人にとって、難易度の実態は気になるところです。

先に結論をお伝えすると、1級は2級より確実に難しいが、「超難関」ではない。2級の知識をベースに上積みすれば、働きながらでも一発合格は十分可能な試験です。

データを見ながら、攻略のポイントを押さえていきましょう。

1級建築施工管理技士の全体像は「1級建築施工管理技士とは?資格概要」、2級との違いは「2級と1級の違い」で解説しています。

結論 — 1級建築施工管理技士の難易度は「やや難〜難」

まず結論から。1級建築施工管理技士の難易度は、国家資格としては「やや難〜難」レベルです。

1級建築施工管理技士の難易度まとめ

第一次検定(マークシート):合格率 約36〜51%
第二次検定(記述式):合格率 約37〜52%
総合難易度:やや難〜難
必要な勉強時間:300〜600時間

「合格率4〜5割」と聞くと「半分近く受かるなら、そこまで難しくないのでは?」と思うかもしれません。しかし、1級を受験する人はすでに2級に合格し、実務経験を積んだプロの技術者が大半です。つまり母集団のレベルが高い中での合格率4〜5割なので、決して甘い試験ではありません。

1級建築施工管理技士の合格率推移【年度別データ】

第一次検定(旧・学科試験)の合格率推移

1級建築施工管理技士の第一次検定は年1回(6月)の実施です。

年度 試験名 合格率
平成30年(2018) 学科試験 36.6%
令和元年(2019) 学科試験 42.7%
令和2年(2020) 学科試験 51.1%
令和3年(2021) 第一次検定 36.0%
令和4年(2022) 第一次検定 46.8%
令和5年(2023) 第一次検定 41.6%
令和6年(2024) 第一次検定 41.9%

※ データ出典:一般財団法人 建設業振興基金の公表資料に基づく。正確な数値は建設業振興基金の公式サイトでご確認ください。

おおむね36〜51%の範囲で推移していますが、年度によるブレが大きいのが特徴です。令和2年(2020年)は51.1%と高い合格率でしたが、令和3年(2021年)は制度改正に伴い36.0%に低下しました。

2級との違い:前期・後期がない

2級建築は年2回(前期・後期)受験チャンスがありますが、1級は年1回のみ。不合格になると次は翌年の6月まで待たなければなりません。1級の受験者に「一発で決めたい」というプレッシャーがかかるのは、この年1回制が理由です。

第二次検定(旧・実地試験)の合格率推移

年度 試験名 合格率
平成30年(2018) 実地試験 37.1%
令和元年(2019) 実地試験 46.5%
令和2年(2020) 実地試験 40.7%
令和3年(2021) 第二次検定 52.4%
令和4年(2022) 第二次検定 45.2%
令和5年(2023) 第二次検定 45.5%
令和6年(2024) 第二次検定 43.8%

※ データ出典:一般財団法人 建設業振興基金の公表資料に基づく。

第二次検定は約37〜52%の範囲。令和3年(2021年)に52.4%と高い合格率を記録しましたが、その後は43〜45%程度で安定しています。

注目すべきは、1級の第二次検定は2級よりも合格率が高いという点。2級の第二次検定が約28〜41%なのに対し、1級は約37〜52%。これは1級の受験者が「すでに実務経験を十分に積んだ技術者」であるため、施工経験記述のネタが豊富にあることが大きな理由です。

ストレート合格率はどのくらい?

第一次検定と第二次検定の両方に一発で合格する「ストレート合格率」を概算してみましょう。

ストレート合格率の概算

第一次検定の合格率 約42% × 第二次検定の合格率 約45%
= ストレート合格率 約19%

約5人に1人がストレート合格するイメージ。2級のストレート合格率(約12〜18%)と比べて、大きくは変わりません。

合格率データから見える3つの特徴

特徴1: 第一次検定は「年度ガチャ」の要素がある

合格率が36%の年もあれば51%の年もある。15ポイント以上の差があります。これは問題の難易度が年度によって変わるため。

ただし、合格基準は「60%以上」で固定。問題が難しい年は全体の得点が下がるだけで、合格ラインは変わりません。つまり、自分が60%以上取れれば、周りの受験者の出来は関係なく合格できます。

現場からの声:「過去問と同じ論点が繰り返し出る」

1級の試験は出題範囲が広いですが、過去10年分の問題を分析すると、繰り返し出題される論点がはっきりしています。たとえば「コンクリートの品質管理」「鉄骨工事の高力ボルト接合」「足場の安全基準」は、ほぼ毎年何らかの形で出題される常連テーマ。過去問の反復学習が最も効率的な対策です。

特徴2: 第二次検定は「経験の質」で差がつく

第二次検定の最大の山場は施工経験記述。ここで差がつきます。

1級の経験記述は2級と比べて、求められるレベルが明確に上がります

  • 2級:品質管理・工程管理・安全管理の基本的な取り組みを記述
  • 1級:上記に加えて「施工の合理化」「建設副産物対策」など、大規模工事ならではの課題を記述

たとえば1級の経験記述で「施工の合理化」が出題された場合、こんなレベルの記述が求められます。

1級の経験記述の例(イメージ)

「RC造15階建て集合住宅の新築工事(延床面積12,000m²)において、工期短縮のためにコンクリート打設と型枠解体のサイクルタイムを従来の7日から5日に短縮した。具体的には、早強ポルトランドセメントを採用し、圧縮強度の発現を早めることで型枠の早期解体を実現。同時にタワークレーンの配置を見直し、揚重効率を20%向上させた。」

このように、具体的な数値・工法名・改善効果を盛り込んだ記述が必要です。

特徴3: 応用能力問題が「足切り」になりうる

2021年の制度改正で第一次検定に追加された「応用能力問題」(施工管理法の五肢二択)は、1級の合否を分けるポイントです。

全体の正答率が60%を超えても、応用能力問題の得点が基準に達しなければ不合格になります。単なる暗記では解けない「考えて判断する問題」なので、過去問を解く際は応用能力問題を特に重点的に対策しましょう。

2級と1級の難易度比較

項目 2級建築 1級建築
第一次 合格率 約35〜50% 約36〜51%
第二次 合格率 約28〜41% 約37〜52%
出題数/解答数 50問/50問(全問必須) 72問/60問(選択あり)
出題範囲 基礎的な範囲 2級+応用的な範囲
応用能力問題 あり(比較的易しい) あり(高難度・足切りあり)
勉強時間 150〜300時間 300〜600時間
試験回数 年2回 年1回

合格率だけ見ると、1級のほうが2級より合格率が高いように見えます。しかしこれは「受験者層のレベルが違う」ため。1級を受ける人はすでにプロとして現場で働いている技術者です。

実際の難易度としては、出題範囲の広さ・深さ・応用能力問題の存在・年1回しかないプレッシャーを考えると、1級は2級より明確に1段階上です。

合格に必要な勉強時間の目安

第一次検定

  • 目安:200〜400時間
  • 1日2時間で4〜7か月
  • 2級取得者なら下限寄りでOK
  • 過去問10年分の反復がメイン

第二次検定

  • 目安:100〜200時間
  • 1日2時間で2〜4か月
  • 経験記述の準備が最大のボリューム
  • 添削サービスの活用を推奨

合計すると300〜600時間。2級の知識がベースにあれば、ゼロから勉強するよりずっと効率的に進められます。

1級合格者のリアルな学習パターン

多くの合格者に共通するのは、「1月から勉強を始めて6月の第一次検定を受ける」というスケジュール。約5か月間、平日は通勤時間と就寝前の1〜2時間、休日は3〜4時間を学習に充てるパターンです。第一次検定に合格したら、7月から10月の第二次検定に向けて経験記述の準備を始めます。

1級建築施工管理技士の合格率に関するQ&A

Q. 1級は何回目で受かる人が多い?

A. 第一次検定は1〜2回、第二次検定は1〜3回が一般的です。第一次検定は過去問対策で対応できるため一発合格者が多いですが、第二次検定の経験記述でつまずいて2回目で合格するパターンもよく見られます。

Q. 独学と通信講座、どちらが合格率が高い?

A. 第一次検定は独学でも十分合格できます。ただし第二次検定は、経験記述の添削指導を受けた受験者の合格率が明らかに高いとされています。独学で記述対策をする場合、自分の文章が合格レベルかどうか判断できないのが最大のリスクです。

Q. 1級と2級を同じ年に受験できる?

A. 試験日が異なるため、受験資格を満たしていれば同じ年に両方受験することは可能です。ただし、1級と2級を同時並行で勉強するのは負担が大きいため、2級を先に取得してから1級に集中するほうが効率的です。

Q. 合格率が高い年と低い年で、何が違う?

A. 主に問題の難易度が原因です。出題範囲から満遍なく出る年もあれば、特定の分野に偏る年もあります。ただし合格基準は「60%以上」で固定なので、自分がきちんと60%取れる実力をつけておけば、問題の当たり外れに関係なく合格できます。

理解度チェック

ここまでの内容が理解できたか、3問でチェックしてみましょう。

【問題1】1級建築施工管理技士の第一次検定と第二次検定、一般的に合格率が高いのはどちらですか?

(1)第一次検定のほうが高い (2)第二次検定のほうが高い (3)ほぼ同じ (4)年度によってバラバラ

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正解:(3)ほぼ同じ
1級建築の第一次検定は約36〜51%、第二次検定は約37〜52%で、どちらも40%台が中心。2級では第二次のほうが低いのですが、1級は受験者層が経験豊富な技術者に絞られるため、第二次の合格率も高めです。

【問題2】1級建築施工管理技士の第一次検定に追加された「応用能力問題」について、正しいのはどれですか?

(1)合否に影響しない (2)全体の60%を超えれば応用能力問題の得点は問わない (3)応用能力問題の得点が基準に達しなければ不合格になる (4)応用能力問題は任意選択

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正解:(3)応用能力問題の得点が基準に達しなければ不合格になる
応用能力問題は「足切り」の役割を果たしています。全体で60%以上を取っていても、応用能力問題の得点が一定基準に達しなければ不合格。単なる暗記では対応できない問題なので、重点的な対策が必要です。

【問題3】1級建築施工管理技士の合格に必要な勉強時間は、おおよそどのくらいですか?

(1)50〜100時間 (2)100〜200時間 (3)300〜600時間 (4)800〜1,000時間

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正解:(3)300〜600時間
第一次検定に200〜400時間、第二次検定に100〜200時間が目安。2級(150〜300時間)のおよそ2倍です。ただし2級の知識がベースにあれば、ゼロから勉強するよりはるかに効率よく進められます。

まとめ

この記事のポイント

  • 1級建築施工管理技士の合格率は第一次・第二次ともに約40〜50%
  • ストレート合格率は約19%(5人に1人)
  • 2級と合格率は似ているが、受験者層のレベルが高いため実質的な難易度は1段上
  • 応用能力問題の「足切り」に注意。過去問での対策が必須
  • 必要な勉強時間は300〜600時間。1月スタート→6月受験が王道

1級建築施工管理技士の合格を目指すなら

資格の全体像を把握したら、勉強法を確認しましょう。

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