1級建築 第一次検定の攻略法(30秒でわかる要点)
- 出題構成:72問出題・60問解答(選択問題あり)
- 合格基準:全体60%以上、かつ応用能力問題で一定得点
- 午前:建築学等+躯体施工+仕上げ施工(知識系)
- 午後:施工管理法+法規+応用能力問題(実践系)
- 攻略の核心:選択戦略で苦手を回避+応用能力問題を落とさない
1級建築施工管理技士の第一次検定は、72問から60問を選んで解答する選択制です。この「選べる」仕組みを活かした戦略が合否を分けます。
この記事では、科目ごとの出題傾向と、効率的に合格ラインに到達するための攻略法を解説します。
勉強法・スケジュールは「独学の勉強法・学習スケジュール」で解説しています。
第一次検定の出題構成
| 分野 | 出題数 | 解答数 |
|---|---|---|
| 建築学等(環境工学・構造・材料・設備) | 15問 | 12問(選択) |
| 躯体施工 | 10問 | 5問(選択) |
| 仕上げ施工 | 8問 | 5問(選択) |
| 施工管理法(知識) | 10問 | 10問(必須) |
| 施工管理法(応用能力) | 6問 | 6問(必須) |
| 躯体施工+仕上げ施工(知識) | 15問 | 15問(必須) |
| 法規 | 8問 | 7問(選択) |
| 合計 | 72問 | 60問 |
※ 出題数・解答数は年度により若干変動する場合があります。
2級との最大の違い:選択問題と応用能力問題
2級建築の第一次検定は50問全問必須。逃げ場がありません。一方、1級は72問中60問を選択。12問分は「捨てて」いいのです。この仕組みを活かして、苦手分野を避けて得意分野で確実に得点するのが1級の鉄則。
ただし注意点が1つ。応用能力問題6問は必須で、ここに足切りがあります。
科目別の出題傾向と攻略ポイント
建築学等(15問中12問選択)
環境工学・各種構造・構造力学・建築材料・建築設備から出題されます。
出題テーマと頻出ポイント
- 環境工学:日照・採光・換気・伝熱・結露・音響。数値の暗記がカギ(例:居室の換気回数0.5回/h以上)
- 各種構造:RC造・S造・SRC造・木造・基礎。SRC造は1級で新たに加わる分野
- 構造力学:静定構造物の反力・断面力に加え、不静定構造物の解法も出題(1級特有)
- 建築材料:コンクリート・鋼材の細かい数値(強度・許容値など)
- 建築設備:電気・給排水・空調・消防・昇降機の基礎知識
攻略のコツ:15問中12問選択なので、苦手な3問は飛ばせます。構造力学が苦手な人は力学を捨てて他の分野で得点する戦略も有効。ただし、環境工学と建築材料は頻出テーマが固定されているので、ここは確実に取りたい。
躯体施工(午前10問中5問選択+午後の必須問題)
地盤調査・仮設工事・鉄筋工事・型枠工事・コンクリート工事・鉄骨工事から出題。
躯体施工の頻出テーマ
- コンクリート工事:配合設計・打設・養生・特殊コンクリート(寒中・暑中・マスコン)→ 毎年出題される最頻出テーマ
- 鉄骨工事:高力ボルト接合・溶接(アーク溶接・ガスシールドアーク溶接)・建方・耐火被覆
- 鉄筋工事:加工・組立て・ガス圧接・継手の種類と位置
- 型枠工事:側圧の計算・支保工の存置期間・コンクリート強度との関係
攻略のコツ:現場経験のある方にとって躯体施工は最も得点しやすい分野。実務で触れている工法がそのまま出題されるため、過去問を解くたびに「あ、これ現場でやったことある」という感覚で解けます。コンクリートと鉄骨は重点的に。
仕上げ施工(午前8問中5問選択+午後の必須問題)
仕上げ施工の頻出テーマ
- 防水工事:アスファルト防水・シート防水・塗膜防水の工法と注意点
- タイル工事:密着張り・改良圧着張り・モザイクタイル張りの違い
- 塗装工事:下地処理・塗装間隔・各塗料の特徴
- 内装工事:壁・天井・床の仕上げ材料と施工法
攻略のコツ:仕上げ施工は細かい数値(乾燥時間・塗り厚・張り代など)の暗記が中心。暗記カードやまとめノートを作って繰り返し確認する方法が有効です。
施工管理法(知識10問 必須+応用能力6問 必須)
施工管理法は全16問が必須解答。しかも応用能力問題6問には足切りがあります。
最重要:応用能力問題6問を落とすな
応用能力問題は従来の四肢択一ではなく、五肢二択(5つの選択肢から正しい組み合わせを2つ選ぶ)形式。施工管理法の知識を「判断」に使えるレベルまで深める必要があります。
出題テーマは施工計画・品質管理・安全管理・工程管理が中心。「正しいものを選べ」ではなく「この状況で適切な対応は?」という実践的な問題が出ます。
知識問題10問(四肢択一)
- 施工計画書の作成手順
- 品質管理図(ヒストグラム・管理図)の読み方
- 安全管理(足場・クレーン・高所作業)
- 工程表の種類と使い分け
応用能力問題6問(五肢二択)
- ネットワーク工程表の分析
- 品質管理の手法適用(x̄-R管理図など)
- 現場での安全対策の判断
- 施工の合理化に関する判断
法規(8問中7問選択)
法規の頻出テーマ
- 建設業法:主任技術者・監理技術者の配置義務、特定建設業の許可要件
- 労働安全衛生法:作業主任者の選任、特別教育、安全衛生責任者
- 建築基準法:確認申請が必要な建築物、用途地域による制限
- その他法規:騒音規制法・振動規制法・廃棄物処理法の届出義務
攻略のコツ:法規は条文の数値(高さ・面積・日数)が正確に問われます。たとえば「高さ31mを超える建築物に設ける非常用昇降機」「特定建設業の下請合計4,500万円」といった数値は丸暗記。8問中7問選択なので、苦手な法律1つ分は避けられます。
合格ラインの得点シミュレーション
合格基準は全体60%以上。60問中36問正解で合格です。実際にどう配分すれば36問取れるか、シミュレーションしてみましょう。
| 分野 | 解答数 | 目標正答数 |
|---|---|---|
| 建築学等 | 12問 | 8問(67%) |
| 躯体施工(午前選択) | 5問 | 3問(60%) |
| 仕上げ施工(午前選択) | 5問 | 3問(60%) |
| 躯体+仕上げ(午後必須) | 15問 | 9問(60%) |
| 施工管理法(知識) | 10問 | 7問(70%) |
| 施工管理法(応用能力) | 6問 | 4問(67%) |
| 法規 | 7問 | 5問(71%) |
| 合計 | 60問 | 39問(65%) |
各分野で60〜70%を取れば、合計で65%(39問/60問)となり、安全圏に入ります。満点を狙う必要はまったくない。各分野をバランスよく押さえる「6割取り」戦略で十分合格できます。
試験当日のテクニック
試験当日に意識すべき5つのこと
- 選択問題は得意な問題から解く — 全問目を通してから、自信のある問題を優先
- 迷った問題はマークして飛ばす — 時間を使いすぎない。最後にまとめて戻る
- 午前は時間に余裕がある — 2時間30分で33問なので、1問あたり4分以上。慌てない
- 午後の応用能力問題は慎重に — 五肢二択は「2つとも正解」で得点。部分点なし
- マークシートの塗り間違い確認 — 選択問題の「解答数」をオーバーしていないかチェック
よくある質問
Q. 応用能力問題で何問取ればいい?
A. 正式な足切りラインは公表されていませんが、一般的に6問中4問以上(約60%以上)が安全圏とされています。全体の60%とは別に、応用能力問題単独で一定の得点が必要なので、ここを軽視すると「全体は合格点だったのに不合格」という悲劇が起きます。
Q. 構造力学が苦手。捨てても大丈夫?
A. 建築学等は15問中12問を選択するので、構造力学の2〜3問を捨てることは可能です。ただし、不静定構造物の基本(不静定次数の判定・反力の計算)は出題頻度が高く、基礎だけでも押さえておくと選択肢が広がります。完全に捨てるのは最終手段にしましょう。
理解度チェック
【問題1】1級建築の第一次検定で、合格のために全体で必要な正答率は何%以上ですか?
(1)50% (2)55% (3)60% (4)70%
【問題2】72問中60問を選択して解答する第一次検定で、「捨てられる」のは何問分ですか?
(1)6問 (2)10問 (3)12問 (4)20問
【問題3】応用能力問題について正しい記述はどれですか?
(1)選択問題なので解答しなくてもよい (2)四肢択一形式 (3)足切り基準があり、一定の得点が必要 (4)第二次検定でのみ出題
まとめ
この記事のポイント
- 72問中60問を選択。12問分は苦手を回避できる
- 合格基準は全体60%+応用能力問題の足切りクリア
- 躯体施工(特にコンクリート・鉄骨)は最頻出テーマ
- 施工管理法の応用能力問題は重点対策必須。丸暗記では解けない
- 各分野で60〜70%を取る「6割取り」戦略で合格できる