1級建築(第二次) ミニテスト

1級建築 経験記述(施工の合理化)練習問題①【無料・模範解答付き】

1級建築施工管理技士 経験記述(施工の合理化)ミニテスト 第1回

「施工の合理化」は1級特有の経験記述テーマです。2級にはないため初めて挑む受験者が多い分野ですが、書き方のコツをつかめば得点源になります。

第1回ではハーフPCa板によるスラブ工事の合理化をテーマに記述練習を行います。「経験記述の書き方(施工の合理化)」を復習してから挑戦しましょう。

テスト情報

形式:記述式(模範解答付き)

問題数:3問(工事概要+合理化の目的・理由+実施内容・効果)

テーマ:ハーフPCa板によるスラブ工事の合理化

目標時間:40分

問題1:工事概要の記述

【問題】

あなたが経験した建築工事のうち、施工の合理化を図った工事を1つ選び、以下の項目について記述しなさい。

  • 工事名
  • 工事場所
  • 工事の内容(建物の用途・構造・規模)
  • 工期
  • あなたの立場

施工の合理化に適した工事概要のコツ

  • 基準階の繰り返しが多い建物を選ぶ(マンション・オフィスビル等)。合理化の効果が大きくなる
  • RC造の中高層(7階建以上)が適切。躯体工期が長い=合理化の余地が大きい
  • PCa部材やシステム型枠を使用した工事があれば最適
  • 合理化の「前(従来工法)」と「後(採用工法)」を比較できる工事が望ましい
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【模範解答例】

工事名 ○○マンション新築工事
工事場所 ○○県○○市○○町
工事の内容 RC造、地上12階建、共同住宅(72戸)、延床面積8,500m²。基準階のスラブ面積は各階約650m²
工期 令和○年3月~令和○年8月(18か月間)
あなたの立場 現場代理人

問題2:合理化の目的と必要だった理由

【問題】

上記の工事において、施工の合理化の目的(工期短縮・省力化・品質向上のいずれか)を明記し、合理化が必要だった理由を記述しなさい。

高得点の書き方

  • 合理化の目的は3つの方向性から1つを明確に選ぶ(複数OK だが主目的を明示)
  • 「なぜ合理化が必要だったか」は工事固有の事情で書く(工期の逼迫・人手不足・高所作業のリスクなど)
  • 従来工法での問題点を数値で示すと説得力が増す(「1フロアの躯体サイクルが10日かかり…」)
  • 単なる「コスト削減したかった」はNG。品質・安全との両立を意識
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【模範解答例】

合理化の目的:工期短縮と省力化

理由:当該工事はRC造12階建で、基準階のスラブ面積が各階約650m²と大きかった。従来の在来型枠工法では、スラブの型枠組立て・配筋・コンクリート打設・養生・型枠解体に1フロアあたり10日を要する計画であり、12フロアの躯体工事全体で約120日を見込んでいた。しかし、近隣イベントに伴う工事制限期間が2週間設定されたことで全体工期が逼迫し、躯体サイクルの短縮が不可欠であった。また、型枠工の確保が困難な時期と重なり、省力化も同時に求められた。

問題3:実施した合理化の内容と効果

【問題】

問題2で挙げた合理化の目的に対して、あなたが採用した工法や材料を具体的に記述し、得られた効果とともに記述しなさい。対策は2つ以上挙げること。

ハーフPCa板の記述で使える数値

  • ハーフPCa板の厚さ:60~80mm(その上に現場打ちコンクリート100mm程度)
  • 躯体サイクルの短縮効果:10日→7日(型枠作業の省略による)
  • 型枠工の人工削減:30~50%
  • 支保工の削減:ハーフPCa板が打込み型枠として機能 → スラブの支保工が大幅削減
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<実施内容>

  1. ハーフPCa板の採用:基準階のスラブに厚さ80mmのハーフPCa板を採用し、その上に現場打ちコンクリート(厚さ100mm)を打設する工法に変更した。PCa板は打込み型枠として機能するため、スラブの在来型枠工事と支保工を全面的に省略できた。PCa板は工場で品質管理された製品であり、コンクリートの均質性も向上した。
  2. 揚重計画の最適化:ハーフPCa板は1枚あたり約800kgの重量があるため、タワークレーンの揚重計画を見直した。PCa板の搬入を早朝に集中させ、午前中に据付けを完了させることで、午後の配筋・設備配管作業と干渉しないよう工程を調整した。
  3. 接合部の品質管理:PCa板と現場打ちコンクリートの一体性を確保するため、PCa板上面のあらし仕上げ(凹凸面)と突出し鉄筋によるせん断伝達を確認した。打設前にPCa板上面への散水を行い、乾燥によるコンクリートの付着不良を防止した。

<効果>

1フロアの躯体サイクルを10日から7日に短縮し、12フロアで合計約36日の工期短縮を達成した。型枠工の延べ人工を約45%削減し、高所での型枠作業がなくなったことで墜落リスクも低減した。工場製品の採用によりスラブ下面の仕上がり精度も向上し、品質・工期・安全の3面で合理化の効果を得た。

自己採点のポイント

  • 目的:「工期短縮」「省力化」「品質向上」のいずれかが明確に示されているか?
  • 理由:従来工法の問題点が具体的に書かれているか?数値はあるか?
  • 実施内容:採用した工法名・材料名が明確か?品質との両立が示されているか?
  • 効果:「○日短縮」「○%削減」と定量的に書けているか?

施工の合理化で得点アップするコツ

  • 「従来工法との比較」を必ず入れる — 合理化は「何から何に変えたか」が本質。Before/Afterを数値で示す
  • 品質・安全とのトレードオフに言及する — 合理化≠手抜き。「品質を維持しつつ」「安全性も向上した」を必ず書く
  • PCa化以外の選択肢も用意 — デッキプレート、システム型枠、鉄筋先組工法なども有力。複数テーマを準備しておく

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