1級建築 第二次検定の出題構成と攻略法【2026年・記述対策】
最初に押さえる結論
- 令和8年度の第二次検定は2026年10月18日、13時00分〜16時00分です。
- 最新公表済みの令和7年度問題は6問題で、問題1〜4は記述式、問題5・6は五肢択一式でした。
- 問題1は、示された工事概要を読み、自己の経験も踏まえて品質管理を答える形式です。古い定型文を丸暗記するだけでは対応できません。
- 合格基準は原則60%ですが、主催者は設問別配点を公表していません。架空の配点ではなく、全問題に答案を残す計画を立てます。
1級建築施工管理技士の第二次検定は、施工用語を知っているだけでなく、問題文の条件を読み、管理上の判断を短い答案に変換できるかを確かめる試験です。特に令和6年度以降は出題が一部見直されているため、以前の「自分の工事概要と数種類の経験記述を用意する」という対策だけを続けるのは危険です。
この記事では、一般財団法人建設業振興基金の令和8年度受検の手引と、最新公表済みの令和7年度第二次検定問題を基準に、問題1〜6の練習方法を組み立てます。2026年度の本試験問題は試験前には公表されないため、令和7年度と同一問題になるとは断定せず、形式が変わっても使える解答手順を中心に解説します。
申込区分や実務経験が未確認なら1級建築の受検資格・2026年度日程、第一次検定から準備するなら第一次検定の出題構成と攻略法を先に確認してください。
更新日:2026年7月28日。制度・日程は令和8年度手引、出題例は令和7年度公式問題を基準にしています。
2026年の確定情報と未確定情報を分ける
受検対策では、「今年の手引で確定したこと」と「前年問題から確認できること」を混ぜないのが重要です。
| 確認区分 | 内容 | 対策への反映 |
|---|---|---|
| 令和8年度手引 | 10月18日、13時〜16時。記述式とマークシート方式を併用 | 180分で両形式を解く練習をする |
| 令和7年度問題 | 6問題。問題1〜4が記述、問題5・6が五肢択一 | 最新形式の基準問題として使う |
| 試験前は未確定 | 令和8年度の具体的な設問、語句、各問題の比重 | 前年のテーマだけに絞らない |
令和8年度手引の合格基準は得点60%以上を原則とし、試験の実施状況等により変更する場合があるとしています。合格発表予定日は2027年1月8日です。会場ごとの案内は公式の第二次検定会場案内で確認します。
令和7年度の6問題を地図にする
令和7年度問題を「何を答える問題か」で整理すると、学習の抜けを見つけやすくなります。
| 問題 | 解答形式 | 令和7年度の中心課題 |
|---|---|---|
| 1 | 記述 | 品質管理の重点・理由・具体策、組織的活動 |
| 2 | 記述 | 仮設物・揚重機・足場の計画と理由 |
| 3 | 記述 | ネットワーク工程の作業、日数、時刻、余裕 |
| 4 | 記述 | 施工上の留意事項と具体策 |
| 5 | 五肢択一 | 施工管理・施工技術の知識8問 |
| 6 | 五肢択一 | 法規の空欄に対応する選択肢 |
問題1だけの練習では、工程計算と選択式の得点機会を失います。反対に選択式の暗記だけでは、問題1〜4の文章を作れません。週の学習を「記述2分野+工程+択一」のように分け、6問題すべてに触れます。
施工経験記述は「固定原稿」から「条件対応」へ変える
令和7年度の問題1には、事務所ビル新築工事の工事概要と施工条件があらかじめ示されました。その上で、受検者が経験した建築工事も踏まえ、異なる3つの工種または作業について、品質管理上の重点事項、理由、具体的な管理方法を記述する設問でした。さらに組織的な品質管理活動と、意思疎通の方法・良い効果も問われています。
したがって、自分の物件名・階数・工期から始まる長文をそのまま再生する練習では足りません。準備すべきものは原稿ではなく、工種ごとの品質リスク、管理行動、確認方法を引き出せる材料です。旧形式の教材を使う場合も、最新の公式問題で設問の主語・個数・禁止条件を上書きしてください。
令和8年度の問題1が令和7年度と同文になる保証はありません。特定テーマの予想ではなく、「示された条件から品質上の課題を選び、理由と行動を対応させる」能力を練習します。
問題文は5項目の条件シートへ写す
記述問題で知識があるのに失点しやすい原因は、要求数や重複禁止の見落としです。演習時は、解答を始める前に余白へ次の5項目を短く書きます。
- 要求数:工種はいくつ、留意事項はいくつ、理由も必要か。
- 対象:誰の行動、どの作業、どの時点を答えるか。
- 禁止条件:問題文に「○○は除く」などの指定がないか。
- 重複条件:解答同士をすべて異なる内容にする必要があるか。
- 固定条件:工法、建物、工程、周辺状況など与えられた前提は何か。
「3つ答える」だけでなく、「3つの工種を変える」「各工種で重点・理由・方法を1組にする」まで分解します。答案を書いた後もこの5項目へ戻れば、知識の採否ではなく、まず形式上の欠落を自分で点検できます。
問題1|品質管理は5列の材料表から書く
品質管理の答案は、抽象的な「十分に確認する」で終えず、次の5列を1行ずつ作ると安定します。
| 列 | 書く内容 | 自問 |
|---|---|---|
| 1 | 工種・作業 | 与条件に存在するか |
| 2 | 品質上の重点 | 何を確保・防止するか |
| 3 | 理由 | どんな不具合・要求に関係するか |
| 4 | 管理行動 | 誰が、いつ、何をするか |
| 5 | 確認・記録 | 適否を何で確認するか |
たとえば「鉄筋工事を管理する」だけでは重点が不明です。「かぶり厚さの確保」「施工前にスペーサーの種類・配置を確認」「配筋検査記録に残す」のように、対象、行動、確認がつながる材料を作ります。ただし、本番で問題文にない数値を思い出し書きするのは避け、設計図書・施工計画書・適用基準に照らした表現を使います。
品質管理の記述練習は鉄筋工事、コンクリート工事、鉄骨工事を題材にし、工法説明ではなく管理行動へ変換してください。
問題2|仮設計画は設置から解体までを通して考える
令和7年度の問題2では、仮設ゴンドラ、起伏式ジブを備えたタワークレーン、枠組足場の棚足場について、それぞれ異なる検討事項と理由が求められました。機械の名称を説明する問題ではなく、現場条件に応じた計画判断を問う問題です。
対象ごとに「荷重・支持」「配置・動線」「周辺との干渉」「組立・使用」「解体・搬出」の5方向から候補を出します。その後、問題の条件に合うものだけを残し、検討事項と理由を一対一で結びます。
- 検討事項:何を照合し、何を決めるかを具体化する。
- 理由:その検討をしない場合の危険、施工不能、品質影響を示す。
- 重複点検:同じ意味の「安全確保」を言い換えただけになっていないか確認する。
クレーンなら設置時だけでなく、揚重範囲、他設備との干渉、クライミング、解体時の搬出まで工程上の場面を動かします。足場は作業荷重、支持、作業床、墜落・落下防止、建物との取合いを関連付けます。
問題3|ネットワーク工程は4手順で再現する
令和7年度の問題3は、RC造事務所ビルの基準階躯体工事について、ネットワーク工程表の空欄作業、全所要日数、最早・最遅開始時刻、トータルフロートとフリーフロートを答える問題でした。図の形を覚えるより、毎回同じ計算順を再現します。
- 作業順序表を作る:作業名、先行作業、後続作業、日数を文字で整理する。
- 前進計算:開始側から最早時刻を求め、合流点は大きい値を採用する。
- 後退計算:終了側から最遅時刻を求め、分岐点は小さい値を採用する。
- 余裕を分ける:全体完成を遅らせない余裕と、後続作業へ影響しない余裕を混同しない。
演習では答え合わせの前に、矢線の向き、合流・分岐で採った値、計算式を別色で残します。正解しても根拠が残っていなければ再現性はありません。工程分野の基礎は工程管理の重要用語でも確認できます。
問題4|留意事項は「リスク・行動・目的」で作る
令和7年度の問題4では、アースドリル工法の安定液、コンクリートのコールドジョイント、吹付けロックウールの耐火被覆、外壁の転倒工法による解体などについて、施工上の留意事項が問われました。翌年度も同じ工種が出ると決めつけず、主要工種を横断して練習します。
1つの留意事項を「どの不具合・危険を避けるか」「現場で何をするか」「何を確保するためか」の3要素で作ります。たとえば「事前に確認する」だけでは対象がなく、「施工計画書に基づき確認する」だけでは行動の中身がありません。測定、清掃、固定、順序、養生、立会い、記録など、実施できる動詞へ変換します。
2つ求められた場合は、同じ管理を言い換えず、材料受入と施工、施工中と完了時、安全と品質のように管理場面を分けます。防水・仕上げの論点は仕上げ工事の施工管理を答案材料へ変換すると効率的です。
問題5・6|五肢択一を記述の後回しにしない
令和7年度は問題5が施工知識8問、問題6が法規の6つの空欄に対応する五肢択一でした。第二次検定でもマークシート問題があるため、記述だけの学習計画にはしません。
問題5は各肢を正誤判定し、誤りなら「対象」「条件」「数値・時期」「手順」のどこが違うかを1行で直します。問題6は条文を丸ごと音読するより、誰が、何を、いつ、どんな場合に行う規定かへ分解します。法令の基準日は、令和8年度手引に示された2026年1月1日現在で施行されている法令です。
公式問題PDFの末尾には、問題5・6の正答肢が掲載されています。一方、記述式の問題1〜4は公式正答が公表されません。市販解答例は学習材料として使えますが、唯一の公式文章とは扱わず、問題条件と技術的妥当性を自分で照合します。
短い答案は「対象→行動→目的」で点検する
答案の長さを増やすより、一文の役割を明確にします。基本形は「対象に対して、具体的行動を行い、目的または防ぐ不具合を示す」です。
答案点検の3問
- 「それ」「適切に」など、対象が曖昧な語だけで済ませていないか。
- 現場で実施・確認できる行動が書かれているか。
- 行動と理由が同じ品質リスクを向いているか。
理由欄へ管理方法を書いたり、管理方法欄へ「不具合を防止する」とだけ書いたりすると、欄同士の役割が崩れます。練習答案は一文ごとに「理由」「行動」「確認」の札を付け、欠けた要素だけを書き直します。
180分の時間配分は答案完成から逆算する
公式に問題別の時間指定はありません。次は当サイト独自の練習用モデルであり、得意不得意に合わせて調整します。
| 区分 | 目安 | 終了条件 |
|---|---|---|
| 全体確認 | 10分 | 要求数と固定条件を印付け |
| 問題1 | 35分 | 全欄に対応する材料を配置 |
| 問題2 | 25分 | 検討と理由を対応 |
| 問題3 | 25分 | 前進・後退計算を記録 |
| 問題4 | 30分 | 要求数と重複を確認 |
| 問題5・6 | 25分 | 全問解答し転記確認 |
| 総点検 | 30分 | 空欄・条件・重複・マークを確認 |
最初から180分通しで解かず、各問題を制限時間内に完成させる部分練習を先に行います。その後に通し演習へ移り、時間超過した問題と原因を記録します。時間が来たら次へ進み、最後に戻る運用も練習してください。
8週間モデル|毎週の成果物を残す
次は第一次検定の知識がある受検者向けの独自モデルです。学習時間ではなく、成果物が完成したかで進捗を測ります。
| 週 | 中心課題 | 残す成果物 |
|---|---|---|
| 1 | 公式問題の初回診断 | 6問題の空欄・時間・原因表 |
| 2 | 品質管理 | 主要工種の5列材料表 |
| 3 | 仮設計画 | 対象別の検討・理由カード |
| 4 | ネットワーク工程 | 計算過程付き答案3題 |
| 5 | 施工上の留意事項 | 主要工種のリスク・行動表 |
| 6 | 施工知識・法規 | 誤りの肢を直した根拠メモ |
| 7 | 180分通し演習 | 時間記録と未完成原因 |
| 8 | 弱点の再答案化 | 初回との比較表・当日手順 |
8週間で足りない場合は、診断で未完成だった分野を追加します。経験のない工種は、用語集だけでなく標準的な施工順序を確認し、前工程・施工中・完了時のどこで管理するかまで整理します。教材選びは1級建築のテキスト・問題集比較を参照してください。
記述答案の添削は4段階で行う
公式の記述正答がないからこそ、添削は模範文との文字一致ではなく、段階を分けます。
- 設問適合:要求数、対象、理由、重複禁止を満たすか。
- 技術妥当性:管理対象、施工順序、用語の関係が正しいか。
- 具体性:誰が読んでも実施内容と確認方法が分かるか。
- 可読性:主語・述語が対応し、限られた欄で読み切れるか。
職場の有資格者へ見てもらう場合も、「合っていますか」だけでなく、「設問から外れた箇所」「技術的に曖昧な動詞」「理由と行動の不一致」を指定して確認してもらいます。第三者の添削サービスは、この4段階のどこを確認するか、回数・返却方法・根拠を比較して選びます。
よくある失敗を本番前に潰す
- 前年と同じ設問だと決める:前年問題は基準にするが、別工種でも使える解答手順を持つ。
- 問題1だけへ時間を使う:問題2〜6にも先に答案・マークを残す。
- 架空の問題別得点で捨て問を作る:公式は設問ごとの配点を公表していない。
- 要求数を満たさない:知識確認より先に条件シートで空欄をなくす。
- 同じ内容を言い換える:管理の対象・時点・リスクを変え、別の留意事項にする。
- 数値だけを暗記する:適用条件と出典を確認し、問題の固定条件に合わせる。
- 記述だけを練習する:問題5・6のマークと転記まで180分演習に含める。
- 記述の市販解答を公式正答と思う:公式公表範囲はマークシート設問の正答肢である。
サイト内の1級建築・第二次模擬問題を使う場合も、令和7年度公式問題と形式を照合し、現行の条件読解練習を優先してください。
試験当日の確認順を固定する
- 12時30分までの入室に間に合うよう、受検票の会場・交通・持ち物を前日までに確認する。
- 配付後、問題1〜6のページと解答形式を確認する。
- 各記述問題の要求数、除外条件、重複禁止へ印を付ける。
- 一つの問題で止まり続けず、全問題へ解答を残す。
- 最後は問題番号、空欄、単位、マーク位置、消し残しを順に見る。
受検票に示された注意事項が最優先です。公式の1級建築施工管理技術検定の案内も直前に確認し、制度変更や会場案内を見落とさないようにします。
理解確認ミニテスト
Q1. 令和7年度の解答形式は?
A. 問題1〜4が記述式、問題5・6が五肢択一式です。
Q2. 令和8年度の問題別配点を使って捨て問を決められる?
A. できません。主催者は設問別配点を公表していません。
Q3. 品質管理答案の5列は?
A. 工種・作業、品質上の重点、理由、管理行動、確認・記録です。
Q4. 記述式の公式正答はどこで確認できる?
A. 問題1〜4の記述正答は公表されません。公式問題、市販解説、技術資料を区別して検討します。
公式資料と次に読む記事
試験情報は個人ブログや古い教材だけで確定せず、次の一次資料へ戻ります。
- 令和8年度 1級建築施工管理技術検定 受検の手引
- 令和7年度 第二次検定問題・五肢択一式問題の正答肢
- 令和6年度 第二次検定問題・正答肢
- 令和6年度からの検定問題見直しに関する公式案内
- 過去の受検状況・検定問題・合格基準
- 令和7年度 第二次検定合格発表資料
令和7年度第二次検定は18,160人が受検し、7,091人が合格、合格基準は60%以上でした。これは年度実績であり、個人の合否を予測する保証値ではありません。問題別の得点開示もありません。数字は難易度の断定に使わず、答案完成度を上げる計画へ使います。
次は、基礎知識を確認する1級建築の施工管理チェック問題と、各工種の記事を往復してください。制度・出題形式・技術根拠を分けて確認できれば、未知の設問でも「条件を読む→材料を選ぶ→短く書く→点検する」の手順を崩さず対応できます。