2級建築(第一次)

各種構造②(木造・基礎構造)をわかりやすく解説【2級建築施工管理】

各種構造②(木造・基礎構造)の要点(30秒でわかる要点)

  • 木造:在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の違いが頻出
  • 基礎:直接基礎(布基礎・ベタ基礎)と杭基礎の使い分けが出る
  • 頻出:筋かい・耐力壁の配置、地耐力と基礎の関係

結論から言います。木造と基礎構造は、2級建築施工管理技士の試験で合わせて2〜3問出題される分野です。木造は日本の住宅で最も多い構造なので身近ですし、基礎構造はすべての建物に共通する土台の知識です。

前回の記事ではRC造(鉄筋コンクリート造)とS造(鉄骨造)を学びましたが、今回は木造の特徴と弱点、そして建物を地面に固定する基礎構造の種類と使い分けを解説します。

この分野の出題頻度

第一次検定50問中、木造・基礎構造から合わせて2〜3問出題されます。木造は部材名(土台・柱・梁・筋かい)の問題、基礎構造は「直接基礎と杭基礎の使い分け」が定番パターンです。RC造・S造(「各種構造①」で解説)と合わせて構造分野で5〜6問取れれば、合格に大きく貢献します。

木造の基本

木造が選ばれる理由

日本の戸建住宅の約80%以上が木造です。なぜこれほど木造が多いのでしょうか?

木造のメリット

  • 軽い — コンクリートの約1/5の重さ。基礎が小さくて済む
  • 加工しやすい — 切る・削る・継ぐなどの加工が容易
  • コストが低い — RC造やS造と比べて建設費用が安い
  • 断熱性が高い — 木材はコンクリートや鉄より熱を伝えにくい
  • 調湿効果 — 木材は湿度が高いと水分を吸い、低いと放出する

木材の断熱性は意外と知られていませんが、木材の熱伝導率はコンクリートの約1/10です。木の家が「夏涼しく冬暖かい」と言われるのは、この断熱性のおかげです。

木材の強度特性

木材には他の建築材料にはない独特の性質があります。試験でよく問われるポイントです。

特性 内容
繊維方向で強度が違う 木目に沿った方向(繊維方向)は強く、直角方向は弱い
含水率で強度が変わる 乾燥するほど強度が増す。含水率が繊維飽和点(約30%)以下で強度が上がり始める
引張>圧縮 繊維方向の引張強度は、圧縮強度より大きい

「乾燥するほど強くなる」というのは重要なポイントです。伐採直後の木材は水分をたっぷり含んでいるため、そのまま使うと乾燥によって反り・割れ・縮みが発生します。だから建築用の木材は、含水率を15〜20%程度まで乾燥させてから使用します。

実際の建設現場では、含水率計(水分計)で木材の含水率を測定してから使用します。含水率が高いまま使うと、壁の中で木材が縮んで隙間ができ、断熱性能の低下やきしみ音の原因になります。

木造の弱点

木造のデメリット

  • 火に弱い — 燃えやすい(ただし太い木材は表面が炭化して内部は燃え残る)
  • 腐る — 水分と酸素があると腐朽菌(ふきゅうきん)が繁殖して木材が腐る
  • シロアリに食べられる — 土台や柱の根元が特に被害を受けやすい
  • 大スパンが難しい — 一般的な木造軸組工法では大空間を作りにくい

腐朽菌は含水率20%以上・温度20〜35℃・酸素ありの条件で活発になります。つまり、木材を乾燥した状態に保てば腐らないのです。だから「通気工法」で壁の中に空気を流したり、防湿シートで地面からの湿気を遮断したりする対策が重要です。

木造の工法

木造の工法は大きく2種類あります。

工法 特徴
木造軸組工法(在来工法) 柱・梁・筋かいで骨組みを作る。日本の伝統的な工法。間取りの自由度が高い
枠組壁工法(ツーバイフォー) 2インチ×4インチの木材と合板で壁パネルを作り、箱型に組む。耐震性が高い

木造軸組工法は、柱と梁で骨組みを作り、対角線に「筋かい」を入れて地震力に抵抗します。日本の大工さんが昔から使ってきた伝統的な工法です。リフォームしやすく、窓の位置や大きさの自由度が高いのがメリットです。

枠組壁工法(ツーバイフォー)は、壁全体で力を受ける工法です。RC造の壁式構造と似た考え方で、面で力を受けるので耐震性が高い反面、大きな窓を設けにくいデメリットがあります。北米で発展した工法で、日本では1974年にオープン化されました。

筋かいと耐力壁

木造軸組工法で地震に耐えるために欠かせないのが筋かい(すじかい)耐力壁(たいりょくへき)です。

柱と梁だけの四角い枠は、横から力を受けると平行四辺形に変形してしまいます。ここに対角線方向の「筋かい」を入れると、変形に抵抗できるようになります。この筋かい入りの壁を耐力壁といいます。

筋かいの重要ポイント

  • 筋かいは圧縮筋かい引張筋かいがある
  • 圧縮筋かいは太い木材(45×90mm以上)を使う
  • 引張筋かいは細い木材でもよいが、接合部の金物が重要
  • X型(たすき掛け)にすると両方向の力に抵抗できる
  • 耐力壁はバランスよく配置することが重要(偏ると建物がねじれる)

基礎構造 — すべての建物の土台

基礎の役割

基礎(きそ)とは、建物の重さを地盤に伝えるための構造部分です。どんなに立派な建物を建てても、基礎がしっかりしていなければ建物は沈んだり傾いたりします。

基礎は大きく直接基礎杭基礎の2種類に分かれます。地盤の強さ(支持力)によって使い分けます。

直接基礎

直接基礎は、建物の重さを基礎の底面から直接、地盤に伝える方式です。地盤が十分に強い場合に使います。

種類 特徴 使用例
独立基礎 柱1本ずつに基礎を設ける 地盤が良い場合の中小建物
布基礎(連続基礎) 壁や柱列に沿って帯状に設ける 木造住宅で広く使われる
べた基礎 建物の底面全体に基礎スラブを設ける 軟弱地盤の住宅・不同沈下防止

布基礎は昔の木造住宅で定番でしたが、最近はべた基礎が主流です。べた基礎は建物の底面全体がコンクリートの板(基礎スラブ)になるので、以下のメリットがあります。

  • 地盤への荷重が分散される(不同沈下しにくい)
  • 地面からの湿気を遮断できる(シロアリ・腐朽菌対策)
  • 耐震性が向上する

実際の住宅建設現場では、べた基礎の上に土台(どだい)を敷いてアンカーボルトで固定し、そこに柱を立てていきます。アンカーボルトは基礎と土台をつなぐ「くぎ」のようなもので、地震のときに建物が基礎からずれるのを防ぎます。

杭基礎

地盤が軟弱で、直接基礎では建物を支えられない場合に使うのが杭基礎(くいきそ)です。地中深くに杭を打ち込んで、硬い地盤(支持層)まで力を伝えます。

種類 仕組み
支持杭 杭の先端を硬い地盤(支持層)に到達させて支える
摩擦杭 杭の側面と地盤の摩擦力で支える(支持層が深すぎる場合)

支持杭は「硬い岩盤に杭の先端を突き刺す」イメージです。マンションや大きなビルではこちらが一般的です。一方、摩擦杭は「杭を地中に差し込んで、周りの土との摩擦で支える」方式。支持層がとても深い場所(地下数十メートル以上)で使われます。

杭の種類(施工方法による分類)

  • 既製杭:工場で作った杭を現場で打ち込む・埋め込む(PC杭・PHC杭・鋼管杭)
  • 場所打ち杭:現場で地面に穴を掘り、鉄筋を入れてコンクリートを流し込む

場所打ち杭の代表的な工法には、オールケーシング工法(ケーシングチューブで孔壁を保護)、アースドリル工法(安定液で孔壁を保護)、リバースサーキュレーション工法(水流で排土)などがあります。試験では工法名と特徴の組み合わせが問われます。

基礎の選び方フロー

基礎の種類は地盤の強さ(地耐力)で決まります。

Q. 地盤は十分に硬い?(支持層が浅い)
Yes(硬い地盤)
直接基礎
独立基礎・布基礎・べた基礎
地盤に直接建物の荷重を伝える
No(軟弱地盤)
杭基礎
深い支持層まで杭を打つ
摩擦杭・支持杭の2種類

試験では「軟弱地盤の場合に適切な基礎形式はどれか」という問題がよく出ます。地盤が弱い→杭基礎、地盤が強い→直接基礎という基本原則を覚えておきましょう。

地盤と基礎の関係

地盤調査

基礎の設計をするには、まず地盤がどれくらい強いかを調べる必要があります。

調査方法 内容
標準貫入試験(N値) 63.5kgのハンマーを75cmの高さから落として、サンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数
スウェーデン式サウンディング試験 100kgのおもりを載せてロッドを回転させ、貫入量を測定。戸建住宅で広く使用

N値は地盤の硬さを表す最も一般的な指標です。N値が大きいほど地盤が硬いことを意味します。

  • N値 0〜5:軟弱地盤(杭基礎が必要な場合が多い)
  • N値 10〜30:中程度の地盤(直接基礎で対応可能な場合もある)
  • N値 50以上:硬い地盤(支持層として十分)

試験では「63.5kg」「75cm」「30cm貫入」の数字がそのまま出題されることがあるので、覚えておきましょう。

試験ではこう出る!ひっかけパターン5選

木造・基礎構造の問題は、用語の入れ替えや数値の間違いが定番のひっかけです。

ひっかけパターンと正解

① 「木材は乾燥するほど強度が下がる」→ ✕

逆。乾燥するほど強度は上がる。含水率が繊維飽和点(約30%)以下で強度が増加する。

② 「枠組壁工法(ツーバイフォー)は間取りの自由度が高い」→ ✕

間取りの自由度が高いのは木造軸組工法(在来工法)。ツーバイフォーは壁で力を受けるので、壁の位置を変えにくい。

③ 「独立基礎は建物底面全体にスラブを設ける」→ ✕

底面全体にスラブを設けるのはべた基礎。独立基礎は柱1本ずつに基礎を設ける方式。

④ 「N値が小さいほど地盤が硬い」→ ✕

逆。N値が大きいほど地盤が硬い。N値50以上で支持層として十分。

⑤ 「摩擦杭は先端を支持層に到達させて支える」→ ✕

先端を支持層に到達させるのは支持杭。摩擦杭は杭の側面と地盤の摩擦力で建物を支える。

覚え方のコツ

木材の特性は「コンクリートと逆」で覚えるとスッキリします。

  • コンクリートは圧縮に強い ⇔ 木材は引張に強い(繊維方向)
  • コンクリートは水を加えて固まる ⇔ 木材は乾燥するほど強くなる

杭基礎は「先端が刺さる=持杭」「側面でこする=摩擦杭」とそのまま漢字で覚えましょう。

理解度チェック

Q1. 木材の含水率が下がると、強度はどうなる?

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正解:強度が増す(高くなる)
木材は乾燥するほど強度が高くなります。含水率が繊維飽和点(約30%)以下で強度が上がり始めます。

Q2. 布基礎とべた基礎の違いは?

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正解:布基礎は壁や柱に沿った帯状、べた基礎は建物底面全体
べた基礎は荷重分散・湿気遮断・耐震性向上のメリットがあり、現在の木造住宅では主流です。

Q3. 標準貫入試験のN値とは?

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正解:63.5kgのハンマーを75cmの高さから落として、サンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数
N値が大きいほど地盤が硬い。N値50以上は支持層として十分な硬さです。

Q4. 杭基礎のうち、杭の側面と地盤の摩擦力で建物を支えるのは?

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正解:摩擦杭
支持杭は杭の先端を硬い支持層に到達させて支えるのに対し、摩擦杭は杭と周囲の地盤の摩擦力で支えます。

まとめ

この記事のポイント

  • 木造:軽量・断熱性高い・コスト低い。弱点は火災・腐朽・シロアリ
  • 木材は乾燥するほど強度が増す。含水率管理が重要
  • 軸組工法(柱+梁+筋かい)と枠組壁工法(ツーバイフォー)の2種類
  • 基礎は直接基礎(独立・布・べた)と杭基礎(支持杭・摩擦杭)
  • N値は地盤の硬さを表す指標。63.5kg・75cm・30cmの数字を覚える

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