2級建築(第一次)

【2級建築施工管理技士】構造力学の攻略法|反力・モーメント・応力の解き方

構造力学の攻略法(30秒でわかる要点)

  • 出題数:構造力学から毎年3〜4問出題
  • 3大テーマ:反力の計算、曲げモーメント、応力度
  • 攻略のコツ:計算パターンは5つ程度→暗記より理解が大事
  • 苦手でもOK:出題数が少ないので最悪2問捨てても合格可能

結論から言います。構造力学は「計算問題が出る」と聞いて避けたくなる分野ですが、出題パターンはたった2〜3種類です。解き方を覚えてしまえば、確実に得点できるボーナス問題になります。

2級建築施工管理技士の第一次検定では、構造力学から毎年2問程度出題されます。計算が苦手な人でも、この記事で紹介する手順どおりに解けば大丈夫です。

構造力学は「捨て分野」にしないで!

  • 毎年2問出題 → パターンを覚えれば確実に2問取れる
  • 出題パターンは「反力を求める」「曲げモーメント図を選ぶ」の2種類がほとんど
  • 暗記で解ける他の分野と違い、一度解き方を理解すれば忘れにくい
  • 多くの受験者が苦手意識で避けるため、ここで差をつけられる

力の基本 — 3つの力を理解する

構造物にかかる力の種類

建物や橋などの構造物には、さまざまな力がかかります。構造力学では、この力を3種類に分けて考えます。

力の種類 意味 身近な例
軸力(N) 部材の長さ方向に押す力・引く力 柱が建物の重さで押される
せん断力(Q) 部材を断面に沿ってズラす力 ハサミで紙を切る力
曲げモーメント(M) 部材を曲げようとする力 棒の端に荷物をぶら下げると曲がる

この3つの中で、試験で最もよく出るのが曲げモーメントです。梁(はり)の上に荷重がかかったとき、「どの位置で最も大きな曲げの力がかかるか?」を求める問題が定番です。

支点の種類 — 反力を求める第一歩

構造力学の計算では、まず支点(してん)の種類を理解する必要があります。支点とは、構造物が地面や壁に固定されている場所のことです。

支点の種類 記号 反力の数
ピン支点(回転支点) △(三角形) 2つ(水平反力+鉛直反力)
ローラー支点 ○(丸)の上に△ 1つ(鉛直反力のみ)
固定支点 壁にくっついた形 3つ(水平+鉛直+モーメント)

身近なものでたとえると、ピン支点はドアの蝶番(ちょうつがい)。回転はできるけど、上下左右には動かない。ローラー支点は引き出しのレール。一方向にはスーッと動くけど、上からの力は支える。固定支点はコンクリートに埋め込まれた柱の根元。何をしても動かない。

反力を求める3ステップ

反力の計算は、以下の3ステップの決まった手順で必ず解けます。

Step 1: ΣV=0(上下の力の合計=0)
上向きの反力の合計 = 下向きの荷重の合計
Step 2: ΣH=0(左右の力の合計=0)
水平方向の力が釣り合う(水平荷重がなければ水平反力=0)
Step 3: ΣM=0(モーメントの合計=0)
任意の点まわりのモーメント(力×距離)が釣り合う

この3つの式を立てれば、未知の反力が求まります。試験に出る梁の問題は、すべてこの手順で解けます。慣れれば1分で解けるようになるので、5年分の過去問で練習しましょう。

反力の求め方 — 3つの条件式

力のつり合いには、次の3つの条件が成り立ちます。これが構造力学の計算の基本です。

力のつり合い3条件(超重要)

  1. 水平方向の力の合計 = 0(ΣH = 0)
  2. 鉛直方向の力の合計 = 0(ΣV = 0)
  3. モーメントの合計 = 0(ΣM = 0)

計算例:単純梁の反力

長さ6mの単純梁(左端がピン支点、右端がローラー支点)の中央に12kNの集中荷重がかかっている場合を考えます。

手順1:鉛直方向のつり合い(ΣV = 0)
RA + RB = 12kN(RAは左の反力、RBは右の反力)

手順2:モーメントのつり合い(左端を基準にΣM = 0)
RB × 6m = 12kN × 3m
RB = 36 ÷ 6 = 6kN

手順3:手順1に代入
RA = 12 - 6 = 6kN

中央に荷重がかかる場合は左右均等(6kNずつ)になります。直感的にも納得できますよね。荷重が中央からずれると、近い方の支点の反力が大きくなります。

曲げモーメント図(M図)

曲げモーメント図は、梁のどの位置にどれだけ曲げの力がかかっているかを図で表したものです。

M図の描き方のルール

  • 集中荷重が作用する点でM図は折れ曲がる
  • 等分布荷重が作用する区間はM図は放物線になる
  • 曲げモーメントが最大になる点 = 最も危険な箇所
  • ピン支点・ローラー支点ではモーメント = 0

先ほどの例(6mの単純梁・中央に12kN)では、中央のモーメントは RA × 3m = 6 × 3 = 18kN・m です。梁の中央が最も曲がりやすい箇所ということです。

片持ち梁(かたもちばり)

片持ち梁は、一端が壁に固定(固定支点)、もう一端が自由端の梁です。バルコニーや看板の取り付けなど、日常で見る構造です。

片持ち梁のポイント

  • 自由端にかかった荷重は、固定端で最大のモーメントになる
  • 先端にP(kN)の荷重、長さL(m)の場合 → 固定端のモーメント = P × L
  • M図は自由端で0、固定端で最大

トラス構造の基本

トラス構造とは、三角形を組み合わせた構造です。橋や鉄塔でよく見かけます。トラスの各部材には軸力(引張か圧縮)だけがかかり、曲げモーメントは生じません。

試験では「この部材に引張力が作用するか、圧縮力が作用するか」を問う問題が出ます。節点法(各節点で力のつり合いを考える方法)で解くのが基本です。

断面の性質

梁がどれだけ曲げに耐えられるかは、材料だけでなく断面の形にも左右されます。

用語 意味
断面二次モーメント(I) 断面の曲げに対する強さ。値が大きいほど曲がりにくい
断面係数(Z) 断面の曲げ応力に対する抵抗力。梁の設計に使う

同じ材料の梁でも、H形鋼(アルファベットのHの形)が曲げに強いのは、上下のフランジが離れていることで断面二次モーメントが大きくなるからです。材料を中心から離して配置するほど曲げに強くなる——これが構造設計の基本原理です。

試験ではこう出る!ひっかけパターン5選

構造力学は「計算問題」のイメージが強いですが、実は知識問題(用語や性質の正誤判定)も出ます。以下のひっかけに注意しましょう。

ひっかけパターンと正解

① 「ローラー支点では水平反力と鉛直反力が生じる」→ ✕

ローラー支点で生じる反力は鉛直反力のみ(1つ)。水平反力も生じるのはピン支点(2つ)。

② 「単純梁の中央に集中荷重がかかると、M図は放物線になる」→ ✕

集中荷重ではM図は三角形(折れ線)になる。放物線になるのは等分布荷重の場合。

③ 「片持ち梁では自由端でモーメントが最大」→ ✕

片持ち梁のモーメント最大は固定端。自由端のモーメントは0。荷重×距離で固定端に近いほど大きくなる。

④ 「トラス部材には曲げモーメントが生じる」→ ✕

トラス部材に生じるのは軸力(引張または圧縮)のみ。曲げモーメントは生じない。これがトラス構造の大きな特徴。

⑤ 「断面二次モーメントが小さい梁ほど曲がりにくい」→ ✕

逆。断面二次モーメントが大きいほど曲がりにくい。H形鋼が曲げに強いのは、上下のフランジが離れていることで断面二次モーメントが大きくなるから。

覚え方のコツ — 支点の反力数

「ロー1、ピン2、固定3」。ローラーは転がるから1方向だけ、ピンは回転だけ許すから2方向、固定は何も動かないから3つ全部。数字が増えるほど「ガッチリ固定」とイメージすれば忘れません。

理解度チェック

Q1. 力のつり合い3条件は?

解答を見る

正解:①水平方向の力の合計=0 ②鉛直方向の力の合計=0 ③モーメントの合計=0
この3条件を連立方程式として解くことで反力が求まります。

Q2. 長さ8mの単純梁の中央に16kNの集中荷重がかかるとき、曲げモーメントの最大値は?

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正解:32kN・m
反力 = 16÷2 = 8kN。中央のモーメント = 8kN × 4m = 32kN・m。

Q3. ピン支点で生じる反力の数はいくつ?

解答を見る

正解:2つ(水平反力と鉛直反力)
ローラーは1つ(鉛直のみ)、固定は3つ(水平+鉛直+モーメント)です。

まとめ

この記事のポイント

  • 構造物にかかる力は軸力・せん断力・曲げモーメントの3種類
  • 支点はピン(2反力)・ローラー(1反力)・固定(3反力)
  • 反力はつり合い3条件(ΣH=0, ΣV=0, ΣM=0)で求める
  • 曲げモーメント最大の位置が最も危険な箇所
  • 断面二次モーメントが大きいほど曲げに強い

計算問題は最初は難しく感じますが、パターンを覚えれば得点源になります。過去問で繰り返し練習しましょう。

実践練習 — ミニテスト&模擬試験で腕試し

構造力学の知識をミニテストで確認しましょう。1回5問・3分で解けます。

本番形式で力試しするなら模擬試験もどうぞ。全50問で本番と同じ出題範囲です。

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