2級建築(第一次)

【2級建築施工管理技士】地盤調査・仮設工事・土工事の要点|躯体工事①

躯体工事①(地盤調査・仮設工事・土工事)の要点(30秒でわかる要点)

  • 地盤調査:標準貫入試験(N値)、平板載荷試験の違いが頻出
  • 仮設工事:足場の種類(枠組・単管・ブラケット)と安全基準
  • 土工事:山留め工法(親杭横矢板・シートパイル)、排水工法
  • 安全基準の数値:作業床幅40cm以上、手すり85cm以上を正確に

結論から言います。躯体工事は第一次検定で約8問出題される超重要分野です。この記事では、建物を建てる最初のステップである地盤調査・仮設工事・土工事を解説します。現場の流れをイメージしながら読むと理解が深まります。

この分野の出題頻度

地盤調査・仮設工事・土工事は躯体工事の基礎となる分野で、第一次検定で毎年2〜3問出題されます。特に「地盤調査の種類と目的」「足場の種類と安全基準」は頻出中の頻出。安全管理(「安全管理の解説」)ともリンクする内容なので、ここを理解すると得点の二重取りが可能です。

地盤調査

なぜ地盤調査が必要?

建物を建てる前に、「この土地の地盤はどれくらい硬いか」「地下水はどのくらいの深さにあるか」を調べる必要があります。地盤が軟弱なのに気づかず建てると、建物が沈んだり傾いたりする不同沈下の原因になります。

主な地盤調査方法

調査方法 内容 用途
ボーリング調査 機械で地面に穴を掘り、土のサンプルを採取 中〜大規模建物。標準貫入試験と組み合わせることが多い
標準貫入試験 63.5kgのハンマーを75cmの高さから落とし、30cm貫入に要する打撃回数(N値)を測定 地盤の硬さの判定
平板載荷試験 地盤に直接荷重をかけて沈下量を測定 直接基礎の支持力確認

ボーリング調査では、掘った穴の壁面(ボーリング柱状図)から地層の構成がわかります。「ここまでが軟弱な粘土層で、ここから下が砂礫層(硬い地盤)」というように、支持層の深さを特定して基礎の設計に活かします。

なぜ仮設工事がこんなに重視されるのか

仮設工事は完成時には撤去される「仮の設備」ですが、建設現場の安全を左右する最も重要な工事です。足場の崩壊、山留めの崩壊は死亡事故に直結します。建設業の労働災害の多くが仮設物の不備に起因するため、試験でも安全基準の数値(足場の作業床幅40cm以上、手すり高さ85cm以上)が繰り返し問われます。

仮設工事

仮設工事とは?

仮設工事とは、本体工事を安全に進めるために一時的に設置する設備や構造物の工事です。建物が完成したら撤去します。

主な仮設工事の内容

  • 仮囲い:工事現場の周囲に設ける囲い。高さ1.8m以上
  • 足場:高所作業のための作業台。枠組足場・単管足場など
  • 乗入れ構台:工事車両が現場内に出入りするための仮設道路
  • 仮設電力・仮設水道:工事中に使う電気・水

足場の安全基準(頻出)

足場の安全基準(数字を覚える!)

  • 作業床の幅:40cm以上
  • 床材と建物の間隔:12cm未満
  • 手すりの高さ:85cm以上
  • 中さん(中段の横材)の高さ:35〜50cm
  • 幅木(つま板)の高さ:10cm以上

これらの数字は労働安全衛生規則で定められた基準です。実際の現場で足場から墜落する災害は建設業の死亡事故の上位を占めており、足場の安全基準は厳格に管理されています。

土工事

根切り(ねぎり)

根切りとは、基礎を作るために地面を掘る作業です。地下室がある建物では、地下の深さ分だけ掘り下げます。

種類 内容
つぼ掘り 独立基礎の部分だけをピンポイントで掘る
布掘り 布基礎に沿って帯状に掘る
総掘り 建物全体の底面を一様に掘る。べた基礎や地下室のある建物

山留め(やまどめ)

深く掘ると、周囲の地盤が崩れてくる危険があります。山留めは、掘った穴の壁面が崩壊しないように支える仮設構造物です。

主な山留め工法

  • 親杭横矢板工法:H形鋼の親杭を打ち、間に木の板(横矢板)をはめる。最も一般的
  • 鋼矢板工法(シートパイル):鋼製の矢板を連続して打ち込む。止水性が高い
  • 地中連続壁工法:RC壁を地中に築造する。大規模・深い掘削向き

山留めの支保工(内側から突っ張る構造)には、切梁(きりばり)方式アンカー方式があります。切梁方式は掘削穴の内部を鋼材で突っ張る方法で、狭い敷地では切梁が作業スペースを狭めるデメリットがあります。

排水工法

掘削すると地下水が湧き出ることがあります。これを処理する方法が排水工法です。

工法 仕組み
釜場排水 掘削底面に穴(釜場)を掘り、溜まった水をポンプで排水。最もシンプル
ウェルポイント工法 小口径のパイプを多数打ち込み、真空ポンプで地下水位を下げる
ディープウェル工法 大口径の井戸を掘り、水中ポンプで排水。深い地下水位の低下に有効

試験ではこう出る!ひっかけパターン5選

地盤調査・仮設・土工事は数値問題と用語の入れ替えが定番のひっかけです。

ひっかけパターンと正解

① 「足場の作業床の幅は30cm以上とする」→ ✕

正しくは40cm以上。30cmでは作業員が安全に歩けない。手すりは85cm以上。

② 「親杭横矢板工法は止水性が高い」→ ✕

親杭横矢板工法は止水性が低い。横矢板同士の隙間から水が入る。止水性が高いのは鋼矢板工法

③ 「ウェルポイント工法は大口径の井戸を掘る方法」→ ✕

大口径の井戸はディープウェル工法。ウェルポイントは小口径のパイプを多数打ち込み真空ポンプで排水する方法。

④ 「布掘りは建物全体の底面を掘る方式」→ ✕

全体を掘るのは総掘り。布掘りは布基礎に沿って帯状に掘る方式。

⑤ 「平板載荷試験は地盤のN値を測定する試験」→ ✕

N値を測定するのは標準貫入試験。平板載荷試験は地盤に直接荷重をかけて沈下量と支持力を測定する。

覚え方のコツ — 足場の数値

「40・85・10」の3つだけ覚えましょう。作業床40cm以上、手すり85cm以上、幅木10cm以上。中さんの35〜50cmは「手すり85cmの半分くらいの高さ」とイメージすれば思い出せます。

理解度チェック

Q1. 足場の作業床の幅は最低何cm以上?

解答を見る

正解:40cm以上
手すりは85cm以上、中さんは35〜50cm、幅木は10cm以上です。

Q2. 止水性が高い山留め工法は?

解答を見る

正解:鋼矢板工法(シートパイル)
鋼製の矢板を連続して打ち込むため、矢板同士の継手部分の止水性が高いです。

Q3. 建物全体の底面を一様に掘る根切りの種類は?

解答を見る

正解:総掘り
べた基礎や地下室のある建物で使われます。つぼ掘りは独立基礎用、布掘りは布基礎用です。

まとめ

この記事のポイント

  • 地盤調査:標準貫入試験のN値で地盤の硬さを判定
  • 足場:作業床40cm以上、手すり85cm以上などの数字を覚える
  • 根切り:つぼ掘り・布掘り・総掘りの3種類
  • 山留め:親杭横矢板・鋼矢板・地中連続壁の特徴を理解
  • 排水:釜場排水・ウェルポイント・ディープウェルの使い分け

実践練習 — ミニテスト&模擬試験で腕試し

躯体工事の知識をミニテストで確認しましょう。1回5問・3分で解けます。

本番形式で力試しするなら模擬試験もどうぞ。

関連記事

-2級建築(第一次)