2級土木(第一次)

【2級土木施工管理技士】法規①(建設業法・労働安全衛生法)をわかりやすく解説

法規①(建設業法・労働安全衛生法)の要点(30秒でわかる)

  • 建設業許可:大臣許可(2以上の都道府県)/知事許可(1都道府県)、特定(下請4,500万超)/一般
  • 技術者配置:主任技術者(全工事に配置)、監理技術者(特定建設業の元請が4,500万超下請時)
  • 一括下請負:原則禁止。公共工事では例外なく全面禁止
  • 安全衛生管理体制:統括安全衛生責任者→元方安全衛生管理者→安全衛生責任者の階層
  • 作業主任者:土止め・型枠支保工・酸欠等の危険作業で技能講習修了者を選任

結論から言います。法規は暗記だけで得点できる分野です。建設業法と労働安全衛生法の2つが柱で、出題パターンもほぼ決まっています。「法律は難しそう…」と敬遠する受験者が多いですが(勉強法の記事でも法規の効率的な学び方を紹介しています)、実はコスパ最高の得点源。ポイントを絞って覚えれば確実に正解できます。

法規の出題傾向と配点|建設業法+労安法で6〜8問

出題データ

  • 法規は全11問で全問必須出題傾向と攻略法
  • 建設業法から3〜4問、労働安全衛生法から3〜4問出題
  • 技術者配置・一括下請負禁止・作業主任者の選任基準が特に頻出

法規11問は選択ではなく全問必須。建設業法と労働安全衛生法(この記事)で6〜8問、道路法・河川法等(法規②)で3〜5問という構成です。暗記中心で得点しやすい分野なので、ここで取りこぼさないことが合格のカギ。安全管理で学んだ内容と重なる部分も多いです。

建設業法の重要ポイント|許可・技術者配置・下請負【頻出】

建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化を目的とした法律です。

建設業の許可

許可の種類 条件
大臣許可 2以上の都道府県に営業所を設ける場合
知事許可 1つの都道府県にのみ営業所を設ける場合
特定建設業 元請として4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)の下請契約を締結する場合
一般建設業 特定建設業以外

💡 許可が不要なケース

軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可不要です。軽微な建設工事とは:
・建築一式工事:請負代金1,500万円未満、または延べ面積150m²未満の木造住宅工事
・その他の工事:請負代金500万円未満

なぜ建設業に「許可制度」があるのか?

建設工事は金額が大きく、完成まで品質を確認しにくい特徴があります。手抜き工事をされても外からは見えず、建物の倒壊や道路の陥没など人命に関わる事故につながりかねません。そのため、一定の技術力・経営基盤・誠実性がある業者だけに営業を認める許可制度が設けられています。試験では「なぜこの規制があるのか」を理解していると、ひっかけ問題にも対応しやすくなります。

建設業許可の判定フロー
建設工事を請け負いたい
軽微な建設工事のみ
(建築一式1,500万円未満 or 150m²未満の木造/その他500万円未満)
YES

許可不要
NO

許可が必要
許可が必要な場合
営業所が2つ以上の都道府県にある?
YES

大臣許可
NO

知事許可
さらに確認
元請として下請代金合計4,500万円以上
(建築一式は7,000万円以上)
YES

特定建設業
NO

一般建設業

技術者の配置

技術者 配置が必要な場合 資格
主任技術者 すべての建設工事(元請・下請問わず) 2級施工管理技士等
監理技術者 特定建設業の元請で、下請代金合計4,500万円以上 1級施工管理技士等

📜 専任の技術者が必要な場合

公共性のある施設や多数の者が利用する施設の工事で、請負代金が4,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の場合、主任技術者・監理技術者は専任(他の工事と兼務不可)でなければなりません。

2級土木施工管理技士に合格すると主任技術者になることができます。つまり、この資格を取ることで建設工事の現場に配置される技術者として認められるのです。

技術者配置の判定フロー
建設工事を施工する
特定建設業の元請で下請代金合計4,500万円以上
YES

監理技術者を配置
(1級施工管理技士等)
NO

主任技術者を配置
(2級施工管理技士等)
公共工事等で請負代金4,000万円以上
YES → 専任(兼務不可)
NO → 兼務可能

この判定フローは試験で繰り返し問われます。「4,500万円→監理技術者」「4,000万円→専任」の2つの数値を混同しないように注意しましょう。

請負契約のルール

⚠ 建設業法で禁止されていること

  • 一括下請負の禁止:請け負った工事を丸ごと下請に出してはならない(丸投げ禁止)
  • 不当に低い請負代金の禁止:自己の取引上の地位を利用して不当に低い代金で契約してはならない
  • 契約書面の交付義務:口約束はダメ。必ず書面で契約する

労働安全衛生法の重要ポイント|管理体制・作業主任者・届出【頻出】

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的とした法律です。

安全衛生管理体制

管理者 選任基準(建設業)
統括安全衛生責任者 特定元方事業者で、常時50人以上の労働者が同一場所で作業
元方安全衛生管理者 統括安全衛生責任者を選任した場合に、その補佐として選任
安全衛生責任者 下請業者が選任。統括安全衛生責任者との連絡調整

作業主任者の選任が必要な作業

✅ 土木工事で頻出の作業主任者

  • 地山の掘削作業主任者:掘削面の高さ2m以上
  • 土止め支保工作業主任者:土止め支保工の切ばりの取付け・取外し(安全管理参照)
  • 型枠支保工の組立て等作業主任者:型枠支保工の組立て・解体
  • 足場の組立て等作業主任者:つり足場・張出し足場、高さ5m以上の足場
  • 酸素欠乏危険作業主任者:酸素欠乏危険場所での作業(酸素濃度18%以上を維持 → 安全管理参照)
  • コンクリート破砕器作業主任者:コンクリート破砕器を用いる作業

なぜ「作業主任者」の選任が義務づけられているのか?

建設現場では高所作業・掘削・酸欠場所など死亡事故に直結するリスクが日常的に存在します。専門知識を持つ作業主任者が現場にいることで、作業方法の指示・安全確認・退避判断などを即座に行え、事故を未然に防止できます。過去の重大事故を教訓にして法定化された制度であり、試験でも「どの作業で誰を選任するか」が繰り返し問われます。

届出が必要な工事

届出先 対象
厚生労働大臣 高さ300m以上の塔の建設等(計画届・工事開始30日前まで)
労働基準監督署長 高さ31m以上の建築物の建設等(計画届・工事開始14日前まで)

よくある質問と試験のひっかけポイント

Q. 大臣許可と知事許可の違いは「工事をする場所」で決まる?

A. いいえ、「営業所の所在地」で決まります。知事許可であっても、他の都道府県で工事をすることはできます。営業所が1つの都道府県にしかなければ知事許可、2つ以上の都道府県にあれば大臣許可です。

Q. 主任技術者と監理技術者は両方必要?

A. いいえ、どちらか一方です。監理技術者を置く場合は主任技術者は不要です。監理技術者は主任技術者の上位資格と考えてください。

Q. 大臣許可と知事許可で施工できる範囲は違う?

A. いいえ、違いません。許可の区分は営業所の所在地で決まるもので、施工場所は関係ありません。知事許可でも全国どこでも施工可能です。試験では「知事許可では他県の工事ができない」がひっかけ選択肢としてよく出ます。

Q. 主任技術者と監理技術者は同じ人が兼任できる?

A. そもそもどちらか一方を配置すればよく、兼任の問題は生じません。一般建設業は主任技術者、特定建設業の元請で一定金額以上の下請契約を締結する場合は監理技術者を配置します。2級施工管理技士は主任技術者になれ、1級は監理技術者になれます。

Q. 統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・安全衛生責任者の違いは?

A. 統括安全衛生責任者は特定元方事業者(元請)のトップで現場全体の安全を統括。元方安全衛生管理者は統括の補佐役で技術的事項を管理。安全衛生責任者下請業者が選任する担当者で、統括安全衛生責任者との連絡調整を行います。「統括=元請のボス」「安全衛生責任者=下請の窓口」と覚えましょう。

試験でこう出る!法規①の出題パターン

  • パターン1:建設業許可の区分(大臣/知事・特定/一般)に関する正誤問題
  • パターン2:主任技術者と監理技術者の配置基準(金額基準・専任要件)
  • パターン3:一括下請負の禁止に関する問題(公共工事は例外なし)
  • パターン4:安全衛生管理体制の人数基準(50人・30人等)と選任義務
  • パターン5:作業主任者を選任すべき作業の一覧(土止め・型枠・酸欠等)
  • パターン6:届出が必要な工事・機械の設置(14日前・30日前等)

建設業法は「金額基準」、労安法は「人数基準」のひっかけが多い!数字を正確に覚えましょう。

暗記のコツ:法規①の重要数字

項目 数値 覚え方
特定建設業の下請金額 4,500万円以上 「特定=4500(ヨンゴー)」
建築一式の場合 7,000万円以上 「一式は7000(ナナセン)」
統括安全衛生責任者の選任 常時50人以上 「統括=50(ゴジュウ)人」
ずい道等の統括選任基準 常時30人以上 「トンネルは30(サンジュウ)人」
建設業許可不要の軽微な工事 500万円未満 「軽微=500万未満」
主任技術者の専任基準 4,000万円以上 「専任=4000(ヨンセン)」

法規の知識をミニテストで確認

建設業法・労安法の数値基準は正確な暗記が必須。
ミニテストで繰り返し確認しましょう。

第一次検定の攻略法・ミニテスト一覧を見る →

理解度チェック

Q1. 建設業の許可が不要となる「軽微な建設工事」の請負代金の上限は?(建築一式以外)

解答を見る

正解:500万円未満
建築一式以外の工事で請負代金500万円未満の場合は、建設業の許可なく工事を請け負うことができます。建築一式工事は1,500万円未満または150m²未満の木造住宅工事です。

Q2. 建設業法で禁止されている「一括下請負」とは何ですか?

解答を見る

正解:請け負った工事を丸ごと下請に出すこと(丸投げ)
元請業者が工事の施工を実質的に関与せず、下請業者にすべて任せてしまうことです。品質や安全の管理が不十分になるため禁止されています。

Q3. 統括安全衛生責任者の選任が必要な労働者数は常時何人以上ですか?(建設業の場合)

解答を見る

正解:50人以上
特定元方事業者(建設業の元請)で、同一場所で常時50人以上の労働者が作業する場合に統括安全衛生責任者を選任します。

Q4. 主任技術者と監理技術者の違いを簡単に説明してください。

解答を見る

正解:主任技術者はすべての工事に配置が必要(2級で可)。監理技術者は特定建設業の元請で下請代金合計4,500万円以上の場合に配置(1級が必要)。
監理技術者を配置する場合は主任技術者は不要です。監理技術者は主任技術者の上位資格です。

法規①のまとめ|暗記で確実に得点する分野

建設業法と労働安全衛生法は、数字と用語をセットで覚えるのがコツです。許可の種類・技術者の配置基準・作業主任者の選任条件は、過去問でも繰り返し出題される最頻出テーマ。この記事で解説したポイントを中心に学習すれば、法規分野で安定して得点できます。法規②(道路法・河川法等)と合わせて対策しましょう。

この記事のポイント

  • 建設業の許可は営業所の所在地で大臣許可・知事許可が決まる
  • 主任技術者はすべての工事に配置、監理技術者は大規模元請工事
  • 一括下請負(丸投げ)は禁止、契約は書面で
  • 統括安全衛生責任者は常時50人以上で選任
  • 作業主任者は掘削2m以上、足場5m以上、酸欠場所等で必要
  • 計画届:300m以上は大臣(30日前)、31m以上は監督署長(14日前)

法規シリーズ・関連記事

  • この記事 → 建設業法・労働安全衛生法
  • 法規② → 道路法・河川法・騒音振動規制法・環境関連法
  • 共通工学(契約) → 入札方式・請負契約の基礎
  • 施工計画 → 施工計画書・環境対策
  • 安全管理 → 労働安全衛生法の現場適用

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