1級建築(第二次) ミニテスト

1級建築 仮設計画・安全管理 練習問題①【無料・模範解答付き】

1級建築施工管理技士 仮設計画・安全管理 ミニテスト 第1回

仮設計画・安全管理は経験記述とは異なり、技術的知識を問う記述問題です。「留意事項を述べ、その理由を記述せよ」という形式が中心です。

第1回では足場計画の留意事項をテーマに記述練習を行います。「仮設計画・安全管理の記述対策」を復習してから挑戦しましょう。

テスト情報

形式:記述式(模範解答付き)

問題数:3問(足場計画の留意事項・組立て解体の安全・養生と点検)

テーマ:足場計画

目標時間:30分

問題1:枠組足場の計画

【問題】

RC造10階建の共同住宅新築工事において、外部に枠組足場を設置する計画を立案する。足場の安全性を確保するための留意事項を2つ挙げ、それぞれの理由を記述しなさい。

記述のポイント

  • 留意事項には具体的な数値(寸法・間隔・荷重等)を入れる
  • 理由は「〜するため」「〜を防止するため」と目的を明確に書く
  • 法令(労働安全衛生規則)の基準値を使うと説得力が増す
  • 足場の三大要素:壁つなぎ・作業床・手すりを押さえる
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【模範解答例】

留意事項1:壁つなぎの設置間隔と配置

壁つなぎを垂直方向5m以下、水平方向5.5m以下の間隔で設置する。枠組足場は建物の外壁面に沿って自立しているため、風荷重や作業荷重に対して躯体との一体化を図り、足場の倒壊・変形を防止する必要がある。特に10階建(高さ約30m)の場合は風の影響が大きく、台風等の強風時に足場が倒壊すると重大な第三者災害につながる恐れがあるため、壁つなぎの配置計画を確実に行う。

留意事項2:作業床の構造

作業床の幅を40cm以上確保し、床材間の隙間を3cm以下とする。作業床の端部には高さ85cm以上の手すり中さん(高さ35〜50cm)を設置し、さらに高さ10cm以上の幅木(つま先板)を取り付ける。作業員の墜落防止と工具・材料の飛来落下防止を図るためである。手すりの高さが不足したり床材に隙間があると、作業員の墜落や工具の落下による下方の作業員・第三者への災害を招く恐れがある。

問題2:足場の組立て・解体時の安全対策

【問題】

上記の枠組足場について、組立て作業および解体作業における安全対策を2つ挙げ、それぞれの理由を記述しなさい。

組立て・解体時の安全管理の要点

  • 手すり先行工法:組立て時に手すりを先に取り付けてから作業床を設置する工法
  • 作業主任者の選任:足場の組立て等作業主任者(技能講習修了者)の選任が法的に必要
  • 強風(10分間の平均風速10m/s以上)・大雨・大雪時は作業を中止
  • 組立て図(足場計画図)の作成と周知
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【模範解答例】

安全対策1:手すり先行工法の採用

足場の組立て時に手すり先行工法を採用し、上段の手すり枠を先に取り付けてから作業床を設置する手順とする。足場の組立て作業は手すりのない状態で高所作業を行うため、墜落リスクが最も高い工程である。手すりを先行設置することで、組立て作業中の墜落を防止し、解体時も作業床を外す前に下段の手すりが確保されている状態を維持する。

安全対策2:足場の組立て等作業主任者の配置と作業手順の周知

足場の組立て・解体にあたり、労働安全衛生法に基づき足場の組立て等作業主任者(技能講習修了者)を選任し、作業の直接指揮を行わせる。組立て図を事前に作成し、作業手順・部材の配置・資材の搬入順序を朝礼で全作業員に周知する。足場の組立て・解体は部材の落下や不安定な状態での作業が避けられず、作業手順の逸脱が重大事故に直結するため、有資格者による指揮と手順の統一が不可欠である。

問題3:足場の点検と養生

【問題】

枠組足場の使用期間中に行うべき点検項目を2つ挙げ、その点検が必要な理由を記述しなさい。また、外部足場に設置する養生シートの留意事項を1つ述べなさい。

点検の法的根拠と養生のポイント

  • 足場の点検は毎作業日の作業開始前に行う(労安則567条)
  • 悪天候(強風・大雨等)後にも臨時点検が必要
  • 養生シートは飛来落下防止と粉じん飛散防止のために設置するが、受風面積が増加して足場への風荷重が増える点に留意
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【模範解答例】

点検項目1:壁つなぎの緩み・脱落の確認

壁つなぎのボルトの緩みや脱落がないかを確認する。コンクリート打設時の振動やクレーン作業時の接触により壁つなぎが緩むことがあり、緩みを放置すると足場の躯体への固定が不十分となり、強風時に足場が倒壊する恐れがある。特に台風シーズンは毎日の点検に加え、強風後の臨時点検を確実に行う。

点検項目2:作業床・手すり・筋かいの損傷確認

作業床の脱落や破損、手すり・筋かいの変形・外れがないかを確認する。日々の作業で足場板がずれたり、資材の搬入時に手すりが外されてそのまま復旧されない場合がある。作業床や手すりの不備は墜落災害の直接原因となるため、毎作業日の作業開始前に目視点検を行い、不備があれば使用を禁止して直ちに補修する。

養生シートの留意事項:風荷重の増大に対する対策

外部足場にメッシュシート(防音シート)を設置する際は、受風面積の増大に伴う風荷重の増加を考慮して壁つなぎの補強計画を立案する。密閉度の高いシートほど風荷重が大きくなるため、建物の高さ・立地条件に応じて壁つなぎの増設や補強を行う。台風接近時にはシートを巻き上げて固縛し、受風面積を減少させる措置を講じる。

自己採点のポイント

  • 数値の正確さ:壁つなぎ(5m/5.5m)、作業床幅(40cm)、手すり(85cm)、隙間(3cm)等の数値が正確か?
  • 理由の論理性:留意事項と理由が因果関係で結ばれているか?(「〜だから〜する」の構造)
  • 法的根拠:労働安全衛生規則や関係法令への言及があるか?
  • 実務的な視点:台風時の対応や日常点検など、現場運用の視点が入っているか?

足場計画の記述で得点アップするコツ

  • 数値は必ず入れる — 「適切な間隔で壁つなぎを設ける」では得点できない。「垂直5m以下、水平5.5m以下」と具体的な基準値を書く
  • 「何のために」を必ず書く — 「墜落防止」「倒壊防止」「飛来落下防止」など、安全上の目的を明示する
  • 手すり先行工法に言及する — 組立て・解体時の安全対策として最も評価される工法。厚生労働省のガイドラインにも推奨
  • 点検の頻度と根拠 — 「毎作業日の作業開始前」「悪天候後」と点検のタイミングを具体的に書く

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