第1回の模範解答で品質管理答案を照合する
課題、対策、確認方法、結果の4要素が一続きになっているかを確認します。 模範解答は唯一の正解ではありません。施工経験記述は、例文の工事名や数値を写さず、自分が実際に担当した工事の事実と記録に置き換えてください。
解答・解説
2級建築施工管理技士 第二次検定 模擬テスト 第1回の解答・解説です。記述式のため、模範解答例と採点のポイントを掲載しています。自分の解答と比較し、重要なキーワードが含まれているか確認しましょう。
問1:施工経験記述(品質管理)
【模範解答例 — 工事概要】
工事名:○○マンション新築工事
工事場所:東京都○○区○○町1-2-3
工事の内容:共同住宅、鉄筋コンクリート造、地上5階建、延べ面積2,800m²
工期:令和○年4月〜令和○年12月(9か月間)
あなたの立場:工事主任
【模範解答例 — 課題と対策】
課題1:夏季のコンクリート打設において、外気温が30℃を超える日が続き、コンクリートの温度上昇によるひび割れの発生が懸念された。
対策1:練混ぜ水に冷水を使用し、コンクリートの荷卸し時の温度を35℃以下に管理した。また、打設後は直射日光を避けるためにシートで覆い、散水養生を5日間継続して実施した。スランプ試験と空気量試験を通常より頻度を上げて(150m³に1回→100m³に1回)実施し、品質を確認した。
課題2:地下階の型枠工事において、壁型枠の精度(鉛直精度・位置精度)を確保することが課題となった。
対策2:型枠組立て後に下げ振りを用いて鉛直精度を確認し、許容値(高さの1/600以下かつ15mm以下)を超える箇所は直ちに修正した。セパレーターの配置間隔を600mm以下に統一し、コンクリートの側圧による変形を防止した。打設中はたたき作業を行い、ジャンカの発生を防止した。
【採点のポイント】
- 工事概要が具体的か(構造・規模・階数・延べ面積等の数値が記載されているか)
- 品質管理に関する課題が明確で、工事内容と整合しているか
- 対策に具体的な数値・工法名・基準値が含まれているか
- 課題と対策の因果関係が論理的に説明されているか
- 「〜した」と過去形で記述し、実際に経験した内容として書かれているか
問2:用語の説明と留意事項
(イ)かぶり厚さ
【模範解答例 — 用語の説明】
かぶり厚さとは、コンクリート表面から鉄筋の表面までの最短距離をいう。鉄筋の腐食防止、耐火性能の確保、コンクリートと鉄筋の付着力の確保を目的として、部位ごとに最小かぶり厚さが定められている。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
スペーサーを適切な間隔(梁・スラブ下端は1m²あたり2個以上)で配置し、所定のかぶり厚さを確保する。型枠の組立て精度を確認し、鉄筋が型枠に接触しないようにする。かぶり厚さは施工中および配筋検査時に、スケール等で測定して確認する。
【採点のポイント】
- 用語の定義が正確か(「コンクリート表面から鉄筋表面までの距離」が必須)
- 目的(腐食防止・耐火・付着力)のいずれかに言及しているか
- 留意事項にスペーサーの使用や検査方法が含まれているか
(ロ)セルフレベリング材
【模範解答例 — 用語の説明】
セルフレベリング材とは、流し込むだけで自然に水平な面を形成する左官材料のことである。セメント系とせっこう系があり、床仕上げ材の下地として使用される。コテ均しが不要で、短時間で広い面積を施工できる特徴がある。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
施工前に下地コンクリートの乾燥を確認し、プライマーを塗布して接着性を高める。打設厚さは一般に10〜30mm程度とし、気温が5℃以下の場合は施工を避ける。施工後は直射日光や通風を避け、急激な乾燥を防止して硬化させる。
【採点のポイント】
- 「流し込みで自然に水平面を形成する」というポイントが含まれているか
- 用途(床下地)に言及しているか
- 留意事項にプライマー処理や乾燥養生が含まれているか
(ハ)陸墨(ろくずみ)
【模範解答例 — 用語の説明】
陸墨とは、建築工事において各階の一定の高さの水平基準線を示す墨のことをいう。一般にフロアレベル(FL)から1mの高さに記し、床・天井・窓・設備などの高さの基準として使用する。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
陸墨はレベル(水準器)またはレーザーレベルを使用して正確に移し取り、各階ごとにベンチマークから確認する。誤差の累積を防ぐため、各階ごとに1階のベンチマークから直接移す(積み上げ方式を避ける)。陸墨は工事の進捗に伴い見えなくなることがあるため、複数箇所に記しておく。
【採点のポイント】
- 「水平基準線」「高さの基準」というキーワードが含まれているか
- FLから1mの高さであることに言及しているか
- 留意事項にレベル測定器の使用や誤差累積防止が含まれているか
問3:ネットワーク工程表
【模範解答例】
(1)クリティカルパス:A → C → F → H
各経路の所要日数を計算します。
- A→C→F→H:5+8+6+4=23日
- A→C→G→H:5+8+5+4=22日(Cの後、ダミーで6へ、G→7→H)
- A→D→G→H:5+6+5+4=20日(ダミーで4へ、D→6、G→7→H)
- B→D→G→H:3+6+5+4=18日
- B→E→G→H:3+7+5+4=19日
最も所要日数が長い経路はA→C→F→H(23日)であり、これがクリティカルパスです。
(2)全体工期:23日
クリティカルパスの所要日数が全体工期となります。
(3)作業Dのフリーフロート:2日
作業Dの最早開始時刻:ノード4の最早結合点時刻=max(A=5, B=3)=5日目。
作業Dの最早完了時刻:5+6=11日目。
後続作業Gの最早開始時刻:ノード6の最早結合点時刻=max(C完了=13, D完了=11, E完了=10)=13日目。
フリーフロート=13−11=2日
【採点のポイント】
- クリティカルパスの経路と所要日数が正確か
- 全経路の所要日数を計算して比較しているか
- フリーフロートの計算過程が示されているか
- 「最早完了時刻」「最早開始時刻」等の用語を正しく使用しているか
問4:施工管理法(記述)
【模範解答例】
(1)建設現場における熱中症対策として実施すべき具体的な措置を3つ
- WBGT値(暑さ指数)の測定と管理:WBGT値を定期的に測定し、基準値を超える場合は作業時間の短縮や作業の中止を判断する。WBGT値が28℃以上の場合は、連続作業時間を短縮する。
- 休憩場所の確保と水分・塩分の補給:日陰や冷房の効いた休憩場所を設け、作業員が自由に利用できるようにする。スポーツドリンク等を常備し、こまめな水分・塩分補給を促す。
- 作業員の健康管理と作業計画の調整:朝礼時に作業員の体調を確認し、体調不良者は無理に作業させない。気温の高い時間帯(10時〜14時)を避けた作業計画を立て、早朝作業への切替えを検討する。
(2)外壁タイル張り(改良圧着張り)の施工要領図の不適切箇所
【不適切な箇所】改良圧着張りにおいて、張付けモルタルが下地面側にのみ塗布され、タイル裏面にはモルタルが塗布されていない。
【正しい施工方法】改良圧着張りは、下地面とタイル裏面の両方に張付けモルタルを塗布してタイルを張り付ける工法である。タイル裏面にもモルタルを塗布することで、接着面積が増大し、接着力が向上する。タイル張り後は、木づちやたたき板で十分にたたき押えを行い、モルタルがタイル裏面全体に密着するようにする。
【採点のポイント】
- (1)は具体的な措置が3つ記述されているか。WBGT値・休憩場所・健康管理のキーワードが重要
- (2)は下地面とタイル裏面の両方へ張付けモルタルを塗布する点を示しているか
- 熱中症対策は、現場の条件に応じた測定・休憩・連絡体制まで具体化できているか
問5:法規(記述)
【模範解答例】
(1)建設業法第26条に規定する主任技術者の職務を2つ
- 建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理を行うこと。
- 建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行うこと。
(2)労働安全衛生法に基づき、高さ2m以上の場所で作業を行う場合に事業者が講じるべき墜落防止措置を2つ
- 作業床を設け、その作業床の端や開口部等には囲い、手すり、覆い等を設けること。
- 作業床を設けることが困難な場合は、防網(安全ネット)を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具(安全帯)を使用させること。
(3)次の文章の空欄に当てはまる語句
建設業法第24条の8第1項の規定により、特定建設業者は、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の総額が5,000万円(建築一式工事にあっては8,000万円)以上になる場合は、監理技術者を置かなければならない。
【採点のポイント】
- (1)施工計画・工程管理・品質管理・技術上の管理・指導監督がキーワード
- (2)作業床の設置と手すり等の設置が必須。安全ネットと安全帯は作業床が困難な場合の措置
- (3)金額と技術者名が正確に記入されているか。令和7年2月1日以降の金額に注意
最新の公式形式と解答例の使い方
令和7年度の公式問題は全5問題・試験時間2時間で、問題1〜3が記述式、問題4・5が四肢択一式です。この解答ページは、説明力を鍛えるため全5問を記述式にした当サイト独自模試に対応しています。実際の形式は「令和7年度 第二次検定の公式問題」で確認してください。
- 先に自分の答案を完成させ、解答例を見ずに課題・対策・確認・結果へ分ける。
- 解答例と同じ表現ではなく、自分の答案に不足する事実や判断根拠だけを補う。
- 翌日に模擬試験の問題ページへ戻り、根拠を口頭で説明しながら書き直す。