ダムのポイント(30秒で押さえる)
- コンクリートダム:重力式が最も一般的。RCD工法(面状施工)が主流
- フィルダム:土や岩で築造。ゾーン型(遮水ゾーン+フィルターゾーン+ロックゾーン)
- 基礎処理:グラウチング(カーテン・コンソリデーション)で止水・強化
- 出題頻度:専門土木から2〜3問。専門性が高いが出題パターンは限定的
ダムの種類
| 種類 | 構造 | 特徴 |
|---|---|---|
| 重力式コンクリートダム | コンクリートの自重で水圧に抵抗 | 最も一般的。安定性が高い。基礎岩盤が良好な場所に適する |
| アーチ式コンクリートダム | アーチ形状で水圧を両岸の岩盤に伝達 | コンクリート量が少ない。狭い谷で両岸の岩盤が強固な場所に適する |
| ロックフィルダム | 岩石を主材料として築造。中心部に遮水ゾーン | 基礎岩盤の条件が悪い場所にも適用可。材料が現地で調達しやすい |
| アースフィルダム | 土質材料で築造 | 低いダムに適する。材料が豊富な場合にコスト優位 |
コンクリートダムの施工
RCD工法(Roller Compacted Dam-Concrete)
RCD工法の特徴(頻出)
- 超硬練りのコンクリート(スランプ0cm:ノースランプ)をブルドーザで敷均し、振動ローラで締め固める
- 1リフトの打設厚さは75cm(25cm×3層が標準)
- 従来の柱状工法に比べて施工速度が速い
- 単位セメント量が少なく、水和熱が低い(温度ひび割れ対策に有利)
- ダム用コンクリートの単位セメント量は一般に120〜130kg/m³程度(RCDの場合)
ダムコンクリートの品質管理
- 温度管理:コンクリートの打込み温度を管理し、温度ひび割れを防止。プレクーリング(骨材冷却等)を実施
- リフト間隔:打設リフト間の打継ぎは、先打ちコンクリートのグリーンカット(レイタンス除去)後に施工
- 養生:パイプクーリング(冷却管を埋設して通水冷却)で内部温度を制御
フィルダムの施工
ゾーン型フィルダムの構成
| ゾーン | 材料 | 機能 |
|---|---|---|
| 遮水ゾーン(コア) | 粘性土(透水性が低い材料) | ダムの中心部で止水機能を担う |
| フィルターゾーン | 砂〜砂礫 | 遮水ゾーンの浸透水を排水し、パイピング防止 |
| ロックゾーン | 岩石(ロック材) | ダムの安定性を確保する堤体の主要部分 |
フィルダムの施工管理
- 遮水ゾーン:含水比を最適含水比付近に管理し、締固め度を確保。降雨時は施工を中止
- フィルターゾーン:粒度分布が重要。遮水ゾーンの材料の流出を防ぐ粒度基準を満たすこと
- ロックゾーン:振動ローラで締め固め。1層の仕上がり厚さは1〜2m
- 各ゾーンの施工高さ:同一レベルで均等に盛り立てる。一方のゾーンだけが先行しないよう管理
基礎処理(グラウチング)
| 種類 | 目的 | 施工位置 |
|---|---|---|
| カーテングラウチング | ダム基礎の止水。セメントミルクを注入して地盤中の水みちを遮断 | ダム軸に沿って1列(深さは岩盤条件による) |
| コンソリデーショングラウチング | ダム基礎岩盤の強度増加・一体化 | ダム底面全体に面的に施工 |
| ブランケットグラウチング | フィルダムの基礎の止水 | 遮水ゾーン直下に面的に施工 |
まとめ
この記事のポイント
- RCD工法:スランプ0cmの超硬練りコンクリートを振動ローラで締固め。1リフト75cm
- フィルダム:遮水ゾーン(止水)+フィルターゾーン(排水)+ロックゾーン(安定)
- カーテングラウチング=止水、コンソリデーショングラウチング=強化
ダム分野で問われやすい判断軸
ダム分野は、形式名を覚えるだけでなく、荷重をどのように地盤へ伝えるのか、どの材料を使うのか、施工時に何を管理するのかを整理すると得点しやすくなります。第一次検定では、コンクリートダム、フィルダム、RCD工法、基礎処理、温度ひび割れ対策が組み合わせて問われやすいです。
| 判断軸 | 見るポイント |
|---|---|
| ダム形式 | 重力式、アーチ式、ロックフィル、アースフィルなど、荷重の受け方と材料を区別する。 |
| 基礎地盤 | 支持力、透水性、断層・弱層、グラウチング、掘削面処理を確認する。 |
| 材料管理 | コンクリートの温度、締固め、打継ぎ、フィル材料の粒度・含水比を管理する。 |
| 安全・環境 | 高所作業、大型機械、濁水処理、周辺河川への影響、出水時の退避を考える。 |
コンクリートダムとフィルダムの違い
材料と安定のさせ方で覚える
- 重力式コンクリートダムは、コンクリートの自重で水圧に抵抗する形式です。基礎地盤の支持力、打設温度、打継ぎ処理が重要になります。
- アーチ式コンクリートダムは、水圧を左右の岩盤へ伝える考え方で、強固な岩盤条件が前提になります。
- ロックフィルダムは、岩石材料を主体に築造し、遮水ゾーンや表面遮水で水を止めます。材料の粒度と締固め管理が重要です。
- アースフィルダムは、土質材料を主体にするため、含水比、締固め度、浸透・すべり対策を押さえます。
RCD工法で押さえる施工管理
RCD工法は、超硬練りコンクリートを薄層に敷きならし、振動ローラで締め固めるコンクリートダムの合理化施工です。試験では、一般的なコンクリート打設との違い、締固め、層厚、打継ぎ、温度管理を混同しないことが重要です。
- 材料分離を起こさないよう、運搬、敷均し、締固めまでの流れを管理する。
- 締固め不足や過転圧を避けるため、転圧回数、層厚、含水状態、施工速度を確認する。
- 打継ぎ面は清掃、処理、散水、モルタル敷きなど、次層との一体性を意識する。
- マスコンクリートでは温度応力によるひび割れを防ぐため、打設温度、リフト高さ、養生を確認する。
公式情報とあわせて確認すること
当サイトの科目別解説は学習補助用です。試験制度、受検資格、日程、出題範囲の最終確認は、1級土木施工管理技士の試験実施機関である 一般財団法人 全国建設研修センターの1級土木施工管理技術検定ページ を確認してください。ダムの制度・管理に関する一般情報は、国土交通省のダム情報 も参考になります。
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