トンネルのポイント(30秒で押さえる)
- NATM(新オーストリアトンネル工法):吹付けコンクリート+ロックボルトで地山を支保
- シールド工法:シールドマシンで掘進しセグメントを組立て。都市部の軟弱地盤に適する
- 支保パターン:地山の等級(A〜E)に応じて吹付け厚さ・ロックボルト間隔を決定
- 出題頻度:専門土木から3〜4問。NATMの施工手順が最頻出
山岳トンネル(NATM)
NATM(New Austrian Tunneling Method)は、掘削後速やかに吹付けコンクリートとロックボルトで地山を支保し、地山自体の支保能力(アーチ効果)を積極的に活用する工法です。
NATMの施工サイクル
標準的な施工サイクル(頻出)
- 掘削:発破工法またはブレーカー・自由断面掘削機で掘削
- ずり出し:掘削土砂を搬出
- 一次吹付けコンクリート:掘削面にコンクリートを吹き付けて地山の緩みを防止
- 鋼製支保工の建込み:地山が不良な場合にH形鋼の支保工を設置
- ロックボルトの打設:地山にボルトを定着させて補強
- 二次吹付けコンクリート:所定の厚さまで吹き付け
- 防水シート設置→覆工コンクリート打設(最終仕上げ)
支保パターンと地山等級
| 地山等級 | 地山の状態 | 支保の内容 |
|---|---|---|
| A(良好) | 硬質岩盤。自立性が高い | 吹付け薄い(5cm程度)。ロックボルト間隔広い |
| B | やや良好な岩盤 | 吹付け5〜10cm、ロックボルト併用 |
| C(普通) | 亀裂の多い岩盤 | 吹付け10〜15cm、ロックボルト+鋼製支保工 |
| D | 軟弱な地山 | 吹付け15〜20cm、密なロックボルト+鋼製支保工 |
| E(不良) | 崩壊しやすい地山 | 厚い吹付け+密な支保工+補助工法(注入等) |
計測管理(A計測・B計測)
計測の種類
- A計測(日常管理):全てのトンネルで実施。天端沈下・内空変位・地表面沈下の計測
- B計測(精密管理):必要に応じて実施。地中変位・支保工応力・地山のゆるみ領域等を計測
- 計測結果は支保パターンの妥当性を検証し、必要に応じて設計変更に反映する
シールド工法
シールドマシンで地盤を掘進しながら、テール部でセグメント(鋼製またはRC製の円弧状部材)を組み立ててトンネルを築造する工法です。
シールド工法の分類
| 分類 | 特徴 | 適用地盤 |
|---|---|---|
| 泥水式シールド | 泥水で切羽を安定させながら掘進。泥水処理プラントが必要 | 砂質地盤・礫混じり地盤 |
| 土圧式シールド | 掘削した土砂に添加剤を混合し、チャンバー内の土圧で切羽を安定 | 粘性土〜砂質土 |
シールド工法の留意事項
- 裏込め注入:セグメント外面と地山の間の空隙にモルタルを注入。地盤沈下防止のため掘進と同時または直後に実施
- セグメントの組立て:千鳥配置(縦目地を上下でずらす)で組み立て。ボルトで締結
- テールシール:シールド機のテール部から地下水が浸入するのを防止するシール材
- 切羽の安定管理:泥水圧または土圧を適切に管理し、切羽の崩壊と地盤沈下を防止
まとめ
この記事のポイント
- NATM:掘削→吹付けコンクリート→ロックボルト→覆工コンクリートの施工サイクル
- 計測管理:A計測(日常・全トンネル)とB計測(精密・必要時)の違い
- シールド:泥水式(泥水で安定)と土圧式(土圧で安定)の使い分け
- 裏込め注入は掘進と同時または直後に実施して地盤沈下を防止
トンネル分野で問われやすい判断軸
トンネルは、NATM(ナトム)やシールド工法の名前だけを覚えるより、地山条件、地下水、周辺環境、掘削方法、支保工、計測管理をつなげて理解することが大切です。第一次検定では、工法の適用条件や施工順序、安全管理の組み合わせを問われやすくなります。
| 判断軸 | 見るポイント |
|---|---|
| 地山条件 | 硬岩、軟岩、断層破砕帯、膨張性地山などで支保パターンや補助工法が変わる。 |
| 地下水 | 湧水量、止水、排水、薬液注入、切羽の安定をセットで確認する。 |
| 周辺環境 | 都市部では地表面沈下、近接構造物、騒音・振動、地下埋設物への影響を管理する。 |
| 計測管理 | 内空変位、天端沈下、地表面沈下、ロックボルト軸力などで変状を早期に把握する。 |
NATMとシールド工法の違い
適用条件で覚える
- NATMは、掘削後すぐに吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工などで地山を支え、地山自体の保持力を活用する考え方です。
- シールド工法は、シールドマシンで地盤を掘削しながら、後方でセグメントを組み立ててトンネル覆工を形成します。
- 山岳部ではNATM、都市部や軟弱地盤・地下水位の高い場所ではシールド工法が選ばれやすい、という大枠で整理します。
- 試験では「支保工」「覆工」「切羽安定」「計測管理」「沈下対策」の言葉を、それぞれの工法に合わせて判断します。
施工管理で見られる確認項目
トンネル工事は、見えない地山を相手にするため、計測結果を見ながら支保パターンや補助工法を調整する視点が重要です。選択肢では、施工順序や安全管理を入れ替えた誤りが出やすいので注意しましょう。
- NATMでは、掘削、ずり出し、一次吹付け、鋼製支保工、ロックボルト、二次吹付け、覆工の流れを整理する。
- 切羽の肌落ち、湧水、酸欠、有害ガス、粉じん、重機接触を想定し、換気・照明・退避経路を確認する。
- シールド工法では、切羽圧、裏込め注入、セグメント組立精度、テールボイド、地表面沈下を管理する。
- 計測値が管理基準値に近づいた場合は、支保パターンの変更、補助工法、掘削方法の見直しを検討する。
公式情報とあわせて確認すること
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