躯体工事②(鉄筋工事・型枠工事)の要点(30秒でわかる要点)
- 鉄筋工事:かぶり厚さ・重ね継手長さ・ガス圧接の条件が超頻出
- 型枠工事:存置期間(気温別)・側圧計算が毎年出る
- 数値暗記:かぶり厚さ(柱40mm・梁30mm等)は必ず覚える
- なぜ重要?:第二次検定の用語問題でも頻出する分野
結論から言います。鉄筋工事と型枠工事は、RC造の建物を作る上で最も基本的な工程です。第一次検定では毎年2〜3問出題され、特にかぶり厚さ・鉄筋の継手・型枠の存置期間は超頻出テーマです。
この分野の出題頻度
鉄筋工事・型枠工事は躯体工事の中核で、第一次検定で毎年2〜3問出題されます。「鉄筋の継手の種類と長さ」「かぶり厚さの数値」「型枠の存置期間」は超頻出。コンクリート工事(「コンクリート工事の完全ガイド」)と密接に関連するので、セットで学習しましょう。
鉄筋工事
鉄筋の加工
鉄筋は工場や現場の加工場で、設計図に合わせて切断・曲げ加工を行います。
鉄筋加工の注意点
- 鉄筋は常温(冷間)で加工する。加熱して曲げると鋼材の性質が変わる
- 曲げ加工の内法直径は鉄筋径の3〜5倍以上(鉄筋が折れないように)
- 曲げ戻しは原則禁止(鉄筋が脆くなるため)
かぶり厚さ(超重要)
かぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリートの外面までの最短距離です。
なぜかぶり厚さが重要かというと、コンクリートは鉄筋を錆び・火災・外力から保護するカバーだからです。かぶりが薄いと保護が不十分になり、鉄筋が錆びてコンクリートが剥がれ落ちます。
最小かぶり厚さの基準
- 土に接する部分:40mm以上(基礎など)
- 屋外に面する部分:30mm以上(外壁・屋根など)
- 屋内の部分:20mm以上(床・壁など)
※設計かぶり厚さは最小かぶり厚さ+10mm(施工誤差を見込む)
現場では、スペーサー(ドーナツ型やサイコロ型の小さな部品)を鉄筋に取り付けて、かぶり厚さを確保します。スペーサーの材質はコンクリート製やモルタル製が一般的です。
鉄筋の継手
鉄筋は1本の長さに限界があるため、現場で継手(つぎて)で接合します。
| 種類 | 方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 重ね継手 | 2本の鉄筋を重ねて結束線で結ぶ | 最も一般的。細い鉄筋向き |
| ガス圧接継手 | 鉄筋の端面を加熱して圧力をかけて接合 | 太い鉄筋(D16以上)に使用 |
| 機械式継手 | カプラー(筒状の金具)で接合 | 太い鉄筋。施工が早い |
継手の重要ルール
- 継手の位置は応力の小さい箇所に設ける(曲げモーメントが小さい位置)
- 隣り合う鉄筋の継手は同一断面に集中させない(ずらして配置する)
- 重ね継手の長さは鉄筋径の40倍以上が目安
鉄筋の定着
鉄筋が引き抜かれないように、端部をコンクリートの中に十分な長さ埋め込むことを定着(ていちゃく)といいます。定着長さが不足すると、地震のときに鉄筋がコンクリートから抜けて構造が崩壊する危険があります。
鉄筋工事の施工フロー
型枠工事
型枠の役割
型枠(かたわく)とは、コンクリートを流し込むための「容器」です。コンクリートが固まった後に取り外します。型枠の精度がそのまま建物の仕上がりに影響するため、寸法精度と強度が重要です。
なぜ型枠の存置期間が気温で変わるのか
コンクリートの強度発現は温度に大きく依存します。気温が高いほど水和反応(セメントと水の化学反応)が早く進み、強度の発現も早い。逆に寒い時期は反応が遅く、十分な強度が出るまでに時間がかかります。そのため型枠を外せるタイミング(存置期間)も、気温が低いほど長くなるのです。試験では「平均気温と存置期間の関係」が出題されます。
型枠の存置期間(超頻出)
型枠は、コンクリートが十分な強度に達するまで外してはいけません。この期間を存置期間(そんちきかん)といいます。
型枠の存置期間の基準
- 基礎・梁の側面・柱:圧縮強度が5N/mm²以上に達するまで
- スラブ下・梁下:設計基準強度の85%以上、かつ施工荷重に耐えられるまで
- スラブ下や梁下の方が長い期間が必要(自重を支えるため)
現場では、同じ条件で養生した供試体(テストピース)の圧縮試験で強度を確認してから型枠を外します。早く外しすぎるとコンクリートが自重に耐えられず、ひび割れや変形が起きます。
型枠に作用する側圧
コンクリートを型枠に流し込むと、液体のように横方向に圧力(側圧)がかかります。この側圧に耐えられるように型枠を設計・施工する必要があります。
側圧が大きくなる条件
- コンクリートの打ち込み速度が速いほど側圧が大きい
- コンクリートの温度が低いほど側圧が大きい(固まるのが遅いため)
- 柱のように高さがある型枠ほど底部の側圧が大きい
関連する解説記事
前半は「躯体工事①(地盤調査・仮設・土工事)」で解説しています。
- 躯体工事 → 「コンクリート工事」|「鉄骨工事」
- 建築材料 → 「セメント・コンクリート」|「鋼材・防水材」
- 各種構造 → 「RC造・S造」
- 品質管理 → 「QC7つ道具・検査・管理図」
- 安全管理 → 「足場・墜落防止」
理解度チェック
Q1. 土に接する部分の最小かぶり厚さは?
Q2. 鉄筋の継手位置はどこに設けるべき?
Q3. スラブ下の型枠を取り外す基準は?
まとめ
この記事のポイント
- かぶり厚さ:土に接する部分40mm・屋外30mm・屋内20mm以上
- 継手:応力の小さい箇所に設け、同一断面に集中させない
- ガス圧接:D16以上の太い鉄筋に使用
- 型枠存置:柱側面は5N/mm²以上、スラブ下は設計基準強度の85%以上
- 側圧:打込み速度が速い・温度が低いほど大きくなる
実践練習で得点力を鍛える
躯体工事の知識を定着させるには、問題演習が最も効果的です。