1級建築(第二次) ミニテスト

1級建築 経験記述(建設副産物)練習問題③【無料・模範解答付き】

1級建築施工管理技士 経験記述(建設副産物・環境対策)ミニテスト 第3回

第3回では建設発生土の有効利用(Reuse)をテーマに記述練習を行います。掘削工事で発生した土砂を、他工事での埋戻し材や盛土材として再利用した取組みを記述しましょう。

これで建設副産物の3テーマ(Reduce→Recycle→Reuse)を網羅します。「経験記述の書き方(建設副産物・環境対策)」を復習してから挑戦しましょう。

テスト情報

形式:記述式(模範解答付き)

問題数:3問(工事概要+副産物対策の目的・理由+実施内容・効果)

テーマ:建設発生土の有効利用(Reuse)

目標時間:40分

問題1:工事概要の記述

【問題】

あなたが経験した建築工事のうち、建設発生土の有効利用に取り組んだ工事を1つ選び、工事名・工事場所・工事の内容・工期・あなたの立場を記述しなさい。

Reuseテーマに適した工事概要のコツ

  • 地下階のある建築工事を選ぶと掘削土量が多く、Reuseのテーマに最適
  • 掘削深さと掘削土量を工事概要に盛り込む(「根切り深さGL-5m、掘削土量約3,000m³」等)
  • 建設発生土は「産業廃棄物」ではなく土砂(廃棄物処理法の対象外)だが、不適切に処理すると不法投棄と見なされる
  • 近隣に埋戻し需要のある工事があると「工事間利用」が書きやすい
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【模範解答例】

工事名 ○○複合施設新築工事
工事場所 ○○県○○市○○町
工事の内容 RC造、地下1階・地上10階建、複合施設(店舗・事務所)、延床面積8,500m²。根切り深さGL-5.5m、山留め工法はSMW工法(ソイルセメント柱列壁)、掘削土量約3,200m³
工期 令和○年6月~令和○年3月(22か月間)
あなたの立場 現場代理人

問題2:建設副産物対策の目的と理由

【問題】

上記の工事において、建設発生土の有効利用のために取り組んだ目的を明記し、その取組みが必要だった理由を記述しなさい。3R(Reduce・Reuse・Recycle)のいずれに該当するかも明記すること。

高得点の書き方

  • 建設発生土は廃棄物ではないが、不適切な処理は不法投棄となる。この法的位置付けを理解していることを示す
  • 「建設発生土の利用に関する指針」(国交省)に基づく土質区分(第1種〜第4種)に言及する
  • 運搬費・処分費の削減だけでなく、受入れ先での新材購入費の削減(双方にメリット)を書く
  • 仮置き場の確保やダンプ車両の運行管理など、現場管理面の理由も加える
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【模範解答例】

取組みの目的:建設発生土の工事間利用による有効利用 = Reuse(再使用)

理由:当該工事は地下1階を有し、根切り深さがGL-5.5mに達するため、約3,200m³の建設発生土が発生する見込みであった。土質調査の結果、掘削土の大部分は第2種建設発生土(砂質土)に区分され、埋戻し材・盛土材としての利用が可能な品質であった。一方、都市部の現場であるため仮置き場の確保が困難で、発生した土砂を速やかに搬出する必要があった。建設発生土は廃棄物処理法上の産業廃棄物には該当しないが、適正に利用・処分しなければ不法投棄と見なされる恐れがある。搬出処分にかかる費用(約960万円:3,200m³×3,000円/m³)の削減と、他工事での新材購入費の節減を図るため、工事間利用によるReuseに取り組む方針とした。

問題3:実施した対策と得られた効果

【問題】

問題2の目的に対して、あなたが実施した具体的な対策を2つ以上挙げ、それぞれの対策によって得られた効果を定量的に記述しなさい。

建設発生土のReuse対策で使える知識

  • 土質区分:第1種(礫・砂礫)→ そのまま利用可、第2種(砂質土)→ 盛土材に適、第3種(粘性土)→ 改良すれば利用可、第4種(高含水比粘性土)→ 改良が必要
  • 工事間利用:同一発注者の他工事や近隣工事との連携で発生土を直接搬入
  • 建設発生土情報交換システム:国交省が運用するマッチングシステム
  • 搬出先までの運搬距離と処分費のコスト比較を行い、最適ルートを決定
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<対策>

  1. 工事間利用のマッチング:工事着手前に建設発生土情報交換システムを活用し、近隣で埋戻し材を必要とする工事を調査した。搬出距離8kmの道路改良工事(盛土材として第2種発生土を受入れ可能)との連携が成立し、約2,400m³の建設発生土を直接搬入する契約を締結した。搬出スケジュールは掘削工程と受入れ工程を調整し、仮置きを最小化した。
  2. 土質試験による品質管理:掘削前にボーリング調査(3か所)を実施し、土質区分と含水比を確認した。掘削中も目視観察と含水比試験を1日1回実施し、第2種に該当しない高含水比の粘性土層(GL-4m〜-4.5m付近)は分別して別途処分した。受入れ先の品質基準(最大粒径100mm以下、含水比30%以下)を満たすことを搬出前に確認した。
  3. 残土の場内埋戻しへの活用:工事間利用で搬出しなかった約800m³のうち、約500m³は自工事の地下外壁周りの埋戻し材として場内利用した。埋戻しに使用する土は、転圧試験で所定の締固め度(90%以上)を確認した。

<効果>

上記の対策を実施した結果、発生土3,200m³のうち2,900m³(約91%)を有効利用した(工事間利用2,400m³+場内埋戻し500m³)。場外処分は残りの約300m³(高含水比粘性土等)にとどまった。搬出処分費用は当初見込みの約960万円から約90万円に削減(約870万円のコスト削減)した。受入れ先の道路改良工事でも新材(山砂)の購入費約480万円を節減でき、双方にメリットのある連携となった。ダンプ車両の総運行距離を約60%削減し、CO₂排出量の低減にも寄与した。

自己採点のポイント

  • 3Rの明記:Reuseであることを明確に示し、建設発生土の法的位置付けに触れているか?
  • 土質区分:発生土の土質を確認して品質管理を行っていることが書けているか?
  • 工事間利用の具体性:受入れ先の工事名・距離・受入れ量など具体的に書けているか?
  • 定量的な効果:有効利用率(%)・コスト削減額・搬出削減量の数値があるか?

建設副産物3回分のまとめ — テーマ選びのコツ

  • 第1回 Reduce(発生抑制):型枠廃材の転用・鋼製型枠で「そもそも出さない」→ 3Rの最上位で最も評価が高い
  • 第2回 Recycle(再資源化):コンクリートがらの分別解体→再生クラッシャーランへ → 建設リサイクル法の法的義務を示せる
  • 第3回 Reuse(再使用):建設発生土の工事間利用 → 双方のコスト削減で実務的な評価が高い
  • 本番ではテーマが指定される場合があるので、3Rの全てを準備しておくことが大切
  • どのテーマでも共通して排出事業者責任・マニフェスト管理・数値による効果の明示が加点要素

お疲れさまでした!建設副産物3回分クリアです。

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