1級建築(第二次)

1級建築 経験記述の書き方(建設副産物・環境対策)【第二次検定の対策】

経験記述(建設副産物・環境対策)のポイント(30秒で押さえる)

  • 1級特有テーマ:建設副産物の適正処理・リサイクル・環境負荷低減の取組み
  • 3R:Reduce(発生抑制)→ Reuse(再使用)→ Recycle(再資源化)の優先順位
  • 記述のカギ:「何をどれだけ削減したか」を数値で示す
  • 出題頻度:品質管理・合理化と並ぶ3大テーマの一つ

建設副産物・環境対策は1級特有の経験記述テーマです。現場で発生する廃棄物をどう削減・分別・リサイクルしたかを具体的に記述します。

建設副産物とは

建設副産物の分類

  • 建設発生土:掘削土。廃棄物ではないが適正処理が必要
  • コンクリート塊:解体コンクリート。再生砕石として再資源化
  • 建設発生木材:型枠材・仮設材。チップ化して燃料やボード原料に
  • 建設汚泥:泥水工法の廃泥水など。脱水処理して減量化
  • 混合廃棄物:分別されていない廃棄物。処理コストが最も高い

記述の3Rフレームワーク

優先順位 内容 記述で使える具体例
1. Reduce(発生抑制) 廃棄物の発生量そのものを減らす プレカット材の使用、PCa化で型枠廃材削減、適正な発注量管理
2. Reuse(再使用) そのまま再び使用する 型枠の転用回数増加、建設発生土の場内利用、仮設材のリース
3. Recycle(再資源化) 原料として再生利用する コンクリート塊→再生砕石、木材→チップ化、鉄くず→鉄鋼原料

記述例:型枠廃材の発生抑制

記述例の構成

工事概要:RC造 地上8階建 事務所ビル 延床面積6,200m²

副産物対策の目的:建設発生木材の発生抑制(Reduce)

理由:基準階8フロアの型枠工事で大量の合板型枠を使用する計画であり、型枠の転用を効率化して木材廃棄物の発生量を削減する必要があった

実施した内容

  • 型枠の割付け計画を統一し、上階でそのまま転用できるよう寸法を標準化した
  • 型枠用合板に剥離剤を適切に塗布し、脱型時の損傷を防いで転用回数を平均3回から5回に増加させた
  • 柱型枠に鋼製型枠を採用し、合板使用量そのものを削減した

効果:型枠合板の使用量を当初計画比約35%削減し、建設発生木材を約12t削減した。処分費用も約40万円削減された

記述例:建設発生土の場内利用

記述例の構成

副産物対策の目的:建設発生土の場外搬出量削減(Reuse)

理由:地下1階の根切り工事で約2,000m³の発生土が見込まれ、全量を場外搬出すると運搬車両の増加による周辺環境への影響と、処分費用の増大が懸念された

実施した内容

  • 発生土の土質試験を実施し、良質土約800m³を埋戻し土・外構の盛土として場内利用した
  • 残りの発生土は近隣の造成工事への転用を調整し、場外処分量を最小限にした
  • 搬出時間を制限し、ダンプトラックの運行ルートを指定して周辺への騒音・粉じんを低減した

効果:場外搬出量を当初計画の2,000m³から800m³に削減(60%減)。運搬車両の延べ台数を約150台削減し、周辺環境への影響を最小限に抑えた

環境対策で使える記述テーマ一覧

  • 廃棄物の分別:現場内で木くず・コンクリートがら・金属くず等を分別し、リサイクル率を向上
  • 騒音・振動対策:低騒音型建設機械の使用、防音シートの設置
  • 粉じん対策:散水・防じんネット・解体工事でのウォータージェット
  • CO₂削減:アイドリングストップ、省燃費運転、LED照明の採用

まとめ

この記事のポイント

  • 3Rの優先順位:Reduce → Reuse → Recycle
  • 具体的な数値:「○t削減」「○%低減」「○台削減」を必ず入れる
  • 環境配慮品質・工期の両立を示すと高評価
  • 混合廃棄物を減らすための分別の工夫も有効な記述テーマ

1級建築 第二次検定の対策

経験記述で差がつく判断軸

建設副産物・環境対策の経験記述では、「廃材を分別した」「騒音に注意した」だけでは抽象的です。工事の条件、発生する副産物や環境リスク、実施した対策、確認方法、結果を具体的につなげると、採点者に伝わる答案になります。

テーマ 答案に入れる視点
建設副産物 発生抑制、分別、保管、再資源化、マニフェスト、搬出先確認を具体化する。
騒音・振動 作業時間、低騒音型機械、防音養生、近隣説明、測定記録を整理する。
粉じん・濁水 散水、集じん、養生、沈砂、pH管理、排水経路を確認する。
省資源・省エネ 材料ロス削減、搬入計画、アイドリングストップ、再生材利用を工事条件に合わせて書く。

建設副産物・環境対策を書くときの型

答案の基本形

  1. 現場条件:市街地、学校・病院近接、狭小地、解体を伴う、雨水排水先が近いなど、環境リスクが生じる理由を書く。
  2. 課題:混合廃棄物の発生、近隣への騒音、粉じん飛散、濁水流出など、具体的な問題を一つに絞る。
  3. 対策:分別ヤード、掲示、搬出記録、低騒音型機械、散水、沈砂槽など、実施した管理方法を書く。
  4. 確認と効果:巡視、測定、写真、マニフェスト、苦情件数、再資源化率など、結果を確認した方法まで入れる。

失点しやすい答案の直し方

弱い答案

建設廃棄物を分別し、環境に配慮した。

改善答案

解体を伴う改修工事で、コンクリートがら、金属くず、木くず、混合廃棄物の分別ヤードを搬出動線上に設け、品目別の表示と朝礼での周知を行った。搬出時はマニフェストと写真で数量・搬出先を確認し、混合廃棄物の発生を抑制した。

直したポイント

「何を」「どこで」「どう管理し」「どう確認したか」まで書くことで、実際の施工管理として伝わる答案になります。

公式情報とあわせて確認すること

当サイトの記述例は、学習しやすいように整理したオリジナル例です。試験制度、受検資格、日程、出題範囲の最終確認は、1級建築施工管理技士の試験実施機関である 一般財団法人 建設業振興基金 の公式情報を確認してください。建設副産物や環境対策の制度は、建設リサイクル法廃棄物処理法 などの最新条文も確認します。

次に取り組む記事

よくある質問

Q. 建設副産物の経験が少ない場合はどう書けばよいですか?

A. 解体工事だけでなく、改修、内装、型枠、梱包材、残材、汚泥、コンクリートがらなど、自分の工事で発生したものを具体化します。無理に大きな工事を書くより、管理した事実を正確に書くほうが有効です。

Q. 環境対策は騒音・振動だけでも足りますか?

A. 足りる場合もありますが、作業時間、低騒音型機械、防音養生、近隣説明、測定記録など具体策を複数入れる必要があります。粉じんや濁水と組み合わせると答案の幅が出ます。

Q. 法令名は必ず書くべきですか?

A. 法令名を書けると説得力は増しますが、答案では現場で実施した管理内容が中心です。制度名だけを書いて、実施した対策や確認方法がない答案は弱くなります。

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