第3回の模範解答で安全管理答案を照合する
作業と危険要因、想定する災害、実施した対策、点検・周知と結果が対応しているかを確認します。模範解答は唯一の正解ではありません。施工経験記述は、例文の工事名や数値を写さず、自分が実際に担当した工事の事実と記録に置き換えてください。
解答・解説
2級建築施工管理技士 第二次検定 模擬テスト 第3回の解答・解説です。施工経験記述テーマは安全管理です。
問1:施工経験記述(安全管理)
【模範解答例 — 工事概要】
工事名:○○集合住宅改修工事
工事場所:神奈川県○○市○○区3-8-15
工事の内容:共同住宅(居住者在館のまま施工)、鉄筋コンクリート造、地上10階建、延べ面積4,200m²、外壁改修・屋上防水改修・共用部内装改修
工期:令和○年5月〜令和○年11月(7か月間)
あなたの立場:工事主任
【模範解答例 — 課題と対策】
課題1:地上10階建の外壁改修工事において、枠組足場(高さ約30m)からの墜落・転落災害の防止が最重要課題であった。居住者が在館しているため、足場への第三者の立入り防止も必要であった。
対策1:足場の作業床は幅40cm以上、床材間のすき間は3cm以下となるよう設置した。わく組足場の構造に適合する交さ筋かい、下さん・幅木または手すりわく等の墜落防止設備を設け、物体落下のおそれがある箇所にはメッシュシート等を取り付けた。作業開始前に作業床と墜落防止設備の外れ・脱落を点検し、異常は作業前に補修した。昇降口には施錠できる扉を設け、作業時間外の第三者立入りを防止した。
課題2:屋上防水改修工事において、アスファルト溶融釜を使用するため、火災および作業員の火傷事故の防止が課題であった。
対策2:溶融釜の周囲を関係者以外立入禁止とし、可燃物を除去したうえで、使用材料に適した消火器をすぐ使用できる場所へ配置した。取扱担当者には防熱手袋、保護めがね、長袖の作業服を着用させ、作業手順と緊急時の消火・連絡方法を周知した。作業前の危険予知活動と作業中の監視を行い、終了後は残火がないことを確認した。
【自己点検のポイント】
- 安全管理に関する課題であること(品質管理や工程管理の話題になっていないか)
- 災害の種類(墜落・転落、火災、火傷等)が明確か
- 作業床と墜落防止設備の条件が、採用した足場の種類と現場条件に対応しているか
- 法令や規則に基づいた措置であることが読み取れるか
- KY活動やツールボックスミーティング等の日常的な安全活動に言及しているとなお良い
問2:用語の説明と留意事項
(イ)ヒヤリ・ハット
【模範解答例 — 用語の説明】
ヒヤリ・ハットとは、重大な事故には至らなかったが、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした危険な出来事のことをいう。ハインリッヒの法則では、1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがあるとされる。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
ヒヤリ・ハット事例を報告しやすい環境(無記名報告、責任を問わない制度等)を整備し、事例を収集する。収集した事例は安全ミーティングで共有し、類似災害の防止対策を検討・実施する。報告件数が多い作業や場所を重点的に改善し、事故の未然防止につなげる。
【自己点検のポイント】
- 「重大事故には至らなかった危険な出来事」の説明が必須
- ハインリッヒの法則への言及があるとなお良い
- 留意事項に報告制度の整備と活用が含まれているか
(ロ)ガス圧接継手
【模範解答例 — 用語の説明】
ガス圧接継手とは、鉄筋の端面同士を突き合わせ、酸素・アセチレン炎で加熱しながら軸方向に圧力を加えて接合する継手工法のことである。D19以上の鉄筋の接合に多用される。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
鉄筋の端面は直角に切断し、さび・油・塗料等の付着物をグラインダーで除去する。圧接部のふくらみの直径は鉄筋径の1.4倍以上とし、ふくらみの長さは鉄筋径の1.1倍以上とする。圧接後は外観検査(全数)と超音波探傷試験(抜取り)で品質を確認する。
【自己点検のポイント】
- 「加熱しながら圧力を加えて接合」が説明の必須要素
- 端面の処理とふくらみの寸法基準が留意事項に含まれているか
- 検査方法(外観検査+超音波探傷試験)に言及しているか
(ハ)親綱
【模範解答例 — 用語の説明】
親綱とは、高所作業において労働者の墜落制止用器具(安全帯)のランヤードを接続するために水平に張り渡すロープまたはワイヤーのことをいう。作業者が移動しながら作業できるよう、一定区間にわたって設置する。
【模範解答例 — 施工上の留意事項】
親綱の支柱は10m以内の間隔で設置し、1スパンに同時使用する作業者は原則1名とする。親綱は十分な強度を有するものを使用し、著しい損傷・摩耗があるものは使用しない。親綱の取付け高さは、墜落時に地面や下階の床に衝突しない高さ(腰の高さ以上)を確保する。
【自己点検のポイント】
- 「墜落制止用器具を接続するためのロープ」の説明が必須
- 支柱間隔(10m以内)と同時使用人数(1名)がキーワード
- 損傷チェックや取付け高さに言及しているか
問3:ネットワーク工程表
【模範解答例】
(1)クリティカルパス:A → D → F → G
各経路の所要日数を計算します。
- A→D→F→G:4+7+5+3=19日
- A→D→E→G:4+7+4+3=18日(ダミーで5→4経由)
- A→C→E→G:4+6+4+3=17日(ダミーで2→3経由)
- B→C→E→G:3+6+4+3=16日
最長経路はA→D→F→G(19日)です。
(2)全体工期:19日
(3)作業Eのトータルフロート:1日
作業Eの最早開始時刻:ノード4の最早結合点時刻=max(C完了=max(A=4,B=3)+6=10, D完了=4+7=11)=11日目。
作業Eの最早完了時刻=11+4=15日目。
作業Gの最遅開始時刻=19−3=16日目(=ノード6の最遅結合点時刻)。
トータルフロート=16−15=1日
【自己点検のポイント】
- 全経路の所要日数を正しく計算し、最長経路を特定しているか
- トータルフロートの計算過程(最早開始・最早完了・最遅開始)が正しいか
- ダミーの扱いが正しいか(ダミーは所要日数0だが順序関係を示す)
問4:施工管理法(記述)
【模範解答例】
(1)新規入場者教育で実施すべき内容を4つ
- 工事概要と現場ルールの説明:工事の概要、作業時間、喫煙場所、通勤経路、緊急時の連絡先・避難場所等を説明する。
- 現場の危険箇所の周知:開口部、高所作業箇所、重機の稼働範囲、仮設電気設備の位置等、現場固有の危険箇所を説明し、立入禁止区域を周知する。
- 保護具の着用ルール:ヘルメット・安全靴・安全帯の着用義務を説明し、正しい使用方法を指導する。
- 安全施工サイクルの説明:朝礼・KY活動・安全巡視・終業時の片付け等の1日の安全活動サイクルを説明し、参加を徹底させる。
(2)ウレタン塗膜防水の施工要領図の不適切箇所
【不適切な箇所】ウレタンゴム系塗膜防水を1回の塗布だけで所定厚さに仕上げようとしている点。
【正しい施工方法】プライマー塗布後、採用した防水工法の仕様書と材料メーカーの施工要領に従い、必要な補強処理を行ってから防水材を複数工程に分けて均一に塗布する。各工程の使用量と乾燥状態を確認し、所定の塗膜厚さを確保する。立上り端部も設計図書の高さと納まりに従って連続した防水層とする。
【自己点検のポイント】
- (1)新規入場者教育の内容が4つ具体的に記述されているか
- (2)は不適切な箇所を1つ特定し、所定の膜厚を確保する施工手順まで説明しているか
問5:法規(記述)
【模範解答例】
(1)建築基準法に基づく工事現場の仮囲いの設置基準
- 木造の建築物で高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えるもの、または木造以外の建築物で2以上の階数を有するものの工事を行う場合は、工事現場の周囲に仮囲いを設けなければならない。
- 仮囲いの高さは1.8m以上とする。
(2)労働安全衛生法に基づき、事業者が作業主任者を選任すべき作業を3つ
- 足場の組立て、解体又は変更の作業(つり足場、張出し足場又は高さ5m以上の構造の足場)
- 型枠支保工の組立て又は解体の作業
- 地山の掘削の作業(掘削面の高さが2m以上)
(3)次の文章の空欄に当てはまる語句
建設業法の規定により、元請負人は、請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他( ア )が定める事項を定めようとするときは、あらかじめ、( イ )の意見をきかなければならない。
ア=国土交通省令 イ=下請負人
【自己点検のポイント】
- (1)仮囲いの設置基準(対象建築物と高さ1.8m以上)が正確か
- (2)作業主任者を選任すべき作業が正しいか(対象作業と規模要件)
- (3)「国土交通省令」と「下請負人」が正確に記入されているか
最新の公式形式と解答例の使い方
令和7年度の公式問題は全5問題・試験時間2時間で、問題1〜3が記述式、問題4・5が四肢択一式です。この解答ページは、説明力を鍛えるため全5問を記述式にした当サイト独自模試に対応しています。実際の形式は「令和7年度 第二次検定の公式問題」で確認してください。
- 先に自分の答案を完成させ、解答例を見ずに課題・対策・確認・結果へ分ける。
- 解答例と同じ表現ではなく、自分の答案に不足する事実や判断根拠だけを補う。
- 翌日に模擬試験の問題ページへ戻り、根拠を口頭で説明しながら書き直す。