第2回の模範解答例で工程管理答案を照合する
遅延原因、後続作業への影響、実施した調整、回復結果が時間軸でつながっているかを確認します。
2級電気工事施工管理技士 第二次検定 模擬テスト 第2回の解答・解説です。模範解答例と採点のポイントを掲載しています。
解答・解説
問1:施工経験記述
【模範解答例】
(1)工事概要
工事名:○○マンション新築電気設備工事
工事場所:神奈川県○○市○○町
工事の内容:鉄筋コンクリート造10階建て共同住宅(60戸、延べ面積約5,400m²)の電気設備工事。受電方式は高圧6,600V受電、変圧器容量500kVA。幹線動力設備・住戸内電灯コンセント設備・共用部照明設備・テレビ共聴設備・インターホン設備・自動火災報知設備の新設工事。
工期:令和○年○月〜令和○年○月(約12か月間)
あなたの立場:電気工事の主任技術者
(2)工程管理に関する技術的な課題と対策
【課題1】 建築躯体工事の遅延に伴い、各階のスラブ配管およびスリーブ入れ作業の工程が圧迫され、電気工事全体の遅延が懸念された。
【対策1】 建築業者との週間工程会議に参加し、躯体工事の進捗を把握した。遅延が見込まれる3〜5階のスラブ配管は、作業員を通常の3名から5名に増員し、土曜日も作業を実施して1フロアあたりの作業日数を5日から3日に短縮した。また、配管材の事前加工を作業場で行い、現場での作業時間を削減した。
【課題2】 受変電設備(キュービクル)の製作納期が当初予定より3週間遅延し、受電予定日に間に合わない恐れが生じた。
【対策2】 キュービクルメーカーと協議し、工場製作工程の短縮可否を確認した。結果、仕様の一部(塗装色)を標準品に変更することで製作期間を1週間短縮した。残り2週間分は、仮設電源による試運転調整を先行実施し、本受電後の調整項目を最小限にすることで、竣工日に影響を与えない工程に組み替えた。
【採点のポイント】
- 工事概要の5項目が全て記述されているか
- 工程管理のテーマに沿った課題が2つ挙げられているか
- 具体的な数値(人数、日数、期間など)が含まれているか
- 課題→対策の因果関係が明確か
- 実際に経験したことが伝わる具体的な記述か
問2:電気設備の施工
【模範解答例】
(1)D種接地工事:接地抵抗値は原則100Ω以下。地絡時に0.5秒以内で自動遮断する装置を設ける場合は500Ω以下とできる。
(2)施工上の留意事項:
- 接地極の位置、数量、施工方法を設計図書で確認し、腐食・乾燥・掘削による損傷を受けにくい場所へ施工する。接続部は使用材料に適合する方法で確実に接続し、防食処理を行う。
- 接地線の種類・太さ・識別は適用基準と設計図書で確認し、他回路との誤接続や途中断線を防ぐ。施工後は接地抵抗を測定し、測定条件と結果を記録する。
埋設深さや接地線サイズは施工条件で変わるため、根拠資料なしに一律値として書かないことが重要です。
問3:ネットワーク工程表
【模範解答例】
(1)クリティカルパス
- 経路 A→B→D→F:2+5+4+3=14日
- 経路 A→C→E→F:2+3+7+3=15日
クリティカルパスは A→C→E→F で 15日 です。
(2)所要日数
15日
(3)作業Dのトータルフロート
D最早開始=B完了=2+5=7日。D最早完了=7+4=11日。F最遅開始=15-3=12日。D最遅完了=12日。TF=12-11=1日
【採点のポイント】
- CP「A→C→E→F」が正しいか
- 所要日数「15日」が正しいか
- TFの計算過程(答え:1日)
問4:法規
【模範解答例】
(ア)5,000(建築一式工事の場合は8,000)
(イ)5
(ウ)電気主任技術者
(エ)作業(電気工事の作業に従事するときは技術基準に適合するよう作業しなければならない)
【採点のポイント】
- (ア)「5,000」が正しいか(現行の金額基準)
- (イ)「5」が正しいか(足場の組立て等作業主任者の選任基準)
- (ウ)「電気主任技術者」が正確に書けているか
- (エ)「作業」が正しいか
問5:施工管理
【模範解答例】
(1)バーチャート工程表とネットワーク工程表の違い
① バーチャート工程表は各作業の開始日・終了日が一目でわかり作成が容易だが、作業間の相互関連(依存関係)を把握しにくい。ネットワーク工程表は作業間の前後関係を明確に示すことができ、クリティカルパスの把握が可能である。
② バーチャート工程表はクリティカルパスやフロート(余裕日数)を読み取ることができないが、ネットワーク工程表はクリティカルパスを明確にし、各作業のフロートを算出できるため、工程短縮や遅延対策の検討に適している。
(2)工程遅延の原因と対策
【原因1】 建築躯体工事の遅延により、電気設備のスリーブ入れやインサート打込みが予定通り実施できない。
【対策1】 建築業者との週間工程会議を実施し、躯体工事の進捗を把握した上で、電気工事の作業員配置を柔軟に変更する。遅延が見込まれる場合は早期に作業員を増員し、並行作業を計画する。
【原因2】 電気機器・資材の納期遅延により、機器搬入や据付け工事が計画通りに進まない。
【対策2】 工事着手前に主要機器の発注を行い、製造納期を確認した上で工程表を作成する。メーカーとの定期的な納期確認を行い、遅延の兆候があれば代替品の手配や工程の組み替えを検討する。
【採点のポイント】
- バーチャートとネットワーク工程表の違いが2つ明確に記述されているか
- 工程遅延の原因が2つ挙げられているか
- 各原因に対する対策が具体的か
- 電気工事の実務に即した内容か
公式形式と解答例の使い方
直近の「令和7年度 第二次検定の公式問題」は全5問・120分で、問1〜3が記述式、問4・5が四肢択一式です。このページは、説明力を鍛えるため全5問を記述式にした当サイト独自模試の解答例です。公式解答や公式採点基準ではありません。
例文は、結論、現場条件、判断理由、実施内容、確認結果の順に分解し、自分の経験に置き換えてください。実際に担当していない工事や数値を答案へ写す使い方は避けましょう。