第2回の模範解答例で工程管理答案を照合する
遅延原因、後続作業への影響、工程へ直接効く対策、回復結果の時間軸を確認します。ここに掲載する文章と数値は公式解答や公式採点基準ではありません。自分の工事経験と整合しない内容を答案へ転用せず、構成を照合するために使ってください。
解答・解説
2級管工事施工管理技士 第二次検定 模擬テスト 第2回の解答・解説です。記述式のため、模範解答例と採点のポイントを掲載しています。自分の解答と比較し、重要なキーワードが含まれているか確認しましょう。
問1:施工経験記述(工程管理)
【模範解答例 — 工事概要】
工事名:△△マンション新築給排水衛生設備工事
工事場所:大阪府○○市△△町3-5-7
工事の内容:集合住宅(鉄筋コンクリート造、地上10階建、延べ面積5,800m²、住戸数48戸)の給水設備・排水設備・ガス設備の新設工事。給水方式は増圧直結給水方式、排水方式は汚水・雑排水分流式
工期:令和○年5月〜令和○年2月(10か月間)
あなたの立場:現場主任
【模範解答例 — 課題と対策】
課題1:建築工事の躯体工事が長雨の影響で2週間遅延し、設備工事の着手時期が後ろ倒しになったため、当初の工程では竣工期日に間に合わない状況が発生した。特に各階の配管スリーブ入れ及びインサート打ち込みの時期が遅れ、後続の配管工事全体に影響が出ることが懸念された。
対策1:建築業者と工程調整会議を開き、躯体工事の進捗に合わせて階ごとに先行して配管スリーブ入れを実施できるよう、作業区画を分割した並行作業計画を作成した。配管工の班編成を2班から3班に増員し、低層階と高層階で同時に施工を進めた。週間工程会議で進捗率を管理し、2週間の遅延を取り戻して竣工期日に間に合わせた。
課題2:建物の住戸数が48戸と多く、各階同一パターンの配管作業の繰り返しであったが、工程が長期化すると作業員のモチベーション低下や施工精度のばらつきが生じ、手戻り工事による工程遅延が懸念された。
対策2:各住戸の配管作業を標準化し、1住戸あたりの標準作業時間を設定した。最初の2住戸を「モデル施工」として施工手順書を作成し、全作業員に展開して品質と作業速度の均一化を図った。各階完了ごとに自主検査チェックリストで確認し、手戻りの発生率を当初の8%から1%以下に低減させた。結果として工程通りに全階の施工を完了した。
【自己点検の観点】
- 工事概要が具体的か(設備の概要・建物用途・規模・階数・延べ面積等の数値が記載されているか)
- 管工事としての内容か(給排水衛生設備・空調設備・ガス設備等に該当する工事であるか)
- 工程管理に関する課題が明確で、工事内容と整合しているか(品質管理や安全管理ではなく工程管理の視点であるか)
- 対策に具体的な数値・工法名・期間が含まれているか
- 課題と対策の因果関係が論理的に説明されているか
- 「〜した」と過去形で記述し、実際に経験した内容として書かれているか
問2:施工要領図の判読
【模範解答例】
不適切箇所1:給水管が床スラブを貫通している部分で、配管にスリーブが設けられておらず、直接コンクリートに接している。
正しい施工:床スラブ貫通部にはつば付きスリーブ(鋼管製)を設け、配管とスリーブの隙間はモルタル等の不燃材料で充填する。スリーブの内径は配管の外径より管径の呼びで2サイズ以上大きいものとし、スリーブの上端は床面から20mm以上立ち上げる。
不適切箇所2:冷温水管の吊りバンド部分で保温材が切断されており、バンドが直接鋼管に接触している。
正しい施工:吊りバンド部分には合成樹脂製の支持受け(サドル)を使用し、バンドと鋼管の間に保温材の厚さ以上の支持受けを設けて結露を防止する。鋼管に直接金属が接触すると結露が生じ、腐食やカビの原因となる。
不適切箇所3:給湯管(銅管)と鋼管の異種金属接合部において、絶縁処理が行われていない。
正しい施工:銅管と鋼管など異種金属を接続する場合は、絶縁継手(絶縁フランジまたは絶縁ユニオン)を使用し、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)を防止する。
【自己点検の観点】
- 図面上の不適切箇所を正確に指摘できているか
- 正しい施工方法が関連法規・基準に基づいているか
- 具体的な数値(スリーブ上端20mm以上、2サイズ以上等)が含まれているか
問3:工程管理(ネットワーク工程表)
【模範解答例】
(1)全体工期:18日
各経路の所要日数を計算します。
- 経路 1→2→4→5→6:A(3)+C(5)+F(4)+G(3)=15日
- 経路 1→2→5→6:A(3)+D(4)+G(3)=10日
- 経路 1→3→4→5→6:B(5)+E(6)+F(4)+G(3)=18日
よって、全体工期は18日です。
(2)クリティカルパス:1 → 3 → 4 → 5 → 6(B → E → F → G)
最も所要日数が長い経路は B(5)+E(6)+F(4)+G(3)=18日であり、これがクリティカルパスです。
(3)作業Cのトータルフロート:3日
作業Cの最早開始時刻は3日(A完了後)、最早完了時刻は3+5=8日。ノード4(作業Fの開始)の最遅開始時刻は11日(全体工期18−G(3)−F(4)=11日)。作業Cの最遅完了時刻は11日。トータルフロート=最遅完了時刻−最早完了時刻=11−8=3日。
【自己点検の観点】
- 各経路の所要日数が正確に計算されているか
- クリティカルパスの経路が正しく示されているか
- フロートの計算過程が論理的に示されているか
問4:法規(労働安全衛生法)
【模範解答例】
(1)穴埋め解答
ア:統括安全衛生責任者
イ:30
ウ:安全衛生責任者
エ:安全管理者
(2)高所作業における墜落・転落防止措置
- 高さ2m以上の箇所で作業を行う場合は、作業床を設け、その作業床の端や開口部等には囲い・手すり・覆い等を設けなければならない。手すりの高さは85cm以上とする。
- 作業床を設けることが困難な場合は、墜落制止用器具(フルハーネス型)を使用させるとともに、安全ネットを張る等の墜落防止措置を講じなければならない。高さ6.75m超の作業ではフルハーネス型の使用が義務付けられている。
- 脚立やはしごを使用する場合は、脚と水平面との角度を75度以下とし、すべり止めを設ける。はしごの上端は床面から60cm以上突き出して設置する。
【自己点検の観点】
- 穴埋め部分が正確に記入されているか
- 高所作業の墜落・転落防止措置として、作業床の設置・墜落制止用器具・脚立はしごの使用基準が含まれているか
- 数値(高さ2m以上、手すり85cm以上、6.75m超でフルハーネス型等)が正確か
- 管工事で想定される高所作業(天井配管作業、立て管の施工等)に言及しているか
問5:空調設備の施工上の留意事項
【模範解答例】
(1)ポンプ・送風機の据付における留意事項
- ポンプの据付はコンクリート基礎の上に行い、基礎の質量はポンプ本体の質量の3倍以上を標準とする。基礎の高さは周囲の床面から150mm以上立ち上げ、周囲に排水溝を設ける。
- ポンプと配管の接続には防振継手(フレキシブルジョイント)を設け、ポンプの振動が配管に伝わるのを防止する。ポンプの吸込み側にはストレーナーを設置し、異物の混入を防ぐ。
- 送風機の据付には防振架台を用い、コンクリート基礎との間に防振ゴムまたはばね式防振装置を設置する。送風機とダクトの接続部にはたわみ継手(キャンバス継手)を設け、振動の伝達を防止する。
(2)保温工事における留意事項
- 冷水管・冷温水管の保温材は防湿層を設け、外部からの湿気の浸入を防止する。防湿層は保温材の外側に連続して施工し、継ぎ目はテープ等で密封する。防湿層の破損は結露の原因となるため、施工時に損傷させないよう注意する。
- 保温材の厚さは結露計算により決定し、外気条件(温度・湿度)に基づいて露点温度以下にならないよう設計する。一般的に冷水管では20mm〜40mm(グラスウール保温筒の場合)の厚さが必要となる。
- 配管の支持部分では保温の連続性を確保するため、合成樹脂製の支持受けを使用する。吊りバンド部分で金属が直接管に接触すると結露が発生し、天井への漏水やカビの原因となる。弁類・フランジ部は取外し可能な保温カバーとする。
【自己点検の観点】
- ポンプ・送風機の据付に特有の留意事項が記述されているか(防振対策・基礎の質量等)
- 保温工事で防湿層・結露防止・支持部の処理に言及しているか
- 具体的な数値(基礎の質量3倍以上、立上げ150mm以上、保温厚さ等)が含まれているか
- JIS規格や技術基準への言及があるか
問6:衛生設備の施工上の留意事項
【模範解答例】
(1)給湯管の施工上の留意事項
- 給湯管には銅管またはステンレス鋼管を使用し、耐食性・耐熱性を確保する。銅管の場合はろう付け接合とし、ステンレス鋼管の場合はメカニカル継手またはプレス継手を使用する。
- 給湯管は温度変化による管の伸縮が大きいため、直線配管が20m以上の場合は伸縮継手(ベローズ形またはスリーブ形)を設置する。伸縮継手の前後には固定点とガイドを設け、配管の軸方向にのみ伸縮するようにする。
- 給湯管の配管勾配は1/200以上の先上り勾配とし、管内の空気を自然に排出できるようにする。管の最上部には自動空気抜き弁を設置し、エアロックによる循環不良を防止する。返湯管にも同様の勾配を設ける。
(2)通気管の施工上の留意事項
- 通気管は排水管内の気圧変動を緩和し、トラップの封水を保護するために設ける。通気管の管径は排水管の管径の1/2以上(最小30mm以上)とする。
- 通気管の末端は、屋上面から150mm以上立ち上げて大気に開放する。開口部には防虫網を設ける。窓や換気口から水平方向に3m以内にある場合は、その上端から600mm以上立ち上げる。
- 通気管の横走り管は、その階の最も高い位置にある器具のあふれ縁から150mm以上上方の位置で横走りさせる。通気管は排水管に対して逆勾配とならないよう施工し、管内の結露水が排水管側に自然流下するようにする。
【自己点検の観点】
- 給湯管は管種選定・伸縮対策・勾配と空気抜きが必須キーワード
- 通気管は管径・末端の立上げ高さ・横走りの位置が正確か
- 管種に応じた接合方法の知識が示されているか
- 法規(建築基準法施行令・SHASE-S 206等)に基づく記述があるか
令和8年度の公式要領とこの独自模試の違い
令和8年度の受検の手引では、第二次検定は14時00分〜16時00分の2時間で、記述式による筆記試験です。合格基準は得点60%以上ですが、試験の実施状況等を踏まえて変更される可能性があります。
最新の公表済み問題である令和7年度は、問題1〜3が必須、問題4・5から1問を選択する解答指示です。このページは6問すべてを練習する当サイト独自教材で、公式問題の設問数・選択指示を再現したものではありません。試験日時と基準は「令和8年度 第二次検定の受検の手引」、直近の問題構成は「令和7年度 第二次検定の公式問題」で確認してください。
公式要領と解答例の使い方
- 先に問題ページで6問へ取り組み、自分の答案を確定してから開く。
- 模範解答例と同じ表現かではなく、課題、対策、確認、結果のつながりを確認する。
- 固有名詞、規模、日数、人数、管理値を自分の記録で説明できるか点検する。