第3回の模範解答例で安全管理答案を照合する
危険要因、想定災害、実施した対策、点検・測定と結果が一続きになっているかを確認します。ここに掲載する文章と数値は公式解答や公式採点基準ではありません。自分の工事経験と整合しない内容を答案へ転用せず、構成を照合するために使ってください。
解答・解説
2級管工事施工管理技士 第二次検定 模擬テスト 第3回の解答・解説です。記述式のため、模範解答例と自己点検の観点を掲載しています。自分の解答と比較し、重要なキーワードが含まれているか確認しましょう。
問1:施工経験記述(安全管理)
【模範解答例 — 工事概要】
工事名:〇〇マンション新築給排水衛生設備工事
工事場所:大阪府〇〇市〇〇町2-5-8
工事の内容:共同住宅(鉄筋コンクリート造、地上10階建、延べ面積5,800m²)の給排水衛生設備・ガス設備の新設工事。給水方式はポンプ直送方式、排水方式は敷地内に合流式汚水桝を設置
工期:令和〇年5月〜令和〇年2月(10か月間)
あなたの立場:現場代理人
【模範解答例 — 課題と対策】
課題1:地下ピット内での配管作業において、酸素欠乏や硫化水素中毒の危険があり、作業員の安全確保が課題であった。換気が不十分な狭隘空間での長時間作業となるため、体調不良や事故のリスクが高かった。
対策1:作業開始前に酸素濃度計で酸素濃度18%以上、硫化水素濃度10ppm以下であることを測定・確認した。送風機により常時換気を行い、酸素欠乏危険作業主任者を選任して作業の指揮を行わせた。作業員には特別教育を実施し、緊急時の避難経路を事前に周知した。監視人を配置して作業員の体調変化を常時確認する体制を整えた。
課題2:配管用の開口部やスリーブ周辺での作業において、作業員の墜落・転落災害を防止する安全対策が課題であった。特に上階からの資材の落下による下階作業員への危険も懸念された。
対策2:床開口部には、ずれや脱落が生じないよう固定した養生蓋を設け、蓋を外す作業時には手すり・中さん等の墜落防止設備を先行して設置した。高さ2m以上で墜落のおそれがある箇所には作業床を設けた。作業床の設置が困難な箇所では、取付設備を先行して設け、作業条件に適した墜落制止用器具を使用させた。資材の上げ下ろしにはロープを使用し、投下を禁止した。毎朝のKY活動で当日の危険箇所を確認し、安全意識の向上を図った。
【自己点検の観点】
- 工事概要が具体的か(設備の概要・建物用途・規模・階数・延べ面積等の数値が記載されているか)
- 管工事としての内容か(空調設備・給排水衛生設備・ガス設備等に該当する工事であるか)
- 安全管理に関する課題が明確で、工事内容と整合しているか
- 対策に具体的な数値・工法名・基準値が含まれているか
- 課題と対策の因果関係が論理的に説明されているか
- 「〜した」と過去形で記述し、実際に経験した内容として書かれているか
問2:施工要領図の判読
【模範解答例】
不適切箇所1:受水槽のオーバーフロー管の末端に防虫網がない。
正しい施工:末端には耐食性のある防虫網を取り付け、排水管へ直結せず、汚水の逆流を防ぐ排水口空間を確保して間接排水とする。
不適切箇所2:給水ポンプの吸込み口が槽底面と同じ高さにあり、沈殿物を吸い込むおそれがある。
正しい施工:吸込み口は設計図書に示された槽底面からの離隔を確保し、必要なストレーナを設ける。吸込み配管は空気だまりや過大な圧力損失を生じない経路とし、施工後に異物の有無も確認する。
不適切箇所3:受水槽の通気管の末端に防虫網がない。
正しい施工:通気管は槽内の圧力変動を妨げない有効断面を設計図書どおりに確保し、末端を下向きにして耐食性のある防虫網を取り付ける。衛生上有害なものが入りにくい位置であることも確認する。
【自己点検の観点】
- 不適切な状態と、それによって生じる逆流・異物混入・沈殿物吸込みの危険を結び付けたか
- 正しい施工を、防虫、間接排水、離隔、通気機能などの目的とともに説明したか
- 図面や機器仕様で決まる寸法を、すべての設備に共通する固定値として断定していないか
問3:工程管理(ネットワーク工程表)
【模範解答例】
(1)全体工期:17日
各経路の所要日数を計算します。
- 経路 1→2→4→5→6:A(2)+D(8)+F(3)+G(4)=17日
- 経路 1→2→3→5→6:A(2)+C(3)+E(5)+G(4)=14日
- 経路 1→3→5→6:B(6)+E(5)+G(4)=15日
よって、全体工期は17日です。
(2)クリティカルパス:1 → 2 → 4 → 5 → 6(A → D → F → G)
最も所要日数が長い経路は A(2)+D(8)+F(3)+G(4)=17日であり、これがクリティカルパスです。
(3)作業Eのトータルフロート:2日
作業Eの経路は1→3→5→6で、ノード3の最早到達時刻はmax(A+C=2+3=5, B=6)=6日。作業Eの最早開始時刻は6日、最早完了時刻は6+5=11日。ノード5の最遅開始時刻は17−G(4)=13日。作業Eの最遅完了時刻は13日。トータルフロート=最遅完了時刻−最早完了時刻=13−11=2日。
【自己点検の観点】
- 各経路の所要日数が正確に計算されているか
- クリティカルパスの経路が正しく示されているか
- フロートの計算過程が論理的に示されているか
問4:法規(労働安全衛生法)
【模範解答例】
(1)穴埋め解答
ア:5m
イ:足場の組立て等作業主任者
ウ:特定元方事業者
エ:統括安全衛生責任者
(2)移動式クレーンを使用する場合の措置例
- 資格を確認する。つり上げ荷重5t以上は移動式クレーン運転士免許、1t以上5t未満は小型移動式クレーン運転技能講習、1t未満は特別教育の対象となる。つり上げ荷重1t以上のクレーン等に係る玉掛けは玉掛け技能講習、1t未満は特別教育を修了した者に行わせる。
- 転倒を防止する。作業場所の地耐力、埋設物、傾斜を確認し、必要に応じて敷板等で支持する。アウトリガーは設置条件に応じて張り出し、実際の張出し幅と作業半径に対応する定格総荷重の範囲内で使用する。
- 接触・落下を防止する。作業計画と合図を共有し、合図者を指名して吊り荷の下や旋回範囲への立入りを防ぐ。ワイヤロープ、フック、玉掛け用具を作業前に点検し、10分間の平均風速が10m/s以上の強風時は作業を中止する。
【自己点検の観点】
- 足場の高さと作業主任者の名称を、空欄の位置に対応させたか
- 運転資格と玉掛け資格を混同せず、つり上げ荷重による区分を確認したか
- 資格だけでなく、地盤・アウトリガー・定格総荷重・立入防止・点検を作業場面に結び付けたか
問5:空調設備の施工上の留意事項
【模範解答例】
(1)保温工事
- 管種、流体温度、周囲条件に適合する保温材と厚さを設計図書で確認し、継ぎ目を密着させてすき間や圧縮を生じさせない。
- 冷水管は防湿層を連続させ、継ぎ目を確実に処理する。バルブ、フランジ、吊り金物など結露しやすい部分にも保温・防湿の欠損を残さない。
- 壁・床貫通部では要求される防火性能と保温の連続性を両立させ、屋外では雨水や紫外線、外力から保温材を守る外装を施工する。
(2)空調機器据付工事
- 基礎の位置、寸法、強度、水平を確認し、機器の質量・振動・地震時の力に対応するアンカーと防振材を、設計図書とメーカー要領に従って施工する。
- 吊り形機器は、指定された吊り位置と吊り材を用いて水平に据え付け、必要な振れ止めを設ける。吊りボルト径や点検空間は機種と設計条件で確認する。
- 搬入経路、保守・交換スペース、吸排気の離隔、配管接続方向を他工事と調整する。据付け後は固定状態、水平、ドレン排水、異常振動を確認して記録する。
【自己点検の観点】
- 材料名だけでなく、断熱・防湿・防火・耐候という目的を説明したか
- 機器の固定、防振、排水、保守性を、設計図書やメーカー要領に結び付けたか
- 機種や設計条件で変わる寸法を、一律の固定値として書いていないか
問6:衛生設備の施工上の留意事項
【模範解答例】
(1)給湯管
- 使用温度・圧力に適合する管材、継手、接合方法を選び、異種金属接触や合成樹脂管の使用条件を含めて設計図書とメーカー要領を確認する。
- 管材、直線長さ、温度差から熱伸縮を検討し、固定点、ガイド、オフセットまたは伸縮継手を適切に配置する。伸縮継手の間隔を一律の長さで決めない。
- 保温を連続させ、支持部や貫通部に熱橋や保温欠損を残さない。洗浄後に所定の試験圧力と保持時間で漏れを確認し、試験条件と結果を記録する。
(2)通気管
- 排水負荷と通気方式に応じた管径を設計図書で確認し、途中で不必要に縮径せず、排水管内の圧力変動を緩和してトラップ封水を保護できる経路とする。
- 通気管の横走り部は、排水が流入しにくい高さまで立ち上げてから接続し、結露水等が滞留せず排水管側へ戻る勾配を確保する。たるみや逆勾配を施工後に確認する。
- 大気開放部は、窓・外気取入口等へ臭気が流入しにくく、雨雪や異物で閉塞しにくい位置と形状にする。必要な離隔、立上り高さ、寒冷地対策は設計図書と適用基準で確認する。
【自己点検の観点】
- 給湯管では、耐熱・耐圧、熱伸縮、保温、試験を施工手順に結び付けたか
- 通気管では、封水保護、排水流入防止、勾配、大気開放部の安全な位置を説明したか
- 設計条件で変わる管径・離隔・支持間隔を、根拠のない固定値として断定していないか
令和8年度の公式要領とこの独自模試の違い
令和8年度の受検の手引では、第二次検定は14時00分〜16時00分の2時間で、記述式による筆記試験です。合格基準は得点60%以上ですが、試験の実施状況等を踏まえて変更される可能性があります。
最新の公表済み問題である令和7年度は、問題1〜3が必須、問題4・5から1問を選択する解答指示です。このページは6問すべてを練習する当サイト独自教材で、公式問題の設問数・選択指示を再現したものではありません。試験日時と基準は「令和8年度 第二次検定の受検の手引」、直近の問題構成は「令和7年度 第二次検定の公式問題」で確認してください。
公式要領と解答例の使い方
- 先に問題ページで6問へ取り組み、自分の答案を確定してから開く。
- 模範解答例と同じ表現かではなく、課題、対策、確認、結果のつながりを確認する。
- 固有名詞、規模、日数、人数、管理値を自分の記録で説明できるか点検する。