法規②(電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法)の要点(30秒でわかる)
- 電気事業法:自家用電気工作物の設置者→電気主任技術者の選任義務。保安規程の届出
- 電気工事士法:第一種(自家用+一般用)、第二種(一般用のみ)の業務範囲
- 電気用品安全法:特定電気用品(◇PSEマーク)と特定以外(○PSEマーク)の区分
- 出題傾向:電気工事士の業務範囲、PSEマークの違い、電気主任技術者の選任が頻出
結論から言います。法規②で扱う電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法は、電気工事施工管理技士ならではの法規です。電気工作物の区分、電気主任技術者の選任、電気工事士の作業範囲、PSEマーク——これらは電気工事の現場で毎日のように関わるルールであり、試験でも必ず出題されます。第一次検定全体の出題傾向もあわせて確認してください。法規①(建設業法・労働安全衛生法)も必ずセットで学習しましょう。
なぜ電気関連の固有法規が試験に出るのか?
電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法は、電気工事だけに適用される専門法規です。建設業法・労安法が「すべての建設業」に共通する法律なのに対し、ここで学ぶ3つの法律は「電気の安全」に特化しています。電気工作物の区分を間違えると保安体制の義務を果たせず、PSEマークのない電気用品を使えば法律違反で工事が止まることになります。
電気事業法|電気主任技術者の選任と保安規程【頻出】
電気事業法の目的
電気事業法は、電気事業の適正かつ合理的な運営と電気工作物の保安の確保を目的とする法律です。電気の供給(電力会社)側のルールと、電気を使う(需要者)側の保安ルールの両方を定めています。
電気工作物の区分
電気事業法で最も重要なのは電気工作物の分類です。この分類によって、必要な保安体制が変わります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 事業用電気工作物 | 電気事業者(電力会社等)が設置する発電所・変電所・送電線など |
| 自家用電気工作物 | 600V超の電圧で受電する需要設備等。ビル・工場のキュービクルなど |
| 一般用電気工作物 | 600V以下で受電する一般家庭・小規模店舗。出力50kW未満の太陽光も含む |
→ 電気主任技術者(第一種〜第三種)
→ 電気主任技術者+保安規程の届出
→ 電力会社の調査義務(4年に1回)
自家用電気工作物とは — 施工管理で最も関わる
ビルや工場で6,600Vの高圧で受電し、キュービクル(受変電設備)で100V/200Vに変圧して使用する設備は自家用電気工作物です。2級電気工事施工管理技士が関わる工事の大部分がこれに該当します。自家用電気工作物には電気主任技術者の選任と保安規程の届出が必要です(届出の詳細は施工計画を参照)。
電気主任技術者
自家用電気工作物を設置する者(設置者=建物オーナー等)は、電気主任技術者を選任して保安の監督をさせなければなりません。
| 資格 | 監督範囲 |
|---|---|
| 第三種電気主任技術者 | 電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5,000kW未満の発電所含む) |
| 第二種電気主任技術者 | 電圧17万V未満の事業用電気工作物 |
| 第一種電気主任技術者 | 全ての事業用電気工作物 |
施工管理技士と電気主任技術者の違い
施工管理技士は「工事の施工管理」の資格。電気主任技術者は「設備の保安監督」の資格。まったく別の資格ですが、現場では両方の知識が必要になる場面があります。施工管理技士が工事を行い、竣工後の保安は電気主任技術者が担当する——という役割分担です。
保安規程
自家用電気工作物の設置者は、保安規程を定め、使用開始前に経済産業大臣(所轄の産業保安監督部長)に届け出なければなりません。
保安規程に定める主な事項は以下の通りです。
- 電気工作物の運転・操作に関する事項
- 巡視・点検・検査に関する事項
- 災害その他の非常時の措置に関する事項
- 保安教育に関する事項
電気工事士法|第一種・第二種の業務範囲【頻出】
電気工事士法の目的
電気工事士法は、電気工事の欠陥による災害の発生を防止するために、電気工事士の資格を定めた法律です。無資格者が電気工事を行うと感電や火災の危険があるため、一定の技術水準を持つ有資格者しか電気工事を行ってはならないとされています。
第一種電気工事士と第二種電気工事士の作業範囲
| 資格 | 作業できる範囲 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物の電気工事ができる。住宅・小規模店舗のコンセントやスイッチの工事など |
| 第一種電気工事士 | 一般用電気工作物+自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の電気工事ができる |
認定電気工事従事者
自家用電気工作物のうち、簡易な工事(600V以下の部分の工事)については、認定電気工事従事者の認定を受ければ作業できます。第二種電気工事士の免状を取得後、所定の講習を受けて認定を受ける方法が一般的です。
電気工事士でなくてもできる作業
以下の「軽微な作業」は、電気工事士の資格がなくても行えます。
- 電線を支持する柱や腕木の設置・変更
- 地中電線用の暗渠(あんきょ)や管の設置・変更
- 電気機器(照明器具など)の端子にコードを接続する作業
- 電力量計の取付・取外し(電気工事士でなくてもよいが、電力会社の承認が必要)
試験で狙われるポイント
「電気工事士でなくてもできる作業」は試験の定番です。ポイントは「電線の接続」を伴わない作業かどうか。電線と電線をつなぐ作業(結線・ジョイント)は必ず電気工事士が行います。一方、柱の設置や管路の敷設は電線の接続を伴わないので資格不要です。
電気用品安全法|PSEマークと特定電気用品
電気用品安全法の目的
電気用品安全法は、電気用品の製造・販売を規制し、粗悪な電気用品による危険や障害を防止する法律です。いわゆるPSEマークがこの法律に基づいています。
電気用品の分類
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 特定電気用品 | 構造上特に危険性が高いもの。ひし形のPSEマーク。電線・ヒューズ・配線器具・電気温水器など。第三者機関の適合性検査が必要 |
| 特定電気用品以外の電気用品 | 特定ほどではないがリスクがあるもの。丸形のPSEマーク。LED電球・延長コード・電気ストーブなど。自主検査でOK |
PSEマークの見分け方
ひし形(◇)のPSE=特定電気用品(危険度高い。第三者検査が必要)
丸形(○)のPSE=特定電気用品以外(自主検査でOK)
「ひし形の方が厳しい」と覚えましょう。電気工事で使用する電線やコンセントは特定電気用品に該当するので、ひし形PSEマークが付いている必要があります。
電気工事士との関係
電気工事士法では、電気工事に使用する電気用品はPSEマークの表示があるものを使用することが義務付けられています。PSEマークのない電気用品を使って電気工事を行うことは違法です。
現場では、電線やスイッチ・コンセントを発注する際に、PSEマークが付いていることを確認することが施工管理者の重要な仕事になります。
よくある質問と試験のひっかけポイント
Q. 電気工事士と電気主任技術者の違いは?
A. 電気工事士は電気工事の作業を行う資格(工事士法)。電気主任技術者は自家用電気工作物の保安監督を行う資格(事業法)。工事する人=工事士、監督する人=主任技術者と覚えましょう。
Q. 特定電気用品とは何ですか?
A. 構造・使用方法等から危険度が高い電気用品(電線・配線器具・漏電遮断器等)です。◇PSEマーク(ひし形)が付きます。それ以外は○PSEマーク(丸形)。試験では「◇=危険度高い=特定」「○=それ以外」が頻出。
Q. 第一種電気工事士と第二種の違いは?
A. 第二種は一般用電気工作物(一般住宅・小規模店舗等600V以下)のみ。第一種は一般用に加え自家用電気工作物(500kW未満の需要設備)の工事も可能。試験では業務範囲の境界が問われます。
試験でこう出る!出題パターン
- パターン1:電気工事士の第一種・第二種の業務範囲の正誤問題
- パターン2:特定電気用品と特定以外の区分(PSEマーク)
- パターン3:電気主任技術者の選任義務と選任不要の条件
- パターン4:保安規程の届出先(経済産業大臣/産業保安監督部長)
暗記のコツ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 電気工事士 | 第二種=一般用のみ、第一種=一般用+自家用(500kW未満) |
| PSEマーク | ◇(ひし形)=特定=危険度高い、○(丸)=それ以外 |
| 電気主任技術者 | 第三種=5万V未満、第二種=17万V未満、第一種=全て |
| 保安規程 | 自家用電気工作物の設置者が作成→届出義務 |
理解度チェック
学んだ内容を確認しましょう。4択から正解を選んでください。
【問1】電気事業法上、6,600Vの高圧で受電するビルの受変電設備は、次のうちどれに分類されるか。
(1)事業用電気工作物
(2)自家用電気工作物
(3)一般用電気工作物
(4)小出力発電設備
【問2】電気工事士法上、第二種電気工事士が作業できる範囲として正しいものはどれか。
(1)全ての電気工作物の工事
(2)一般用電気工作物の電気工事
(3)自家用電気工作物の電気工事
(4)事業用電気工作物の電気工事
【問3】電気用品安全法における特定電気用品のPSEマークの形状として、正しいものはどれか。
(1)丸形
(2)三角形
(3)ひし形
(4)星形
【問4】自家用電気工作物の保安に関する記述として、電気事業法上、正しいものはどれか。
(1)電気主任技術者は電気工事を行う施工者が選任する
(2)保安規程は電気工事完了後に届け出ればよい
(3)自家用電気工作物の設置者は電気主任技術者を選任しなければならない
(4)第三種電気主任技術者は全ての電圧の電気工作物を監督できる
法規②と他分野との関連|実務に直結する法律知識
法規の知識は他の分野と密接に関連しています。
- 安全管理 — 感電防止の規定は労働安全衛生法に基づく
- 品質管理 — 絶縁抵抗・接地抵抗の基準値は電気設備技術基準に規定
- 施工計画 — 保安規程の届出・電気主任技術者の選任は工事計画の一部
- 第二次検定 法規対策 — 記述式での法規問題への対策
他資格の法規も参考にしましょう。
まとめ|電気固有の3法律を正確に覚える
法規②のポイントを振り返りましょう。
この記事のポイント
- 電気工作物の区分:事業用・自家用・一般用の3分類。600V超で受電→自家用
- 自家用電気工作物には電気主任技術者の選任と保安規程の届出が義務
- 第二種電気工事士は一般用のみ、第一種は自家用+一般用の工事が可能
- PSEマーク:ひし形=特定電気用品(危険度高)、丸形=特定以外
- PSEマークのない電気用品は電気工事に使用禁止(電気用品安全法)
- 3つの法律(電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法)は電気工事専門の法規
第一次検定の解説はこれで完了です! 次は第二次検定の施工経験記述(品質管理)に進みましょう。独学の勉強法で学習計画も確認できます。
ミニテストで知識を確認しよう
法規の知識をミニテストで確認しましょう。
本番形式で力試しするなら模擬試験もどうぞ。