ネットワーク工程表・バーチャートの解き方(30秒でわかる要点)
- 出題形式:ネットワーク工程表からクリティカルパス・フロートを求める
- 計算パターン:5パターン程度を覚えれば対応可能
- クリティカルパス:最長経路=工期を決める経路。フロート=0
- バーチャート:横棒の長さ=作業日数。出来高曲線の読み取りも
- 攻略:過去問5〜6問解けば解法パターンが身につく
この問題の出題形式
第二次検定の問題3で出題されます。ネットワーク工程表またはバーチャートが提示され、クリティカルパスの所要日数や遅延した場合の影響を記述します。第一次検定の「工程管理」で学んだ知識を記述式で活かす問題です。計算手順を覚えれば確実に得点できるボーナス問題になります。
第二次検定の工程表問題とは?
結論から言います。第二次検定の問題4では、ネットワーク工程表やバーチャートを使った計算問題・記述問題が出題されます。第一次検定(マークシート)とは異なり、計算過程や理由を文章で記述する必要があります。
「工程管理(第一次検定)」で学んだクリティカルパスやフロートの知識が前提になるので、まだ読んでいない方は先にそちらを読んでください。この記事では第二次検定ならではの記述のポイントを解説します。「第二次検定の出題傾向と攻略法」で全体像もあわせて確認しておきましょう。
出題傾向をチェック
NW工程表は第二次検定の問題4で毎年出題。配点約15%。クリティカルパス・フロート計算・工期短縮の記述が求められます。第一次の工程管理の計算知識が直結するため、あわせて復習しておきましょう。「品質管理(第一次検定)」「安全管理(第一次検定)」の知識も工期短縮の記述で活用できます。
出題パターン
第二次検定の工程表問題は主に3つのパターンで出題されます。「施工計画のポイント」で学んだ工程計画の知識も関連してきます。
パターン1: クリティカルパスの特定
ネットワーク工程表からクリティカルパスを求め、全体工期を算出する問題。計算過程を記述します。
パターン2: フロートの計算
指定された作業のトータルフロート(TF)やフリーフロート(FF)を求める問題です。
パターン3: 工期短縮の検討
遅延が発生した場合の工期への影響と、短縮方法を記述する問題です。
NW工程表の記述式問題の解き方
ネットワーク工程表の記述式問題は、以下の6ステップで解くと確実に得点できます。「記述問題の解答テクニック」もあわせて確認しておきましょう。
クリティカルパスの求め方(記述式)
第一次検定では選択肢から選べばよかったクリティカルパスですが、第二次検定では計算過程を記述する必要があります。「工程管理(第一次検定)」の知識を記述式に応用するポイントを押さえましょう。
解法の手順
記述式での解法ステップ
- 全経路を洗い出す:始点から終点までの全ルートを列挙します
- 各経路の所要日数を計算:各ルートの作業日数を合計します
- 最長経路を特定:最も日数が長い経路がクリティカルパスです
- 結論を明記:「クリティカルパスは①→②→④→⑤であり、全体工期は○日である」と書きます
記述例
【問題】下記のネットワーク工程表のクリティカルパスと全体工期を求めなさい。
① →A(5日)→ ② →D(8日)→ ④ →F(4日)→ ⑤
① →B(3日)→ ③ →E(6日)→ ④
② →C(3日)→ ③
【解答】
経路1:①→A(5)→②→D(8)→④→F(4)→⑤ = 17日
経路2:①→A(5)→②→C(3)→③→E(6)→④→F(4)→⑤ = 22日
(※ ②→③経由で③のESTは5+3=8、③→④はEST8+6=14)
経路3:①→B(3)→③→E(6)→④→F(4)→⑤ = 13日(※ ③のESTは経路2の方が大きい)
③のEST:経路A→C(5+3=8) と 経路B(3) の最大値=8
④のEST:経路D(5+8=13) と 経路E(8+6=14) の最大値=14
⑤のEST:14+4=18日
したがって、クリティカルパスは①→A→②→C→③→E→④→F→⑤であり、全体工期は18日です。
記述例のように、計算過程をすべて書くことが高得点のポイントです。答えだけでは部分点しか取れません。「用語・定義の記述対策」も記述の書き方の参考になります。
フロートの計算と記述
フロート(余裕時間)の計算も第二次検定の頻出テーマです。「工程管理(第一次検定)」で学んだ計算式を、記述式で正確に表現する練習をしましょう。
フロートの計算式(記述で使う)
- TF(トータルフロート)= 後続結合点のLFT − 先行結合点のEST − 作業日数
- FF(フリーフロート)= 後続結合点のEST − 先行結合点のEST − 作業日数
- 記述するときは「作業Bのトータルフロート = ③のLFT(8) − ①のEST(0) − B(3) = 5日」のように計算式を明示します
TFとFFの違いを記述で説明できるようにしよう
- TF(トータルフロート):その作業を遅らせても全体工期に影響しない余裕時間。後続作業には影響する場合があります
- FF(フリーフロート):その作業を遅らせても直後の作業のESTに影響しない余裕時間。常にFF≦TFです
- クリティカルパス上の作業はTF=FF=0日
バーチャートの記述問題
バーチャートが出題される場合は、工程表を読み取って以下のような問題に答えます。「経験記述の対策」で学ぶ文章構成力もここで活きてきます。
- 「○月○日時点で遅延している作業はどれか。その対策を述べよ」
- 「作業Aが3日遅延した場合の影響と対策を述べよ」
- 「全体工程を2週間短縮するための方法を述べよ」
工期短縮の記述で得点するコツ
工期短縮の問題は、計算力と記述力の両方が問われます。「施工経験記述(工程管理)」の工期短縮の考え方とも共通するため、あわせて学習すると効率的です。
記述のポイント
頻出パターンの記述テンプレート
記述式では「型」を持っていると解答時間を短縮できます。以下のテンプレートを覚えておきましょう。「合格のコツ」でも効率的な学習法を紹介しています。
テンプレート①:クリティカルパスの特定
「各経路の所要日数を求めると、経路A:○日、経路B:○日、経路C:○日である。最長は経路Aの○日であるため、クリティカルパスは○→○→○であり、全体工期は○日である。」
テンプレート②:フロートの計算
「作業○のトータルフロートは、後続結合点のLFT(○) − 先行結合点のEST(○) − 作業日数(○) = ○日である。フリーフロートは、後続結合点のEST(○) − 先行結合点のEST(○) − 作業日数(○) = ○日である。」
テンプレート③:工期短縮の検討
「○日の短縮が必要であるため、クリティカルパス上の作業○の日数を短縮する。具体的には、作業員を増員し(○人→○人)、1日あたりの作業量を増やすことで○日の短縮を図る。なお、品質および安全を損なわない範囲で実施する。」
計算+記述のダブルスキルが求められる
独学の壁:計算はできても記述で点が取れない
工程表の問題は、第一次検定の知識で計算自体はできる方が多い一方で、「記述式で点が取れる書き方」ができていない受験生が少なくありません。計算過程の書き方、結論の導き方には採点者に伝わるコツがあります。
特に工期短縮の問題では、計算結果に加えて具体的な短縮方法を論理的に記述する力が求められます。「品質管理の記述」「安全管理の記述」と同様に、記述のレベルアップが合否を分けます。
添削サービスのある通信講座を活用すれば、プロの目で「計算過程の書き方」「記述の論理構成」をチェックしてもらえます。独学では気づきにくい減点ポイントを改善でき、効率的に合格力を高められます。
まとめ
- 第二次検定では計算過程の記述が求められます
- クリティカルパスは全経路を洗い出し、最長経路を特定します
- フロートの計算は式を明示して答えます
- 工期短縮はクリティカルパス上の作業のみが有効です
- 記述テンプレートを覚えて、計算+記述のダブルスキルを磨きましょう
工程表の基礎知識は「工程管理(第一次検定)」で復習できます。第二次検定の他の分野は「品質管理の記述」「工程管理の記述」「安全管理の記述」で学習しましょう。施工経験記述が不安な方は「経験記述の対策」「経験記述の総論」を先に読むのがおすすめです。
2級建築施工管理技士の学習全体は「建築施工管理ロードマップ」から計画しましょう。受験概要は「試験の概要」、勉強法は「勉強法まとめ」、第一次検定は「第一次検定の出題傾向」「第一次検定の攻略法」で解説しています。「過去問の活用法」も仕上げ段階で活用してください。
実践練習で得点力を鍛える
工程表問題はパターンを覚えるだけでなく、実際に手を動かして計算・記述する練習が不可欠です。以下のミニテスト・模擬テストで実力を確認しましょう。