2級管工事(第一次)

【2級管工事】給排水衛生設備②(排水設備・通気設備・トラップ)をわかりやすく解説

給排水衛生設備②(排水設備・通気設備・トラップ)の要点(30秒でわかる)

  • 排水方式:合流式と分流式。汚水・雑排水・雨水の処理を区別する
  • 排水トラップ:封水で下水ガスを遮断。二重トラップは禁止(封水破壊の原因)
  • 通気設備:排水管内の圧力変動を防ぎ封水を保護。各個通気・ループ通気・伸頂通気
  • 封水深:50mm以上100mm以下が標準。浅いと破封、深いと自浄作用低下
  • 出題傾向:トラップの種類と封水破壊の原因、通気方式の違いが頻出

結論から言います。排水設備のカギは「勾配」と「トラップ」と「通気」の3つです。排水は重力で流すため、配管の勾配が命。そしてトラップで下水ガスの侵入を防ぎ、通気管でスムーズな排水を助ける――この仕組みがわかれば、試験問題はほぼ対応できます。

出題傾向(2級管工事 第一次検定)

排水設備・通気設備は給排水衛生設備(No.18〜23)の中で毎年2問程度出題されます。排水管の勾配の数値トラップの種類と破封通気管の役割はほぼ毎年出る超頻出テーマです。「給排水衛生設備①(給水・給湯)」とセットで学びましょう。

排水の基本原理|自然流下と排水方式の分類

給水管はポンプの圧力で水を押し上げますが、排水管は重力だけで水を流します。だから排水管には必ず勾配(傾き)が必要です。勾配が足りないと水が溜まって詰まり、勾配が急すぎると水だけが先に流れて固形物が残ってしまいます。

排水管の最低勾配(暗記必須)

管径 最低勾配
65mm以下 1/50(1mで2cm下がる)
75mm・100mm 1/100(1mで1cm下がる)
125mm 1/150
150mm以上 1/200(1mで5mm下がる)

現場ではレーザーレベルや水準器を使って勾配を確認します。たとえば100mmの排水管を10m配管する場合、始点と終点で10cmの高低差が必要(1/100×10m=0.1m)。この高低差を確保できないと施工不良になるため、ルート設計の段階で天井裏のスペースを確認するのが大切です。

排水設備の3つのカギ
① 勾配 重力で水を流す → 管径ごとに最低勾配が決まっている
② トラップ 封水で臭気・害虫を遮断 → 封水深50〜100mm
③ 通気管 管内の気圧を安定化 → トラップの破封を防ぐ

排水トラップ|封水の役割と二重トラップ禁止【頻出】

排水トラップは排水管の途中に水を溜めて、下水管からの臭気やガス、害虫が室内に侵入するのを防ぐ装置です。

トラップの種類

種類 特徴と用途
Pトラップ 壁排水に使用。P字型の曲がり。洗面器によく使われる
Sトラップ 床排水に使用。S字型の曲がり。自己サイフォン作用で破封しやすい欠点がある
Uトラップ U字型。地中埋設の排水管に使用
わんトラップ(ベルトラップ) 床排水口に使用。お椀を逆さにしたような構造。厨房・浴室の床排水
ドラムトラップ 大きなドラム状の容器。大量の排水がある場所に使用。封水の安定性が高い

封水深と破封

封水深の基準

封水深 = 50mm以上 100mm以下

50mm未満だと臭気が漏れやすい。100mmを超えると排水の流れが悪くなる

破封(はふう)とは、トラップの封水がなくなってしまうこと。破封すると下水の臭いが部屋に上がってきます。

破封の原因 メカニズム
自己サイフォン作用 排水が勢いよく流れると、トラップの封水まで引っ張られて流出する
誘導サイフォン作用 他の器具の排水で排水管内が負圧になり、封水が吸い出される
蒸発 長期間使わない器具でトラップの水が蒸発する
毛管現象 髪の毛や糸くずがトラップに引っかかり、毛細管現象で封水が吸い出される

二重トラップの禁止

1つの排水経路にトラップを2つ以上設けてはいけません。トラップ間の空気が密閉されて排水の流れが悪くなるためです。これは試験の頻出ポイントです。

排水管の勾配は、原論②「流体力学」で学んだ流速の考え方と関係しています。勾配が急すぎると水だけが先に流れて固形物が残る(自浄作用が失われる)のは、流速が速すぎて水と固形物が分離するためです。

通気設備の種類と役割|封水を守る仕組み【頻出】

通気管は排水管内の気圧を大気圧に保ち、排水をスムーズに流すための管です。トラップの破封を防ぐ役割もあります。

なぜ通気管が必要か

排水管に水が流れると、管内の空気が押し出されたり引っ張られたりして圧力変動が起きます。この圧力変動がトラップの封水を押し出したり吸い出したりする原因。通気管で管内の空気を出し入れすることで、圧力を安定させます。

ペットボトルを逆さにすると水が「ゴボゴボ」と出ますよね。あれは空気が入らないから。ペットボトルの底に穴を開けると、空気が入ってスムーズに水が流れる――通気管はまさにこの「穴」の役割です。

通気方式の種類

方式 仕組みと特徴
各個通気方式 各器具のトラップごとに通気管を設ける。最も確実だがコストが高い
ループ通気方式 排水横枝管の最上流の器具付近から通気管を立ち上げる。一般的によく使われる
伸頂通気方式 排水立て管をそのまま屋上まで延長して通気管にする。小規模建物向け
特殊継手排水システム 排水立て管と横枝管の合流部に特殊継手を使い、通気管を省略。高層マンションで普及

通気管の施工ルール

通気管のルール(暗記必須)

  • 通気管の末端は大気に開放する(屋上で開口。窓から60cm以上離す)
  • 通気管は排水管より上方に向かって勾配をつける(結露水が排水管に戻るように)
  • 通気管の管径は排水管の1/2以上
  • 通気管に排水を流してはいけない

衛生器具の種類と選定基準

器具 施工上の注意点
大便器 洗浄方式(洗い落とし・サイフォン・サイフォンゼット)の違い。床フランジでしっかり固定
洗面器 壁掛け式はバックハンガーで固定。オーバーフロー口の接続確認
浴槽 排水勾配の確保。防水層との取り合い。追い焚き配管の接続

よくある質問と試験のひっかけポイント

Q. 二重トラップはなぜ禁止?

A. 2つのトラップの間に密閉空間ができ、排水時の圧力変動でどちらかの封水が破壊されます。封水が切れると下水ガスが室内に逆流し、悪臭や健康被害の原因に。「トラップは1系統に1つ」が鉄則です。

Q. 封水が破壊される原因は?

A. 主な原因は①自己サイホン作用(排水の勢いで封水が引き抜かれる)②誘導サイホン作用(他の器具の排水で圧力変動)③蒸発(長期不使用)④毛管現象(髪の毛等がトラップに詰まる)の4つ。通気設備で①②を防ぎます。

Q. 通気管はなぜ必要?

A. 排水管内の圧力を大気圧に保つためです。通気管がないと排水時に管内が負圧になり、トラップの封水がサイホン作用で引き抜かれます。通気管はトラップの封水を守る生命線です。

試験でこう出る!出題パターン

  • パターン1:トラップの種類(Sトラップ・Pトラップ・Uトラップ等)と特徴
  • パターン2:封水破壊の原因(自己サイホン・誘導サイホン・蒸発・毛管現象)
  • パターン3:二重トラップ禁止の理由を問う正誤問題
  • パターン4:通気方式(各個通気・ループ通気・伸頂通気)の違い

暗記のコツ

項目 ポイント
封水深 50mm以上100mm以下→「ゴジュウからヒャク」
二重トラップ 絶対禁止→「1系統に1トラップ」が鉄則
封水破壊4原因 「自己・誘導・蒸発・毛管」=ジコ・ユウドウ・ジョウハツ・モウカン
通気管の役割 排水管内を大気圧に保つ→封水を守る

この分野の知識をミニテストで確認

解説記事の内容がそのまま出題されるので復習に最適です。

第一次検定の攻略法・ミニテスト一覧を見る →

理解度チェック

【問1】管径100mmの排水管に必要な最低勾配はどれか?

解答を見る

正解:1/100
管径75mm・100mmの排水管は最低勾配1/100です。1mで1cm下がる傾きが必要です。

【問2】排水トラップの封水深の基準は?

解答を見る

正解:50mm以上100mm以下
50mm未満だと封水が不十分で臭気が漏れやすく、100mmを超えると排水の流れが悪くなります。

【問3】1つの排水経路にトラップを2つ設けてはいけない理由は?

解答を見る

正解:トラップ間の空気が密閉されて排水の流れが悪くなるため
これを「二重トラップの禁止」といいます。トラップ間に閉じ込められた空気が排水を阻害し、ゴボゴボと音がしたり排水不良を起こします。

【問4】通気管の主な役割は何か?

解答を見る

正解:排水管内の気圧を大気圧に保ち、排水をスムーズに流す&トラップの破封を防ぐ
通気管がないと排水時に管内が負圧や正圧になり、トラップの封水が吸い出されたり吹き出されたりします。

よくある質問と試験のひっかけポイント

ミニテストで知識を確認しよう

排水・通気・トラップの知識をミニテストで定着させましょう。

📝 給排水衛生設備 ミニテスト(四肢択一10問)

📋 模擬テスト(本番形式52問)

こう間違える人が多い!

  • 「排水管の勾配は急なほど良い」 → 急すぎると水だけが先に流れて固形物が残る。適切な勾配が重要
  • 「Sトラップは破封しにくい」 → Sトラップは自己サイフォン作用で破封しやすい。Pトラップのほうが安定
  • 「二重トラップは安全性が高い」 → 禁止。二重にすると間の空気が逃げず、排水が流れなくなる
  • 「通気管は排水管と同じ径にする」 → 通気管は排水管の1/2以上の径でよい
  • 「封水深は深いほど安全」 → 50〜100mmが適正。深すぎると排水抵抗が増え、汚物が付着しやすい

なぜトラップと通気管がセットで出題されるのか?

トラップの封水が切れると、下水管から悪臭や害虫が室内に逆流します。通気管はトラップの封水を守るための「空気の逃げ道」。この2つは常にセットで機能しており、試験でも「通気管がないとどうなるか」→「封水が切れて臭気が逆流する」というストーリーで出題されます。原理を理解すれば丸暗記の必要がなくなります。

まとめ|トラップと通気の仕組みを正確に理解する

テーマ 覚えるべきポイント
排水勾配 管径65mm以下→1/50、75〜100mm→1/100、150mm以上→1/200
トラップ 封水深50〜100mm。P・S・わん型。二重トラップ禁止。破封の4原因
通気管 管内の気圧安定化。末端は大気開放。管径は排水管の1/2以上

前回の「【2級管工事】給排水衛生設備①(給水設備・給湯設備)をわかりやすく解説」とセットで給排水衛生設備の全体像をつかみましょう。

もっと問題を解きたい方は「おすすめテキスト・参考書」で紹介している過去問題集で演習しましょう。

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