1級土木(第一次)

1級土木 施工計画(施工計画書・仮設計画・原価管理)【第一次検定の科目別解説】

施工計画のポイント(30秒で押さえる)

  • 施工計画書:工事の段取りを文書化したもの。工程・品質・安全・環境の管理方法を記載
  • 仮設工事:指定仮設(発注者指定)と任意仮設(受注者の裁量)の2種類
  • 建設副産物:発生抑制→再利用→再資源化→熱回収→適正処分の優先順序
  • 出題頻度:施工管理法から毎年多数出題。施工計画書の記載事項・仮設の分類が頻出

施工計画書とは

建設工事は「一品生産」です。同じ条件の工事は二つとなく、毎回その現場専用の段取りを決める必要があります。その段取りを文書にまとめたものが施工計画書です。

施工計画書の位置づけ

公共工事では、受注者は工事着手前に施工計画書を作成し監督職員に提出する義務があります(共通仕様書で規定)。施工計画書は設計図書に基づいて作成しますが、施工方法の詳細は受注者の技術力・経験に基づいて決定します。

施工計画書の主な記載事項(頻出)

  1. 工事概要:工事名・工期・工事場所・主要工種・施工条件
  2. 計画工程表:バーチャート・ネットワーク工程表で全体の流れを示す
  3. 現場組織表:監理技術者・主任技術者・各職長の配置
  4. 主要資材:材料の品質規格・数量・調達計画
  5. 施工方法:工種ごとの施工手順・使用機械・施工管理方法
  6. 施工管理計画:品質管理・出来形管理の方法と管理値
  7. 安全管理計画:安全施設・安全教育・緊急連絡体制
  8. 環境対策:騒音・振動・水質汚濁・粉じん等への対策
  9. 交通管理:交通規制計画・誘導員配置計画
  10. 仮設備計画:仮設道路・仮設電力・仮囲い等

施工計画を立てる手順

施工計画は次の手順で立てるのが基本です。

① 事前調査:現場踏査・地質調査・近隣環境の確認・関係機関との協議
② 基本方針の決定:施工順序・工区分割・主要工法の選定
③ 詳細計画の作成:工程表・安全計画・品質計画・仮設計画の策定
④ 施工計画書の作成・提出:監督職員に提出、必要に応じて修正

現場踏査では、設計図書には載っていない「現場の実態」を自分の目で確認します。たとえば、近隣に学校や病院があれば騒音・振動対策を強化する必要がありますし、道路幅員が狭ければ大型機械の搬入経路を別ルートにする必要があるかもしれません。

仮設工事の計画

指定仮設と任意仮設(頻出)

種類 内容 設計変更
指定仮設 設計図書で仮設の構造・規模・材料が具体的に指定されている 条件変更があれば設計変更の対象になる
任意仮設 受注者の裁量で構造・工法を決定できる。設計図書では「仮設一式」等で計上 原則として設計変更の対象外(受注者の責任範囲)

ここがポイント

任意仮設でも、条件明示(設計図書に明示された施工条件)が実際と異なる場合は設計変更の対象になり得ます。たとえば、設計図書で「土質は砂質土」と明示されていたのに実際は軟弱な粘性土だった場合、土留め工法の変更に伴う仮設費の増額は設計変更として認められます。

主な仮設工事の種類

  • 仮囲い:工事区域を囲う塀。高さ1.8m以上が基本。第三者の進入防止と防塵
  • 仮設道路:現場内の運搬路。ダンプトラックの通行に必要な幅員(片側3.0m、対面6.0m以上)を確保
  • 土留め支保工:掘削面の崩壊を防ぐための仮設構造物。鋼矢板・親杭横矢板・SMW工法など
  • 仮設電力:工事用の電力供給設備。高圧受電(6,600V)→変圧器→各分電盤
  • 仮排水:地下水・湧水を排除するためのポンプ・排水路

原価管理の基本

工事原価の構成

工事原価の構成
直接工事費
材料費
労務費
直接経費
(機械経費等)
間接工事費
共通仮設費
現場管理費
(現場事務所・安全対策費等)

原価管理の流れ

  • 実行予算の作成:受注金額をもとに、実際の施工にかかるコストを工種別に見積もる
  • コスト管理:実際の支出を実行予算と比較し、差異を分析して対策を講じる
  • 出来高管理:工事の進捗に応じて出来高を把握し、コストと対比する

原価管理で重要なのは「赤字に気づいてからでは遅い」ということです。実際の現場では、週次や月次で実行予算と実績を対比し、早期に差異を発見して手を打つことが利益確保のカギになります。

建設副産物の処理

工事で発生する建設廃棄物は、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)に基づいて処理します。

建設副産物の処理の優先順序(頻出)

  1. 発生抑制(リデュース):設計段階から廃棄物の発生を減らす工夫
  2. 再使用(リユース):そのまま使える部材は再使用する
  3. 再生利用(リサイクル):コンクリート塊→再生砕石、アスファルト→再生アスファルト
  4. 熱回収:リサイクルが困難なものは焼却してエネルギー回収
  5. 適正処分:上記のいずれも不可能なものは最終処分場で適正に処分

特定建設資材(分別解体・再資源化の義務)

特定建設資材 再資源化後の用途
コンクリート 再生砕石(路盤材)・再生骨材
コンクリート及び鉄から成る建設資材 鉄スクラップ+再生砕石に分離
アスファルト・コンクリート 再生アスファルト合材
木材 チップ化してボード原料・燃料。再資源化困難な場合は縮減(焼却)でも可

実際の現場では、コンクリート塊は破砕プラントでRC-40やRC-30の再生砕石に加工され、道路の路盤材として広く再利用されています。アスファルトも再生合材としてほぼ100%リサイクルされており、建設業はリサイクル率が非常に高い産業です。

まとめ

この記事のポイント

  • 施工計画書:工事概要・工程表・安全管理・品質管理等の10項目が記載事項の定番
  • 仮設工事:指定仮設(設計変更可)と任意仮設(原則変更不可)の区別が頻出
  • 原価管理:実行予算と実績を定期的に対比し、早期に差異を発見して対策
  • 建設副産物:発生抑制→再使用→再資源化→熱回収→適正処分の優先順序を覚える
  • 特定建設資材4種(コンクリート・鉄筋コンクリート・アスファルト・木材)は分別解体が義務

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