1級建築(第二次)

1級建築 経験記述の書き方(施工の合理化)【第二次検定の対策】

経験記述(施工の合理化)のポイント(30秒で押さえる)

  • 1級特有テーマ:2級にはない「施工の合理化」が第二次検定で出題される
  • 合理化の3方向:①工期短縮 ②省力化 ③品質向上を同時に達成する取組み
  • 記述のカギ:「なぜ合理化が必要だったか」→「何をしたか」→「どんな効果があったか」
  • 具体例:PCa化・プレファブ化・先組工法・デッキプレート・システム型枠など
  • NG:単なるコスト削減の話はNG。品質や安全と両立させた内容が求められる

「施工の合理化」は1級建築施工管理技士の第二次検定でのみ出題される特有テーマです。2級にはないため、初めて挑む受験者が多い分野。この記事では合格する記述の書き方を例文付きで解説します。

品質管理テーマの書き方は「経験記述の書き方(品質管理)」で解説しています。

「施工の合理化」で問われること

出題パターン

  • あなたが経験した建築工事で、施工の合理化のために実施した内容を記述せよ
  • 合理化の目的(工期短縮・省力化・品質向上のいずれか)を明記
  • 合理化のために採用した工法や材料を具体的に記述
  • 合理化によって得られた効果を定量的に記述

合理化の3つの方向性と記述テーマ

方向性 具体的な手法 記述で使える数値例
工期短縮 PCa部材の採用、鉄筋先組工法、デッキプレート、逆打ち工法 「従来工法比で工期を○日短縮」「1フロアの躯体サイクルを○日→○日に短縮」
省力化 ハーフPCa板(型枠省略)、システム型枠、プレファブ配筋 「型枠工の人工を○%削減」「高所作業を○時間削減」
品質向上 工場製品の採用(均一品質)、自動計測システム、BIM活用 「コンクリートの不良率○%→○%に低減」「寸法精度±○mm以内を達成」

記述例:ハーフPCa板によるスラブ工事の合理化

記述例の構成

工事概要:RC造 地上12階建 共同住宅 延床面積8,500m²

合理化の目的:工期短縮と省力化

合理化が必要だった理由:12階建てで各階のスラブ面積が大きく、従来の型枠工法では型枠の組立て・解体に1フロアあたり10日を要し、全体工期が厳しい状況であった

実施した内容

  • 基準階スラブにハーフPCa板(厚さ80mm)を採用し、その上に現場打ちコンクリート(厚さ100mm)を打設する工法に変更した
  • ハーフPCa板は打込み型枠として機能するため、スラブの在来型枠工事と支保工を省略できた
  • PCa板は工場で製造するため、コンクリートの品質が均一で、天候に左右されずに製造できた

効果:1フロアの躯体サイクルを10日から7日に短縮し、全体工期を約36日短縮した。また型枠工の延べ人工を約40%削減し、高所での型枠作業がなくなったことで安全性も向上した

記述例:鉄筋先組工法による合理化

記述例の構成

合理化の目的:省力化と安全性向上

合理化が必要だった理由:柱主筋にSD390(D29)を使用しており、高所での配筋作業に時間がかかるとともに、足場上での重量鉄筋の取扱いが安全上の懸念となっていた

実施した内容

  • 柱の鉄筋かごを地上の作業ヤードで先組みし、タワークレーンで吊り込んで所定の位置に建て込む工法を採用した
  • 先組み作業は地上で行うため姿勢が安定し、配筋精度の向上と作業の安全確保を両立した
  • ガス圧接継手の施工も地上で行い、外観検査と超音波探傷検査を地上で完了させた

効果:高所での配筋作業時間を従来比約60%削減し、墜落リスクを大幅に低減した。また配筋精度が向上し、かぶり厚さ不足の手直しがゼロになった

記述のNG例と改善

よくあるNG

NG:「工期を短縮するために頑張った」 改善:「ハーフPCa板を採用し、1フロアのサイクルを10日から7日に短縮した」
NG:「コスト削減のため安い材料を使った」 改善:「品質を維持しつつ省力化するため、工場製のPCa部材を採用した」
NG:「プレキャストにした」(一言で終わる) 改善:「部材寸法○mm×○mm、重量○tのPCa柱を工場で製造し、現場では接合部のグラウト充填のみとした」

まとめ

この記事のポイント

  • 施工の合理化は1級特有テーマ。工期短縮・省力化・品質向上の3方向
  • 具体的な工法名数値を必ず入れる(PCa板○mm、サイクル○日→○日)
  • 合理化の理由(なぜ必要だったか)を必ず記述する
  • コスト削減だけの話はNG。品質・安全との両立を示す
  • 自分の立場での判断・指示を書く(「〜を採用した」「〜するよう指示した」)

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