基礎工のポイント(30秒で押さえる)
- 場所打ち杭:トレミー管はコンクリート中に2m以上挿入。スライム処理が品質の鍵
- 既製杭:打込み杭・中掘り杭・プレボーリング杭の3工法を比較して覚える
- 土留め工法:親杭横矢板(止水性なし)・鋼矢板(止水性あり)・SMW(高剛性+止水)
- 出題頻度:毎年2〜3問。場所打ち杭と土留めが特に頻出
杭基礎の分類
杭基礎は大きく場所打ちコンクリート杭と既製杭に分類されます。それぞれ複数の工法があり、地盤条件・施工条件に応じて選定します。
場所打ちコンクリート杭
現場で地盤を掘削し、鉄筋かごを建て込んだ後にコンクリートを打設して造成する杭です。大径(1m以上)の杭が造成可能で、高い支持力を発揮します。
| 工法 | 掘削方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| アースドリル工法 | 回転バケットで掘削。安定液(ベントナイト泥水)で孔壁を保持 | 最も一般的。大径杭に適する。騒音・振動が小さい |
| リバースサーキュレーション工法 | 回転ビットで掘削。水を循環させて掘削くずを排出 | 大深度・大径杭に適する。孔壁安定性が高い |
| オールケーシング工法 | 鋼製ケーシングで孔壁を保護しながらハンマーグラブで掘削 | 孔壁崩壊の心配がない。玉石層にも対応可能 |
場所打ち杭の最重要管理項目
- スライム処理:掘削完了後、杭底に堆積するスライム(掘削くず・泥水中の沈殿物)を確実に除去する。スライムが残ると先端支持力が大幅に低下する。一次処理(掘削中の循環)と二次処理(鉄筋かご建込み後の底ざらい)を行う
- トレミー管:管の先端を常にコンクリート中に2m以上挿入した状態を維持する。管を引き上げすぎるとコンクリートと泥水が混合し品質が低下する
- コンクリートの品質:設計基準強度24N/mm²以上、スランプ18cm以上(水中打ちのため高い流動性が必要)
- 余盛り:杭頭部は泥水やスライムが混入した不良コンクリートとなるため、設計杭頭より50cm以上余盛りして、硬化後にはつり取る
既製杭の工法比較
| 工法 | 施工方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 打込み杭工法 | ディーゼルハンマー・油圧ハンマーで杭を地盤に打ち込む | 支持力が大きい。騒音・振動が大きいのが欠点 |
| 中掘り杭工法 | 杭の中空部にオーガーを通して先端地盤を掘削しながら杭を沈設 | 低騒音・低振動。先端処理はセメントミルク噴出撹拌方式が一般的 |
| プレボーリング杭工法 | あらかじめ掘削・根固め液を注入した孔に既製杭を挿入 | 低騒音・低振動。市街地に適する。根固め部の品質管理が重要 |
土留め(山留め)工法
掘削時に周辺地盤の崩壊を防止するための仮設構造物です。地盤条件・地下水位・掘削深さに応じて工法を選定します。
| 工法 | 止水性 | 剛性 | 適用 |
|---|---|---|---|
| 親杭横矢板工法 | なし | 小 | 地下水位が低い場所。比較的浅い掘削(5m程度まで) |
| 鋼矢板工法 | あり | 中 | 地下水位が高い場所。中程度の掘削深さ |
| SMW工法 | あり | 大 | 大深度掘削。止水性と剛性の両方が必要な場合 |
| 地中連続壁工法 | あり | 最大 | 大規模・大深度掘削。本設の地下壁としても利用可能 |
土留めの支保工
- 切梁工法:対向する土留め壁間に水平部材(切梁)を架設。最も一般的
- アンカー工法:土留め壁から地盤にアンカーを打設して反力をとる。切梁がないため掘削内の作業性が良い
- 自立式:支保工なしで壁体の根入れのみで自立。浅い掘削に限る
- 掘削中は土留め壁の変位計測を行い、管理値(通常30〜50mm)を超えないよう監視する
地盤調査
主な調査方法
| 調査方法 | 得られる情報 | 特徴 |
|---|---|---|
| 標準貫入試験(SPT) | N値(地盤の硬さ) | 最も一般的。63.5kgのハンマーを76cm自由落下させ、30cm貫入に要する打撃回数がN値 |
| ボーリング調査 | 地層構成・地下水位・試料採取 | SPTと組み合わせて実施。最も基本的な調査 |
| 平板載荷試験 | 地盤の支持力 | 直径30cmの載荷板で地盤の変形特性を調べる |
| スウェーデン式サウンディング試験 | 軟弱地盤の硬さ | 簡易調査。小規模建築物の地盤調査に使用 |
まとめ
この記事のポイント
- 場所打ち杭:トレミー管2m以上挿入、スランプ18cm以上、スライム処理が品質の鍵
- 既製杭:打込み(高支持力・高騒音)、中掘り・プレボーリング(低騒音・市街地向き)
- 土留め:親杭横矢板は止水性なし、鋼矢板・SMW・連壁は止水性あり
- 標準貫入試験のN値:63.5kgのハンマーを76cm落下、30cm貫入の打撃回数