2級建築(第一次)

【2級建築施工管理技士】防水工事・シーリング工事の種類と施工ポイント|仕上げ工事①

仕上げ工事①(防水工事・シーリング工事)の要点(30秒でわかる要点)

  • 防水工事:アスファルト・改質アスファルト・シート・塗膜の4種類
  • シーリング:2成分形と1成分形、プライマーの役割が頻出
  • 施工順序:下地処理→プライマー→防水層→保護層の流れ
  • ひっかけ:「シーリングの打継ぎは目地の交差部で行う」はNG

この分野の出題頻度

防水工事・シーリング工事は仕上げ工事の中で毎年1〜2問出題されます。「防水工法の種類と適用場所」「シーリング材の2面接着と3面接着の違い」が定番パターンです。防水材の知識は「建築材料②(鋼材・ガラス・防水材)」とも関連するので、セットで押さえると効率的です。

防水工事・シーリング工事とは?

結論から言います。防水工事とシーリング工事は、建物を「水」から守るための仕上げ工事です。どんなに頑丈な鉄筋コンクリートの建物でも、水が入ってくれば鉄筋が錆びて寿命が縮みます。防水工事は屋上やバルコニーなど「面」で水を防ぎ、シーリング工事は外壁の目地やサッシまわりなど「線」で水を防ぐ――この2つがセットで建物の防水を完成させるのです。

2級建築施工管理技士の第一次検定では、防水工事の種類の違いやシーリング材の選定が頻出テーマ。ここをしっかり押さえれば、確実に得点できます。

防水工法の使い分けフロー

防水工法は施工場所と要求性能で決まります。

施工場所から防水工法を選ぶ
屋上(平面・広い面積)
アスファルト防水
最も信頼性が高い
歩行可能な屋上に最適
屋上(改修・軽量化)
シート防水
既存防水の上から施工可
軽量で工期が短い
ベランダ・浴室
塗膜防水
複雑な形状に対応
FRP・ウレタン系

防水工事の種類と特徴

防水工事には大きく分けてアスファルト防水・シート防水・塗膜防水の3種類があります。それぞれ「何を使って水を防ぐか」が違います。

種類 防水材料 主な使用場所
アスファルト防水 アスファルトルーフィング 屋上(大面積)
シート防水 合成ゴム・塩ビシート 屋上・ベランダ
塗膜防水 ウレタンゴム・FRP バルコニー・複雑な形状

アスファルト防水(熱工法・トーチ工法・冷工法)

アスファルト防水は、最も歴史が長く信頼性の高い防水工法です。マンションやビルの屋上で黒っぽい防水層を見たことがある人も多いでしょう。あれがアスファルト防水です。

3つの施工方法の違い:

🔥 熱工法

溶融釜でアスファルトを220〜270℃に溶かし、ルーフィングを貼り重ねる。最も信頼性が高いが、煙と臭いが出るため住宅密集地では使いにくい。

🔧 トーチ工法

改質アスファルトシートの裏面をトーチバーナー(ガスバーナー)で炙りながら貼る。溶融釜が不要で、煙や臭いも少ない。現場での採用が増えている工法。

❄️ 冷工法(常温工法)

粘着層付きの改質アスファルトシートを常温で貼り付ける。火を使わないので安全で、居住中の建物の改修工事に最適。

実際の現場では、新築のRC造マンションの屋上にはアスファルト防水の熱工法が採用されることが多いです。一方、既に住民が住んでいるマンションの屋上防水の改修では、煙や臭いが出ない冷工法やトーチ工法が選ばれます。

密着工法と絶縁工法の違いも重要なポイントです。

  • 密着工法:防水層を下地に全面接着させる。新築向き。下地の動きがそのまま防水層に伝わるため、ひび割れしやすい下地には不向き
  • 絶縁工法(通気工法):防水層と下地の間に通気層(穴あきルーフィング等)を設ける。下地の水蒸気を脱気装置から逃がせるため、改修工事では絶縁工法が基本。既存防水層の湿気が新しい防水層をふくらませる(フクレ)のを防げる

シート防水(合成高分子系)

シート防水は、工場で製造された均一な厚さのシートを現場で貼り付ける工法です。品質が安定しているのが最大のメリットです。

合成ゴム系(加硫ゴムシート)は、柔らかくて伸びが大きいのが特徴。地震で建物が揺れても切れにくい。ただし、紫外線に弱いためトップコートの塗り替えが必要です。接着工法で施工するのが一般的です。

塩化ビニル樹脂系シートは、耐候性(紫外線に強い)・耐薬品性に優れたシート。色のバリエーションも豊富で、露出防水に向いています。機械的固定工法(ディスク等で下地に固定する)との相性が良く、下地が湿っていても施工できるメリットがあります。

実際のビルの屋上で、灰色っぽいシートがディスクで止めてあるのを見かけたら、それが塩ビシートの機械的固定工法です。

塗膜防水(ウレタン・FRP)

ウレタンゴム系塗膜防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作る工法。最大の強みは複雑な形状にも対応できること。配管まわりや出入隅(でいりすみ)が多い場所でもシームレス(継ぎ目なし)に施工できます。マンションのバルコニーの防水に広く使われています。

FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)による防水。硬くて丈夫なので歩行用のバルコニーや屋上駐車場に使われます。戸建住宅のバルコニーではFRP防水が定番です。ただし、伸びが小さいため広い面積には向きません。

防水工事の施工上の注意点

防水工事で特に重要なポイントをまとめます。試験でもよく問われる内容です。

📌 防水工事の重要ポイント

  • 防水層の重ね幅:アスファルト防水のルーフィングの重ね幅は100mm以上が基本
  • 立上り部:防水層は床面だけでなく、壁との取り合い部分(立上り部)まで250mm以上立ち上げる
  • 入隅・出隅:角の部分は応力が集中するため、増貼り(補強貼り)を行う
  • 下地の乾燥:コンクリート下地の含水率は十分に下げてから施工する(高いとフクレの原因)
  • プライマー:防水層と下地の接着力を高めるため、必ず塗布する

現場でよくあるトラブルが「フクレ」です。コンクリート下地が十分に乾燥していない状態で密着工法の防水を施工すると、夏場の日射で下地の水分が蒸発し、防水層が風船のようにふくらんでしまいます。これを防ぐには、含水率をしっかり確認するか、絶縁工法(通気工法)を選択することが大切です。

シーリング工事の基礎知識

シーリング工事は、建物の外壁パネルの目地やサッシまわりの隙間に、弾力性のある充填材(シーリング材)を詰めて水と空気の侵入を防ぐ工事です。

普段何気なく見ているビルの外壁をよく見ると、パネルとパネルの間にゴムのような材料が詰まっている部分がありますよね。あれがシーリング材です。

シーリング材の種類(1成分形・2成分形)

種類 特徴 向いている場所
シリコーン系 耐候性◎・塗装不可 ガラスまわり
変成シリコーン系 塗装可・万能型 外壁目地全般
ポリウレタン系 弾力性◎・紫外線に弱い コンクリート目地
ポリサルファイド系 耐油性◎・表面仕上げ◎ 金属パネル目地

1成分形はカートリッジからそのまま使える手軽なタイプ。小規模な工事や補修向け。2成分形は基剤と硬化剤を混ぜて使うタイプで、大規模な新築工事で使われます。混合比を間違えると硬化不良を起こすので注意が必要です。

試験で超重要なポイント:シリコーン系シーリング材は周囲を汚染する(シリコーンオイルがにじみ出る)ため、上から塗装ができません。塗装仕上げの外壁には変成シリコーン系を使います。これは非常によく出題されます。

シーリング施工の手順フロー

Step 1: 目地の清掃
ゴミ・油分・旧シーリング材を除去
Step 2: バックアップ材orボンドブレーカー設置
3面接着を防止する
Step 3: プライマー塗布
接着力を高める下塗り材(乾燥後に充填)
Step 4: シーリング材充填+ヘラ仕上げ
ガンで充填し、ヘラで表面を均す

シーリング材の施工手順

シーリング工事は以下の手順で行います。

① 目地の清掃
② バックアップ材挿入
③ マスキングテープ
④ プライマー塗布
⑤ シーリング材充填
⑥ ヘラ仕上げ
⑦ テープ除去

なぜ「3面接着」は禁止なのか

シーリング材は目地(めじ)の動きに追従して伸び縮みする必要があります。目地の両側面(2面)だけに接着すれば、シーリング材は横方向に自由に伸縮できます。しかし底面にも接着(3面接着)すると、底面が引っ張りを拘束し、シーリング材が伸びきれずに破断してしまいます。これを防ぐためにボンドブレーカー(底面に貼るテープ)やバックアップ材を使って3面接着を防止します。試験では「3面接着の防止方法」がよく問われます。

バックアップ材とボンドブレーカー(3面接着の防止)

シーリング工事で最も重要な概念が「3面接着の防止」です。

目地にシーリング材を充填するとき、左右の壁面(2面)だけに接着させ、底面には接着させないのが正しい施工です。なぜなら、目地は建物の動き(温度変化による伸縮や地震)で幅が変わります。底面にも接着してしまう(3面接着)と、シーリング材が伸び縮みできずに切れてしまうのです。

  • バックアップ材:丸いひも状の発泡材。目地の底に入れて、目地深さを調整しつつ3面接着を防止する。目地が深い場合に使用
  • ボンドブレーカー:テープ状の材料。目地の底面に貼って3面接着を防止する。目地が浅い場合に使用

現場では、ワーキングジョイント(動きがある目地)には必ずバックアップ材かボンドブレーカーを入れます。これを忘れると早期にシーリングが切れて漏水につながります。

試験で狙われるポイント

🎯 第一次検定の頻出テーマ

  • 密着工法と絶縁工法の違いと使い分け(改修 → 絶縁工法)
  • シリコーン系シーリング材は塗装できない → 塗装仕上げには変成シリコーン系
  • 3面接着の防止(バックアップ材・ボンドブレーカー)
  • アスファルト防水のルーフィングの重ね幅は100mm以上
  • 防水層の立上り高さは250mm以上
  • 2成分形シーリング材の基剤と硬化剤の混合比の重要性
  • プライマーの役割(接着力を高める下塗り材)

特にシーリング材の種類と使い分けは毎年のように出題されます。「【2級建築施工管理技士】第一次検定の出題傾向と攻略法【全50問の分野別対策】」でも解説しているように、仕上げ工事は配点が高い分野です。

試験ではこう出る!ひっかけパターン5選

防水・シーリング工事は工法名の取り違えと施工ルールの数値がひっかけの定番です。

ひっかけパターンと正解

① 「アスファルト防水の改修工事では密着工法が適している」→ ✕

改修工事では絶縁工法(通気工法)が基本。密着工法だと既存下地の湿気でフクレが発生する。

② 「シリコーン系シーリング材は塗装仕上げの外壁に適している」→ ✕

シリコーン系は塗装不可。塗装仕上げには変成シリコーン系を使う。

③ 「ワーキングジョイントでは3面接着が望ましい」→ ✕

3面接着は禁止。底面にも接着するとシーリング材が伸縮できず破断する。バックアップ材やボンドブレーカーで2面接着にする

④ 「ウレタン塗膜防水は広い屋上の防水に最も適している」→ ✕

広い屋上にはアスファルト防水が最適。ウレタン塗膜防水はバルコニーや複雑な形状向き。

⑤ 「防水層の立上り高さは150mm以上確保する」→ ✕

立上り高さは250mm以上。150mmでは不十分。重ね幅100mm以上とセットで覚える。

覚え方のコツ

シーリング材は「シリコーン=塗れない、変成=塗れる」。「変成」の「変」は「変わった」=改良された=塗装もできる万能型、と覚えましょう。

防水層の数値は「重ね100、立上り250」。「百(100)歩ゆずっても、二百五十(250)は立ち上がれ」とイメージすると忘れにくいです。

理解度チェック

ここまでの内容を確認してみましょう。

Q1. アスファルト防水の改修工事で推奨される工法はどれか。
①密着工法 ②絶縁工法(通気工法) ③塗膜工法

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正解:②絶縁工法(通気工法)
改修工事では既存防水層の下に湿気がたまっていることが多いため、脱気装置で水蒸気を逃がせる絶縁工法を採用します。密着工法だとフクレの原因になります。

Q2. シリコーン系シーリング材について正しい記述はどれか。
①上から塗装ができる ②耐候性に優れガラスまわりに適する ③コンクリート目地に最適

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正解:②耐候性に優れガラスまわりに適する
シリコーン系は耐候性に優れますが、周囲を汚染するため塗装はできません(①は誤り)。コンクリート目地にはポリウレタン系が適しています(③は誤り)。

Q3. シーリング工事で3面接着を防止するために目地底に入れる、丸いひも状の発泡材を何というか。

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正解:バックアップ材
目地が深い場合にバックアップ材を挿入し、目地深さの調整と3面接着防止を同時に行います。目地が浅い場合はボンドブレーカー(テープ状)を使用します。

Q4. 塗膜防水のうち、液状の材料を塗って施工し、複雑な形状にも対応できるのはどれか。
①アスファルト防水 ②シート防水 ③ウレタンゴム系塗膜防水

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正解:③ウレタンゴム系塗膜防水
ウレタンゴム系は液状の材料を塗り重ねて防水層を形成するため、配管まわりや出入隅が多い複雑な形状でもシームレスに施工できます。マンションのバルコニーに広く使われています。

まとめ

📝 この記事のポイント

  • 防水工事はアスファルト・シート・塗膜の3種類。それぞれ適した場所が違う
  • 改修工事では絶縁工法(通気工法)を採用してフクレを防止する
  • シーリング材はシリコーン系(塗装不可)変成シリコーン系(塗装可)の違いが超重要
  • 3面接着の防止のため、バックアップ材またはボンドブレーカーを使用する
  • 防水層の重ね幅100mm以上、立上り250mm以上は必ず覚える

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