2級電気工事(第一次)

施工計画(施工計画書・仮設計画・工事届出)をわかりやすく解説【2級電気工事施工管理】

施工計画(施工計画書・仮設計画・工事届出)の要点(30秒でわかる)

  • 施工計画書:工事概要・施工体制・施工方法・工程表・品質管理・安全管理計画を記載
  • 仮設計画:指定仮設(発注者指定→設計変更対象)と任意仮設(施工者自由→対象外)
  • 工事届出:特定建設作業の届出(7日前・市町村長)、労安法の計画届(14日前・労基署)
  • 施工体制台帳:下請契約の総額4,500万円以上→施工体制台帳の作成義務
  • 出題傾向:施工計画書の記載事項、仮設の分類、届出期限が頻出

結論から言います。施工計画は「工事を始める前に、どう進めるかを全部決めておく」ための仕事です。施工計画書の作成、仮設計画、各種届出、施工体制台帳——これらは電気工事の現場監督が最初に取り組む重要な業務であり、試験でも毎回出題される頻出分野です。

特に電気工事では、仮設電源の計画やケーブルルートの検討など電気工事ならではの施工計画があります。この記事で基本をしっかり押さえましょう。第一次検定全体の出題傾向と攻略法もあわせて確認してください。

なぜ施工計画が試験で重視されるのか?

施工計画は工事の最初に作成する「設計図」です。施工計画書が不十分だと、工程の遅れ・品質不良・安全事故のすべてが起きやすくなります。特に電気工事では仮設電源の計画(工事中に使う電力をどう確保するか)が重要で、計画ミスは工事全体のストップに直結します。

施工計画書とは|記載事項と作成のポイント【頻出】

施工計画書は、工事をどのように進めるかを文書にまとめたものです。「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どのように」施工するかを明確にします。

施工計画書に記載する主な項目

項目 内容
工事概要 工事名称・場所・工期・発注者・工事内容
施工体制 現場代理人・主任技術者・下請業者の組織図
工程計画 全体工程表・月間工程表・主要な工程のマイルストーン
施工方法 主要工事の施工手順・使用機材・施工上の留意事項
品質管理計画 品質目標・検査試験の計画・管理基準値
安全管理計画 安全管理体制・安全教育・リスクアセスメント
環境対策 騒音振動対策・産業廃棄物処理計画

施工計画書の作成フロー

施工計画書ができるまで
STEP 1 設計図書・仕様書の読み込み

STEP 2 現場調査(既設設備・搬入経路・電源容量の確認)

STEP 3 施工方法・仮設計画・工程表の検討

STEP 4 品質管理・安全管理・環境対策の計画

STEP 5 施工計画書として文書化 → 発注者に提出

施工計画書のポイント

施工計画書は工事着手前に作成し、発注者(元請の場合は施主、下請の場合は元請)に提出します。工事の途中で施工方法を変更した場合は、変更施工計画書を提出する必要があります。「とりあえず始めてから考える」はNGです。

電気工事の施工計画で特に重要なこと

電気工事ならではの施工計画のポイントを押さえましょう。

  • 仮設電源計画 — 工事中に使用する電源(溶接機・照明・工具用)の容量計算と配電盤の配置
  • ケーブルルートの計画 — 幹線ケーブルの経路・ケーブルラックの配置・他設備との取り合い調整
  • 受変電設備の搬入計画キュービクル等の大型機器は建方後でないと搬入できない場合がある。クレーンの手配も必要
  • 停電計画 — 既存建物の改修工事では、停電時間・範囲を事前に計画し、テナントや施主に通知

現場でのリアルな話

仮設電源は意外とトラブルが多い場面です。工事用電力の容量が足りなくて溶接機が使えない、仮設の分電盤が遠すぎて延長コードだらけになる——こうしたトラブルは施工計画の段階で容量計算と配置計画をきちんとやっていれば防げるのです。照明設備・動力設備の知識も活きるところです。

仮設計画|指定仮設と任意仮設の違い

仮設とは「工事が終わったら撤去するもの」の総称です。仮設事務所、仮囲い、足場、仮設トイレ、仮設電源——これらすべてが仮設に該当します。

仮設の分類

分類 内容
共通仮設 全工事に共通する仮設。仮設事務所・仮囲い・仮設トイレ・仮設道路など
直接仮設 各工事に直接必要な仮設。足場・型枠支保工・仮設電源など

仮設計画の重要ポイント

  • 仮囲い — 工事現場と外部を隔てるフェンス。高さ1.8m以上が原則。地盤面からの高さで測定する
  • 足場 — 高所作業に使用。枠組足場・単管足場・くさび緊結式足場などの種類がある。安全管理でも詳しく解説
  • 仮設電源 — 電力会社から仮設引込みを行い、仮設分電盤を設置。漏電遮断器は必須
  • 仮設照明 — 暗所での作業を安全に行うため。トンネル内や地下階では特に重要

試験で狙われるポイント

「仮設計画は施工者(請負者)の責任で立てる」という点がよく問われます。発注者が仮設の方法を指定することは原則としてなく、施工者が自らの経験と技術力で最適な仮設方法を計画します。これを任意仮設といいます。ただし、発注者が特に指定する場合は指定仮設と呼ばれます。

工事届出|届出先と期限の一覧【暗記必須】

工事を始める前に、法令で定められた届出をしなければなりません。届出先と届出内容を整理しましょう。関連する法規は法規①(建設業法・労働安全衛生法)法規②(電気事業法・電気工事士法)でも解説しています。

主な届出一覧

届出名 届出先・内容
建設工事計画届 労働基準監督署に届出。高さ31m超の建物の建設・解体、足場の高さ10m以上など。工事開始日の14日前まで
特定元方事業者の届出 労働基準監督署に届出。元請が特定元方事業者として安全衛生管理を行うことの届出
道路使用許可 所轄警察署に申請。クレーン作業・資材搬入で道路を使用する場合
消防届出 消防署に届出。火災報知設備やスプリンクラーの着工届・設置届
保安規程の届出 経済産業大臣(産業保安監督部)に届出。自家用電気工作物を設置する場合

届出の期限を間違えやすい!

建設工事計画届の「14日前」は頻出です。「30日前」や「7日前」と混同するひっかけ問題が出ます。建築確認申請(建築基準法)は工事着手前でOKですが、建設工事計画届(労働安全衛生法)は明確に14日前と決まっています。

電気工事で特に重要な届出

電気工事では自家用電気工作物受変電設備など)を設置する場合、電気事業法に基づいて保安規程の届出電気主任技術者の選任届出が必要です。これは工事を行う施工者ではなく、設置者(建物のオーナー)が届け出る点がポイントです。

施工体制台帳と施工体系図|4,500万円基準

施工体制台帳

施工体制台帳は、元請が作成する書類で、下請を含めた施工体制の全体像を記録するものです。建設業法の規定に基づく重要な書類です。

建設業法第24条の8の規定により、特定建設業者が発注者から直接請け負った工事で下請契約の総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の場合、作成が義務付けられています。

施工体制台帳に記載する主な内容は以下の通りです。

  • 元請・下請の商号・名称
  • 建設業の許可番号
  • 主任技術者・監理技術者の氏名と資格
  • 下請契約の請負金額・工事内容・工期
  • 健康保険等の加入状況

施工体系図

施工体系図は、施工体制台帳の内容を図にしたものです。どの会社がどの工事を担当しているか、一目で分かるようにします。

施工体制台帳と施工体系図の違い

施工体制台帳は元請の事務所に備え置く書類。施工体系図は現場の見やすい場所に掲示する図です。「台帳=事務所」「体系図=現場に掲示」と覚えましょう。公共工事では下請金額に関わらず、全ての工事で作成が必要です。

電気工事における施工体制の例

電気工事の施工体制(例)

元請:〇〇電気工事(株)(監理技術者を配置)

一次下請A社
幹線ケーブル工事
主任技術者を配置
一次下請B社
照明・コンセント工事
主任技術者を配置
一次下請C社
火災報知設備工事
主任技術者を配置

4資格共通!施工計画の頻出知識

施工計画は全ての施工管理技士の試験で出題されます。電気工事以外の施工計画の記事も参考にすると理解が深まります。

特に安全管理計画品質管理計画は全資格で共通する知識です。品質管理安全管理の記事もあわせて読んでおきましょう。

よくある質問と試験のひっかけポイント

Q. 電気工事の施工計画で特に重要なことは?

A. 停電作業の計画が最重要。既設建物の改修工事では停電範囲・時間を最小限にする計画が求められます。また、仮設電源の確保(他工種の動力用電源)も電気工事特有の重要事項です。

Q. 施工体制台帳は全ての工事で必要?

A. いいえ。下請契約の総額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)の場合に作成義務があります。特定建設業の元請のみが対象です。

Q. 届出の期限「7日前」と「14日前」の使い分けは?

A. 7日前:特定建設作業(騒音・振動)の届出→市町村長。14日前:労安法の計画届(足場・型枠等)→労基署長。この混同を狙うひっかけが頻出です。

試験でこう出る!出題パターン

  • パターン1:施工計画書の記載事項の正誤問題
  • パターン2:指定仮設と任意仮設の設計変更の扱い
  • パターン3:届出先と届出期限の組み合わせ
  • パターン4:施工体制台帳の作成義務基準

暗記のコツ

項目 ポイント
指定仮設 発注者指定→設計変更対象
任意仮設 施工者自由→原則変更対象外
騒音・振動届出 7日前→市町村長
計画届 14日前→労基署長
施工体制台帳 下請4,500万円以上→作成義務

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解説記事の内容がそのまま出題されるので復習に最適です。

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理解度チェック

学んだ内容を確認しましょう。4択から正解を選んでください。

【問1】施工計画書に関する記述として、正しいものはどれか。

(1)施工計画書は工事完了後に作成すればよい
(2)施工計画書は工事着手前に作成する
(3)施工計画書は発注者が作成して施工者に渡す
(4)施工方法の変更があっても施工計画書の更新は不要

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正解:(2)施工計画書は工事着手前に作成する
施工計画書は「工事をどう進めるか」を事前に決めるための書類です。施工方法の変更があれば変更施工計画書を提出する必要があります。

【問2】建設工事計画届の届出先と届出期限として、正しいものはどれか。

(1)消防署に工事開始日の7日前まで
(2)労働基準監督署に工事開始日の14日前まで
(3)都道府県知事に工事開始日の30日前まで
(4)警察署に工事開始日の14日前まで

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正解:(2)労働基準監督署に工事開始日の14日前まで
建設工事計画届は労働安全衛生法に基づき、労働基準監督署に工事開始日の14日前までに届け出ます。

【問3】施工体系図に関する記述として、正しいものはどれか。

(1)施工体系図は元請の事務所に備え置く書類である
(2)施工体系図は現場の見やすい場所に掲示する
(3)施工体系図の作成は任意であり義務ではない
(4)施工体系図には請負金額を記載しなくてよい

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正解:(2)施工体系図は現場の見やすい場所に掲示する
施工体制台帳が事務所に備え置くもの。施工体系図は現場に掲示して、誰でも施工体制を確認できるようにします。

【問4】自家用電気工作物の保安規程に関する記述として、正しいものはどれか。

(1)保安規程は電気工事を行う施工者が届け出る
(2)保安規程は電気工事完了後に届け出ればよい
(3)保安規程は自家用電気工作物の設置者が届け出る
(4)保安規程の届出先は労働基準監督署である

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正解:(3)保安規程は自家用電気工作物の設置者が届け出る
保安規程は電気事業法に基づき、設置者(建物のオーナー)が経済産業大臣(産業保安監督部)に届け出ます。施工者ではありません。

まとめ|施工計画の基本ルールと届出期限を暗記

この記事のポイント

  • 施工計画書は工事着手前に作成。変更があれば変更施工計画書を提出
  • 電気工事では仮設電源計画・ケーブルルート・停電計画が特に重要
  • 仮設計画は施工者の責任で立てる(任意仮設)
  • 工事届出は届出先と期限をセットで覚える(建設工事計画届→労基署→14日前)
  • 施工体制台帳は事務所に備え置く、施工体系図は現場に掲示

次は工程管理(バーチャート・ネットワーク工程表)に進みましょう。独学の勉強法・学習スケジュールで全体の学習計画も確認しておくと効率的です。

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