1級土木(第一次)

1級土木 海岸・港湾(防波堤・ケーソン・消波工)【第一次検定の科目別解説】

海岸・港湾のポイント(30秒で押さえる)

  • ケーソン式:RC製の箱形構造物を浮かべて据付け。大水深の岸壁に適する
  • 消波ブロック:テトラポッド等で波のエネルギーを減衰させる。据付けは乱積みが一般的
  • 防波堤:直立式(ケーソン)・傾斜式(捨石)・混成式の3種類
  • 出題頻度:2〜3問。実務経験がないと難しいが、パターンは限定的

防波堤の種類

種類 構造 特徴
直立式(直立堤) ケーソンを基礎マウンドの上に据え付け 大水深に適する。反射波が大きい
傾斜式(傾斜堤) 捨石を傾斜面状に積み上げ 浅い水深に適する。反射波が小さい。消波効果が高い
混成式(混成堤) 捨石マウンドの上にケーソンを据え付け 最も多く採用される。直立式と傾斜式の長所を組み合わせ

ケーソンの施工

ケーソンの製作と据付け

施工手順(頻出)

  1. ケーソンの製作:ドライドックまたはフローティングドックでRC製ケーソンを製作
  2. 進水・えい航:ケーソンをドックから浮かべ、タグボートで施工場所までえい航
  3. 注水・据付け:ケーソンのセル(隔壁内の区画)に注水して沈設し、基礎マウンド上に据え付け
  4. 中詰め:ケーソン内部に砂を中詰めして安定させる
  5. 蓋コンクリート:ケーソン上部に蓋コンクリートを打設
  6. 上部工:ケーソン上部にコンクリートの上部工を構築

基礎マウンド

  • 材料:捨石(割栗石・砕石)を水中投入して築造
  • 天端の均し:潜水士またはレベリング装置で基礎マウンドの天端を平坦に均す
  • 均し精度:ケーソン据付け面の天端高さの許容誤差は±5cm程度
  • 基礎マウンドの沈下量を事前に見込んで高めに築造する

消波工

消波ブロックの種類と据付け

  • テトラポッド:最も一般的な消波ブロック。4本脚で高い消波効果
  • 据付け方式乱積み(ランダムに配置)が一般的。規則的に積む整積みもある
  • ブロックの所定の被覆厚さを確保し、かみ合わせが良くなるよう配置する
  • 据付けにはクレーン船(起重機船)を使用。波浪条件の良い時期に施工

岸壁の種類

形式 構造 適用
重力式(ケーソン式) ケーソンの自重で土圧に抵抗 大水深の大型岸壁
矢板式 鋼矢板を打ち込みタイロッドで控え工に固定 中〜小規模の岸壁
桟橋式 杭を打ち込み上部に床版を構築 軟弱地盤・大水深

まとめ

この記事のポイント

  • 防波堤:直立式・傾斜式・混成式(最も多く採用)の3種類
  • ケーソン:製作→えい航→注水据付け→中詰め→蓋コン→上部工
  • 基礎マウンドの天端均し精度は±5cm程度
  • 消波ブロックは乱積みが一般的。クレーン船で据付け

試験で問われやすい判断軸

海岸・港湾は、構造名を丸暗記するだけでは得点しにくい分野です。第一次検定では「どの構造が、どの水深・地盤・波浪条件に向くか」「施工手順の順番が正しいか」「安全上どこを管理するか」が問われやすいため、用途と施工順序をセットで整理します。

判断軸 見るポイント
水深 大水深ではケーソン式・桟橋式、小規模では矢板式など、形式の向き不向きを確認する。
波浪条件 防波堤・消波工は、反射波を抑えるのか、波力を受け止めるのかを区別する。
施工順序 基礎マウンド、天端均し、ケーソン据付け、中詰め、上部工の順番を崩さない。
出来形管理 据付け位置、高さ、沈下、傾斜、被覆厚さなど、水中で確認しにくい項目を重点的に見る。

防波堤・ケーソンで混同しやすいポイント

暗記ではなく対比で覚える

  • 直立式は波を受け止める構造で、反射波が大きくなりやすい。
  • 傾斜式は捨石などで波のエネルギーを減衰させるため、消波効果を説明しやすい。
  • 混成式は捨石マウンドとケーソンを組み合わせるため、施工順序の問題で狙われやすい。
  • ケーソンは「製作してから浮かべて運び、注水して据え付ける」流れを押さえる。

現場イメージで覚える施工順序

ケーソン工は、陸上で完結する工事と違い、水中作業、えい航、据付け、潜水作業を含みます。試験では細かい数値よりも、作業の前後関係を誤った選択肢として出されることがあります。

  1. 基礎捨石を投入し、マウンドを形成する。
  2. 潜水士や均し装置で天端を整え、据付け面を確保する。
  3. ドック等で製作したケーソンをえい航し、所定位置へ誘導する。
  4. ケーソン内に注水して沈設し、位置と高さを確認する。
  5. 中詰め、蓋コンクリート、上部工を施工して安定性を高める。

公式情報とあわせて確認すること

当サイトの科目別解説は学習補助用です。試験制度、受験資格、日程、出題範囲の最終確認は、1級土木施工管理技士の試験実施機関である 一般財団法人 全国建設研修センター の公式情報を確認してください。

次に復習する分野

よくある質問

Q. 海岸・港湾は捨ててもよい分野ですか?

A. 専門土木の選択戦略次第です。道路・土工・コンクリートなどで十分得点できる場合は優先度を下げられますが、ケーソンや防波堤はパターン化しやすいので、基本だけ押さえる価値があります。

Q. 消波ブロックの商品名まで覚える必要がありますか?

A. 名称そのものより、波のエネルギーを減衰させる目的、被覆厚さ、据付け方法、施工時の波浪条件を理解することを優先してください。

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