1級建築(第二次) ミニテスト

1級建築 仮設計画・安全管理 練習問題②【無料・模範解答付き】

1級建築施工管理技士 仮設計画・安全管理 ミニテスト 第2回

第2回では揚重機計画と墜落防止対策をテーマに記述練習を行います。タワークレーン・移動式クレーンの計画、開口部やフルハーネスに関する安全対策を記述しましょう。

仮設計画・安全管理の記述対策」を復習してから挑戦しましょう。

テスト情報

形式:記述式(模範解答付き)

問題数:3問(揚重機計画+開口部の墜落防止+フルハーネス)

テーマ:揚重機計画・墜落防止対策

目標時間:30分

問題1:揚重機の選定と配置計画

【問題】

S造10階建の事務所ビル新築工事において、鉄骨建方にタワークレーン(クライミングクレーン)を使用する計画とした。クレーンの設置計画における留意事項を2つ挙げ、それぞれの理由を記述しなさい。

揚重機計画の記述ポイント

  • クレーンの作業半径と定格荷重の関係を理解する(作業半径が大きいほど吊れる重量は小さくなる)
  • つり上げ荷重3t以上のクレーンは労働基準監督署への設置届が必要
  • クレーンの旋回範囲・揚程・設置位置は建物の平面形状と最大部材重量から決定
  • 解体計画(施工完了後のクレーン解体方法)も含めて計画する
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【模範解答例】

留意事項1:作業半径と定格荷重の検討

建物の平面形状から最遠部までの作業半径を算出し、その距離で最も重い鉄骨部材(柱・大梁等)を吊り上げられる定格荷重を有するクレーンを選定する。クレーンは作業半径が大きくなるほど定格荷重が低下するため、最大作業半径における定格荷重が最重量部材の重量+吊り具の重量を上回ることを確認する。定格荷重を超えて使用すると、クレーンの転倒事故に直結し重大災害を招く。

留意事項2:クレーン設置位置と解体計画

タワークレーンの設置位置は、建物の平面中央付近で最遠部への作業半径を最小化できる位置を選定する。同時に、鉄骨建方完了後のクレーン解体方法(移動式クレーンによる解体手順)を計画段階から検討する。解体に使用する移動式クレーンの進入路・設置スペースの確保が必要であり、建物完成後に解体困難とならないよう、施工完了までの一連の工程を見通した配置とする。つり上げ荷重3t以上のクレーンは、設置の30日前までに労働基準監督署への届出が必要である。

問題2:開口部の墜落防止対策

【問題】

RC造の建築工事において、各階の床に設けられた設備配管用の開口部(1.0m×1.5m)に対する墜落防止対策を2つ挙げ、それぞれの理由を記述しなさい。

開口部の墜落防止に関する要点

  • 開口部の養生は手すりの2段階で考える
  • 蓋は「開口部注意」の表示を付け、容易に動かないよう固定する
  • 手すりは開口端部から85cm以上の高さに設置
  • 安全ネットを開口部の下に設置する対策も有効
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【模範解答例】

墜落防止対策1:開口部蓋の設置と固定

開口部に合板蓋(厚さ12mm以上の構造用合板)を設置し、作業員の体重や工具の荷重に耐える強度を確保する。蓋が容易に動かないよう番線や釘で固定し、蓋の上面に「開口部注意」の表示を目立つ色(黄色や赤色)で記載する。蓋の固定が不十分だと、作業員が蓋の上を通過した際に蓋がずれて開口部に墜落する災害が発生する。特に夜間作業や照明の不十分な場所では、開口部の存在に気付かないまま墜落する事例が多い。

墜落防止対策2:開口部周囲への手すりの設置

配管作業等で蓋を外す時間帯がある場合、開口部の周囲に高さ85cm以上の手すり中さん(高さ35〜50cm)を設置する。さらに開口部の下方に安全ネットを張り、万一墜落した場合でも受け止められるよう二重の安全対策とする。手すりだけでは資材搬入時に一時的に外されることがあるため、安全ネットを下方に常設しておくことでフェイルセーフを確保する。

問題3:フルハーネス型墜落制止用器具の使用

【問題】

高さ8mの鉄骨建方作業において、フルハーネス型墜落制止用器具の使用に関する留意事項を2つ挙げ、それぞれの理由を記述しなさい。

フルハーネスに関する法令知識

  • 2019年の法改正で、高さ6.75m超(建設業は5m超)ではフルハーネス型が原則
  • 胴ベルト型は墜落時に内臓圧迫のリスクがあり、フルハーネス型の方が荷重を分散して安全
  • 特別教育(フルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業に係る特別教育)の受講が必要
  • ショックアブソーバーの種別:第1種(自由落下距離1.8m)と第2種(自由落下距離4m)
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【模範解答例】

留意事項1:適切なショックアブソーバーの種別選定

フルハーネス型にはショックアブソーバーの種別として第1種(自由落下距離1.8m以下)と第2種(自由落下距離4m以下)がある。鉄骨建方作業では作業床と足元のフック取付け位置の高低差を考慮し、適切な種別を選定する。ランヤードのフック取付け位置が腰より高い位置にある場合は第1種、足元付近にしか取付け点がない場合は第2種を使用する。種別を誤ると、墜落時の落下距離が地面に到達してしまい、制止用器具の効果を発揮できない。

留意事項2:特別教育の実施と使用方法の訓練

フルハーネス型墜落制止用器具を使用する作業員に対し、作業開始前に特別教育(学科4.5時間+実技1.5時間)を修了させる。フルハーネスは胴ベルト型と装着方法が異なり、装着が不適切だと墜落時にすり抜けや身体の拘束不良が生じる。ベルトの締め付け具合・D環の位置(背中上部)・ランヤードの接続方法を実地で訓練し、毎朝の安全確認で装着状態の相互チェックを行う体制とする。

自己採点のポイント

  • 揚重機:作業半径と定格荷重の関係、設置届(3t以上)、解体計画への言及があるか?
  • 開口部:蓋の固定方法と手すりの寸法、二重安全対策(手すり+安全ネット)の考え方があるか?
  • フルハーネス:ショックアブソーバーの種別と特別教育の要件が正確か?
  • 理由の深さ:「なぜその対策が必要か」を災害事例や法的根拠と結び付けて書けているか?

揚重機・墜落防止の記述で得点アップするコツ

  • クレーンの数値を正確に — 設置届「30日前」、つり上げ荷重「3t以上」。数値の正確さは法的理解の証明
  • 開口部は二重対策で書く — 蓋だけ・手すりだけでは不十分。「蓋+手すり」「手すり+安全ネット」のように多重防護の考え方を示す
  • フルハーネスは最新の法改正を反映 — 2019年改正で「安全帯」から「墜落制止用器具」に名称変更。建設業は5m超でフルハーネスが原則。最新の知識が問われる
  • 「フェイルセーフ」の概念 — 一つの対策が機能しなくても別の対策で安全を確保する。この考え方を記述に盛り込むと高評価

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