1級建築(第一次)

1級建築 施工計画・工程管理【第一次検定の科目別解説】

施工計画・工程管理のポイント(30秒で押さえる)

  • 施工計画書:工事全体の計画を記載。総合施工計画書と工種別施工計画書がある
  • バーチャート:横軸に日数、縦軸に工種。作成が簡単だがクリティカルパスが不明
  • ネットワーク工程表:作業の関連性とクリティカルパスが明確。1級では計算問題が頻出
  • クリティカルパス:最も日数がかかる経路。これが遅れると工期全体が延びる
  • 出題頻度:毎年1〜2問。ネットワーク工程表の読み取り計算が定番

施工計画と工程管理は施工管理法の中核をなす分野です。1級ではネットワーク工程表の計算問題が毎年のように出題されます。

施工計画

施工計画書の種類

種類 内容
総合施工計画書 工事全体の方針・組織体制・工程・安全衛生計画など。着工前に作成
工種別施工計画書 各工種ごとの施工方法・品質管理・安全対策の詳細。該当工種の着手前に作成

施工計画の検討事項

  • 仮設計画:足場・仮囲い・クレーン・揚重機の配置計画
  • 工程計画:全体工程・月間工程・週間工程の作成
  • 品質計画:品質目標・検査計画・試験計画
  • 安全衛生計画:安全管理体制・災害防止対策
  • 環境対策:騒音・振動・粉じん・排水の対策

工程表の種類

種類 メリット デメリット
バーチャート 作成が簡単。各工種の開始・終了時期が一目でわかる 作業間の関連性が不明。クリティカルパスがわからない
ネットワーク工程表 作業の順序関係が明確。クリティカルパスが判明。工期短縮の検討が容易 作成に手間がかかる。読解にはCPM/PERTの知識が必要
ガントチャート(出来高曲線併用) 工事進捗の出来高(予定vs実績)を視覚化できる 作業間の関連性が不明

ネットワーク工程表の読み方(1級必須)

基本用語

ネットワーク工程表の用語

  • アクティビティ(→):矢線で表す作業。矢線の上に作業名、下に所要日数を記入
  • イベント(○):作業の開始点・終了点を表す結合点
  • ダミー(- - →):作業の順序関係だけを示す架空の作業。所要日数は0
  • 最早開始時刻(EST):そのイベントに最も早く到達できる時刻
  • 最遅完了時刻(LFT):工期に遅れないためのギリギリの完了時刻
  • トータルフロート(TF):作業の余裕日数。TF = LFT − EST − 所要日数
  • クリティカルパス:TFが0のアクティビティを結んだ経路。最長の経路であり、これが工期を決める

例題:クリティカルパスの求め方

A(3日)→C(5日)→E(2日)=10日
A(3日)→D(4日)→E(2日)=9日
B(2日)→D(4日)→E(2日)=8日

最長の経路はA→C→E(10日)。これがクリティカルパスであり、工期は10日です。

コツ:全ての経路の所要日数を計算し、最も長い経路がクリティカルパス。クリティカルパス上の作業が1日遅れると工期も1日延びます。

工程の短縮方法

  • クリティカルパス上の作業を短縮する(資源の追加投入、工法の変更など)
  • クリティカルパス以外の作業を短縮しても工期は短縮されない
  • 短縮によりクリティカルパスが変わることがある(別の経路が最長になる)

よくある間違い・ひっかけポイント

ひっかけ1: バーチャートとクリティカルパス

「バーチャートでクリティカルパスを把握できる」→ 不正解。バーチャートは作業間の関連性を表さないため、クリティカルパスの把握にはネットワーク工程表が必要です。

ひっかけ2: フロートのある作業の短縮

「フロートのある作業を短縮して工期を短縮した」→ 不正解。フロートのある作業はクリティカルパスの外にあるため、短縮しても工期は変わりません。工期短縮にはクリティカルパス上の作業の短縮が必要です。

理解度チェック

【問題1】工程表に関する記述として、正しいものはどれですか?

(1)バーチャートは作業間の相互関係を明確に把握できる
(2)ネットワーク工程表ではクリティカルパスが明確になる
(3)ダミーは所要日数のある実際の作業である
(4)トータルフロートが大きい作業がクリティカルパスとなる

解答を見る

正解:(2)ネットワーク工程表ではクリティカルパスが明確になる
(1)バーチャートは作業間の関係が不明。(3)ダミーは所要日数0の架空の作業。(4)TFが0の作業がクリティカルパス。

【問題2】ネットワーク工程表において、クリティカルパス上にない作業を3日短縮した場合、工期はどうなりますか?

(1)3日短縮される (2)1日短縮される (3)変わらない (4)3日延びる

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正解:(3)変わらない
工期を決定しているのはクリティカルパスです。クリティカルパス上にない作業を短縮しても、工期は変わりません。工期短縮にはクリティカルパス上の作業を短縮する必要があります。

【問題3】施工計画に関する記述として、正しいものはどれですか?

(1)総合施工計画書は各工種の着手時に作成する
(2)工種別施工計画書は着工前に全工種分をまとめて作成する
(3)施工計画書には品質計画・安全衛生計画を含める
(4)仮設計画は施工計画書に含めない

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正解:(3)施工計画書には品質計画・安全衛生計画を含める
施工計画書は品質・安全・環境等を含む総合的な計画書です。(1)総合施工計画書は着工前に作成。(2)工種別は該当工種の着手前に作成。(4)仮設計画も含めます。

まとめ

この記事のポイント

  • バーチャート:作成簡単だがクリティカルパス不明。ネットワーク:CP明確で工期管理に適する
  • クリティカルパス:最長経路。TF=0の作業を結んだ経路。これが工期を決める
  • 工期短縮:CP上の作業を短縮する。CP外の作業を短縮しても工期は変わらない
  • ダミー:所要日数0。順序関係のみを示す架空の作業

1級建築 第一次検定の科目別対策

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