電気設備の施工②(機器据付・試験調整)の記述対策(30秒でわかる)
- 分電盤据付:壁面垂直、床上1.5m程度、扉の開閉スペース確保
- 照明器具:天井補強(直付け型)、吊りボルトの固定、ダウンライトの断熱材離隔
- 受変電設備:基礎のレベル確認、防振対策、保守スペースの確保
- 試験・検査:絶縁抵抗→接地抵抗→導通→耐圧の順序。竣工時の必須検査
- 出題傾向:機器据付の留意事項と試験手順の記述問題が定番
機器据付・試験調整|実務に近い出題で得点しやすい
結論から言います。機器据付と試験・検査は、実務経験があれば書きやすく、得点源にしやすいテーマです。
第二次検定の問題2〜3では、配線工事・接地工事に加えて、分電盤の据付や照明器具の取付、絶縁抵抗測定などの「機器据付・試験調整」も頻出テーマです。現場で日常的に行っている作業が多いので、実務経験を活かした記述がしやすいのが特徴です。
この記事では、機器据付と試験・検査の施工上の留意事項を、記述式で使えるレベルで詳しく解説します。第二次検定全体の出題傾向もあわせて確認してください。配線工事・接地工事は施工①で解説しています。
なぜ機器据付・試験調整の記述が出題されるのか?
受変電設備のキュービクル据付、分電盤の設置、そして竣工前の試験調整(絶縁抵抗測定・接地抵抗測定・保護継電器試験)は電気工事の最終段階であり、ここの品質が建物の安全性を決定します。「据付の留意事項」「試験調整の手順と判定基準」を具体的な数値で書けるかが問われます。
機器据付の出題範囲|分電盤・照明・受変電設備
第二次検定で出題される機器据付は、主に以下の3分野です。
| 機器の種類 | 出題頻度 |
|---|---|
| 分電盤・配電盤の据付 | 非常に高い |
| 照明器具の取付 | 高い |
| 受変電設備の据付 | 中程度 |
水平・垂直の精度確認、アンカーボルト固定
相順(R-S-T)の確認、締付トルク管理
保護継電器の動作試験・照度測定
分電盤・配電盤の据付留意事項【頻出】
分電盤とは、幹線から受けた電力を分岐ブレーカーで各回路に分配する盤です。配電盤は、受変電設備からの電力を各分電盤に分配する盤で、分電盤より上位に位置します。
記述で使える留意事項
① 取付位置・高さ
分電盤は、点検や操作がしやすい場所に設置する。取付高さは、盤の中心が床面から1.4m〜1.5m程度とするのが一般的である。湿気の多い場所や直射日光が当たる場所は避ける。
② 壁面への固定
分電盤は、壁面にアンカーボルトで確実に固定する。コンクリート壁の場合は、あと施工アンカーを使用する。地震時の転倒・落下を防止するため、4点以上で固定するのが基本である。
③ 盤の水平・垂直
分電盤は、水準器(水平器)を用いて水平・垂直を確認して取り付ける。傾いた状態で設置すると、扉の開閉に支障が出るだけでなく、内部のブレーカーの動作にも悪影響を及ぼす可能性がある。
④ 接地の確保
分電盤の金属製外箱には、D種接地工事(接地抵抗100Ω以下)を施す。接地線は盤内の接地端子に確実に接続し、ネジの緩みがないことを確認する。
照明器具の取付留意事項|天井補強と離隔距離
照明器具は、種類や取付場所によって施工方法が異なります。照明設備・動力設備の知識が基礎になります。特に天井への取付方法が出題されやすいポイントです。
記述で使える留意事項
① 天井直付け照明の固定
天井に直付けする照明器具は、天井のスラブまたは梁からボルトで吊り下げた金具(チャンネル等)に固定する。軽量鉄骨下地(LGS)の野縁に直接固定してはならない。野縁は照明器具の荷重に耐えられないためである。
② 引掛シーリングの取付
引掛シーリング(天井に取り付けるコンセント状の器具)は、5kg以上の照明器具には使用しない。5kg以上の器具は、専用の補強材やボルト吊りで固定する必要がある。
③ 埋込型器具の開口
天井埋込型のダウンライトやスクエアライトは、天井ボードに所定の開口寸法で穴を開けて取り付ける。開口寸法は器具のカタログに記載された値を厳守する。開口が大きすぎると脱落の原因になる。
受変電設備の据付留意事項|搬入・防振・保守スペース
受変電設備とは、電力会社から受電した高圧(6,600V)の電気を、低圧(200V・100V)に変圧する設備です。キュービクル式(金属箱に収めたもの)が一般的です。
記述で使える留意事項
① 基礎の施工
キュービクルは、コンクリート基礎の上にアンカーボルトで固定する。基礎の高さは床面から150mm以上とし、ケーブルの引込みスペースを確保する。基礎の天端は水平に仕上げる。
② 保有距離の確保
キュービクルの周囲には、点検・操作のための保有距離を確保する。操作面(扉のある面)は1m以上、点検面は0.6m以上が必要である。壁との間に十分なスペースがないと、日常の保守点検ができなくなる。
③ 接地工事
キュービクルの金属製外箱にはA種接地工事(接地抵抗10Ω以下)を施す。接地線の太さは直径2.6mm以上(断面積5.5mm²以上)とする。高圧機器であるため、低圧機器のD種接地よりも厳しい基準が適用される。
試験・検査の手順と留意事項|絶縁→接地→導通→耐圧【頻出】
電気工事の完了後には、各種の試験・検査を実施して、施工品質を確認します。第二次検定でも頻出のテーマです。
絶縁抵抗測定
絶縁抵抗測定とは、電線と大地の間、または電線相互間の絶縁状態を確認する試験です。絶縁抵抗計(メガー)を使用します。
測定手順と留意事項
① 測定前にすべてのブレーカーを開路(OFF)にし、負荷(照明器具・コンセント等)をすべて外す。
② 絶縁抵抗計のリード線を、電路と大地間に接続して測定する。
③ 低圧回路の絶縁抵抗の規定値は以下のとおり。
| 電路の使用電圧 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|
| 300V以下(対地電圧150V以下) | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下(対地電圧150V超) | 0.2MΩ以上 |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ以上 |
接地抵抗測定
接地抵抗測定とは、接地極と大地との間の電気抵抗を測定する試験です。接地抵抗計(アーステスタ)を使用します。
測定手順と留意事項
① 接地抵抗計には3つの端子(E・P・C)があり、Eに被測定接地極、P(電圧補助極)とC(電流補助極)にそれぞれ補助接地棒を接続する。
② 補助接地棒は、被測定接地極から10m以上離して一直線上に打ち込む。
③ 測定結果が規定値(A種:10Ω以下、D種:100Ω以下等)を超える場合は、接地極を追加打ちするなどの改善が必要。
導通試験
導通試験とは、電線が正しく接続されているか(断線していないか)を確認する試験です。テスタ(回路計)を使用します。
留意事項
導通試験は、配線がすべて完了し、かつ通電前に実施する。テスタの抵抗レンジで回路の導通を確認し、各回路の行き先が正しいか(誤結線がないか)を確認する。
竣工検査のポイント
竣工検査は、工事全体の完了を確認する最終検査です。以下の項目を確認します。
- 外観検査:配線・配管の施工状態、盤の取付状態、器具の取付状態を目視で確認
- 絶縁抵抗測定:全回路の絶縁抵抗が規定値以上であることを確認
- 接地抵抗測定:全接地極の接地抵抗が規定値以下であることを確認
- 動作試験:照明器具の点灯、コンセントの通電、ブレーカーの動作を確認
- 書類確認:竣工図、試験成績書、機器のカタログ等が揃っていることを確認
よくある質問と記述のポイント
Q. 試験・検査の順序は覚える必要がある?
A. はい、必須です。「絶縁抵抗→接地抵抗→導通→耐圧→点灯」の順序が基本。特に絶縁抵抗測定は通電前の最重要検査であり、これを行わずに通電すると感電や火災のリスクがあります。
Q. 分電盤据付で最も注意すべきことは?
A. 取付高さ(床上1.5m程度)と扉の開閉スペースの確保。メンテナンス時にブレーカーの操作や配線作業ができるよう、前面に最低60cm以上のスペースが必要です。
Q. 記述でどこまで詳しく書けばいい?
A. 「何を(対象)・なぜ(理由)・どのように(方法)」の3点を簡潔に書けばOK。例:「分電盤の据付では、操作・点検のために前面60cm以上のスペースを確保した」。
合格答案 vs 不合格答案|機器据付の記述比較
合格パターン
- 「分電盤は床面から1.5mの高さに据付け、前面に60cm以上の保守スペースを確保した」
- 「受変電設備の基礎は水平レベルを±2mm以内に調整し、防振ゴムを設置した」
→具体的な数値+方法が明確
不合格パターン
- 「分電盤をきちんと取り付けた」
- 「基礎を水平にした」
→数値なし・方法が不明確
独学の壁:据付の記述は「数値の入れ方」で大きく差がつく
添削サービスで客観的なフィードバックを受けることが合格への近道です。
理解度チェック
【問1】分電盤を壁面に固定する際の基本として、最も適切なものはどれか。
(1)両面テープで固定する
(2)アンカーボルトで4点以上固定する
(3)紐で壁面に吊り下げる
(4)分電盤自体の重さで固定する
【問2】絶縁抵抗測定に関する記述として、正しいものはどれか。
(1)通電状態で測定する
(2)ブレーカーを開路し負荷を外してから測定する
(3)テスタ(回路計)で測定する
(4)接地抵抗計で測定する
独学の最大の壁:「記述の表現力」
機器据付・試験調整の知識があっても、記述式では「正確な表現」が求められます。プロの添削付き通信講座で弱点を特定しましょう。
※ 通信講座の比較はおすすめテキスト・参考書で紹介しています。
関連記事
第一次検定の関連知識も復習しておきましょう:品質管理 / 安全管理 / 工程管理
まとめ|据付の留意事項と検査手順を記述できるようにする
この記事のポイント
- 分電盤:取付高さ・アンカーボルト固定・水平垂直の確認・D種接地
- 照明器具:スラブからのボルト吊り・引掛シーリングの荷重制限(5kg)・開口寸法の厳守
- 受変電設備:コンクリート基礎(150mm以上)・保有距離(操作面1m以上)・A種接地
- 絶縁抵抗測定:ブレーカー開路→負荷外し→メガーで測定→規定値確認
- 接地抵抗測定:3端子法(E・P・C)・補助極は10m以上離す
- 記述は「何をするか」+「なぜそうするか」をセットで書く
機器据付と試験調整は、日頃の現場作業と直結するテーマです。普段の仕事を思い出しながら、記述に使えるキーワードを整理しておきましょう。次はネットワーク工程表の記述計算問題対策に進みましょう。独学の勉強法で学習計画も確認できます。
記述力を鍛えるには添削が効果的
電気設備の施工の知識をミニテストで確認しましょう。
本番形式で力試しするなら模擬試験もどうぞ。