2級電気工事(第二次)

【2級電気工事】ネットワーク工程表の記述計算問題対策|第二次検定

ネットワーク工程表の記述計算問題対策(30秒でわかる)

  • 出題形式:ネットワーク図からCP・工期・フロートを求め、記述式で解答
  • 解法ステップ:EST(最早開始)→EFT(最早完了)→LFT(最遅完了)→LST(最遅開始)→CP特定
  • CP:TF(トータルフロート)=0の作業を結んだルート=最長ルート=最短工期
  • 記述のコツ:計算過程を省略せず書く+ルートを矢印で示す
  • 得点戦略:唯一の「正解が1つに決まる」計算問題→満点を狙える得点源

ネットワーク工程表|解き方パターンで確実に得点

結論から言います。ネットワーク工程表の計算問題は、解き方のパターンが決まっているので、手順を覚えれば確実に得点できます。

第二次検定では、ネットワーク工程表を使った計算問題が出題されます。「クリティカルパスを求めよ」「フロートを求めよ」「工期への影響は?」など、出題パターンは限られています。この記事では、解法の手順を電気工事の工程表を例にしてわかりやすく解説します。第二次検定全体の出題傾向もあわせて確認してください。第一次検定の工程管理の知識がベースになります。

なぜネットワーク工程表の計算問題が記述式で出るのか?

ネットワーク工程表は工程管理の核心技術です。第二次検定ではクリティカルパスの特定、フロートの計算、工程短縮の検討を記述式で解答する問題が出ます。第一次検定の工程管理で学んだ知識を「計算結果を書く+理由を述べる」形で使えるかが問われます。計算自体は単純ですが、途中式と理由を正確に書くことがポイントです。

ネットワーク工程表の基礎知識|用語の確認

まず、ネットワーク工程表の基本的な用語を確認しましょう。

ネットワーク工程表とは?

ネットワーク工程表とは、各作業の順序関係と所要日数を矢印(→)と丸印(○)で表した工程図です。バーチャート工程表(横棒のガントチャート)と違い、作業間の依存関係(前の作業が終わらないと次に進めない)が明確にわかるのが特徴です。

基本用語

用語 意味
アクティビティ(作業) 矢印(→)で表される。矢印の上に作業名、下に所要日数を書く
イベント(結合点) 丸印(○)で表される。作業の開始点・終了点を示す。番号を振る
ダミー 点線の矢印(--->)で表される。作業の順序関係だけを示す(所要日数は0)
クリティカルパス 工程表上で最も時間がかかる経路。この経路上の作業が遅れると全体の工期が延びる
フロート(余裕日数) その作業がどれだけ遅れても全体の工期に影響しない余裕の日数
ネットワーク工程表 解法の3ステップ
STEP 1
各イベントの最早開始時刻を求める
(前から順に加算・大きい方を採用)
STEP 2
各イベントの最遅完了時刻を求める
(後ろから順に減算・小さい方を採用)
STEP 3
フロート=0の経路がクリティカルパス
(最早=最遅のイベントをつなぐ)

最早開始時刻(EST)の求め方|前進計算

最早開始時刻(EST: Earliest Start Time)とは、各イベント(結合点)に最も早く到達できる時刻のことです。

計算手順

手順(前進計算)

① 開始イベントのESTを0とする。

② 各イベントに入ってくる矢印について、「前のイベントのEST+作業の所要日数」を計算する。

③ 複数の矢印が入ってくる場合は、計算結果の最大値をそのイベントのESTとする。

④ これを開始から終了まで順番に繰り返す。

計算例(電気工事の工程表)

以下の工程表で計算してみましょう。

工程表の作業一覧

作業A(墨出し):①→② 所要3日

作業B(配管工事):②→③ 所要5日

作業C(ケーブルラック):②→④ 所要4日

作業D(入線作業):③→⑤ 所要3日

作業E(ケーブル布設):④→⑤ 所要6日

作業F(器具取付):⑤→⑥ 所要4日

前進計算

① EST = 0

② EST = 0 + 3 = 3

③ EST = 3 + 5 = 8

④ EST = 3 + 4 = 7

⑤ EST = max(8+3, 7+6) = max(11, 13) = 13

⑥ EST = 13 + 4 = 17

→ 全体の工期は17日

最遅完了時刻(LFT)の求め方|後退計算

最遅完了時刻(LFT: Latest Finish Time)とは、全体の工期を延ばさないために、各イベントに遅くとも到達しなければならない時刻のことです。

計算手順

手順(後退計算)

① 最終イベントのLFTを、ESTと同じ値(工期)にする。

② 各イベントから出ていく矢印について、「次のイベントのLFT − 作業の所要日数」を計算する。

③ 複数の矢印が出ていく場合は、計算結果の最小値をそのイベントのLFTとする。

④ これを終了から開始まで逆順に繰り返す。

計算例(続き)

後退計算

⑥ LFT = 17

⑤ LFT = 17 − 4 = 13

④ LFT = 13 − 6 = 7

③ LFT = 13 − 3 = 10

② LFT = min(10−5, 7−4) = min(5, 3) = 3

① LFT = 3 − 3 = 0

クリティカルパスの求め方|TF=0のルートを結ぶ

クリティカルパスとは、EST = LFT となるイベントを結んだ経路です。この経路上の作業が遅れると、工期全体が遅延します。

各イベントのEST・LFTを比較

① EST=0, LFT=0 → 一致

② EST=3, LFT=3 → 一致

③ EST=8, LFT=10 → 不一致(余裕あり)

④ EST=7, LFT=7 → 一致

⑤ EST=13, LFT=13 → 一致

⑥ EST=17, LFT=17 → 一致

→ クリティカルパスは ①→②→④→⑤→⑥

つまり、作業A(墨出し)→ 作業C(ケーブルラック)→ 作業E(ケーブル布設)→ 作業F(器具取付)がクリティカルパスです。

フロートの求め方|TFとFFの計算【頻出】

トータルフロート(TF)とは、各作業が持つ余裕日数です。以下の式で計算します。

トータルフロートの計算式

TF = 後のイベントのLFT − 前のイベントのEST − 作業の所要日数

計算例

作業 計算 TF
A(墨出し)①→② 3 − 0 − 3 0日
B(配管工事)②→③ 10 − 3 − 5 2日
C(ケーブルラック)②→④ 7 − 3 − 4 0日
D(入線作業)③→⑤ 13 − 8 − 3 2日
E(ケーブル布設)④→⑤ 13 − 7 − 6 0日
F(器具取付)⑤→⑥ 17 − 13 − 4 0日

TF=0の作業(A→C→E→F)がクリティカルパス上の作業です。作業B(配管工事)と作業D(入線作業)は2日ずつ余裕があるため、多少遅れても全体の工期には影響しません。

出題パターン別の解き方|CP・フロート・工期短縮

パターン1:「クリティカルパスを求めよ」

解き方:前進計算でESTを求め、後退計算でLFTを求め、EST=LFTのイベントを結ぶ。または、すべての経路の所要日数を合計して最長の経路を選ぶ。

パターン2:「作業○○のフロートを求めよ」

解き方:TF = 後のイベントのLFT − 前のイベントのEST − 所要日数 で計算する。

パターン3:「作業○○が△日遅延した場合、全体の工期への影響は?」

解き方:その作業のフロート(余裕日数)と遅延日数を比較する。遅延日数がフロート以下なら「工期への影響なし」、フロートを超えた分だけ「工期が延びる」と答える。

例:作業Bのフロート=2日、遅延=3日の場合 → 3−2=1日、工期が延長する

よくある質問と計算のひっかけポイント

Q. ESTとLSTの違いは?

A. EST(最早開始時刻)はその作業を最も早く始められる時刻LST(最遅開始時刻)は工期を遅らせないギリギリの最も遅く始められる時刻。TF=LST−EST=LFT−EFTで計算できます。

Q. ダミーを含むルートも計算に入れる?

A. はい。ダミーは日数0ですが、前後関係を正しく反映するためルートに含めます。ダミーを無視するとESTの計算を間違える原因になります。

Q. 記述式でどこまで計算過程を書く?

A. 全ルートの列挙+日数合計+最長ルートの特定を書きましょう。「CP: ①→③→⑤→⑦=30日」のように経路と日数の両方を必ず書きます。経路だけ・日数だけでは減点です。

合格答案 vs 不合格答案|ネットワーク計算の記述比較

合格パターン

  • 「ルートA: ①→②→④→⑥=28日
  • 「ルートB: ①→③→⑤→⑥=32日
  • 「最長のルートB=32日がCP、工期=32日

→全ルート+計算過程+答えが明確

不合格パターン

  • 「CPは32日」(ルート未記載)
  • 「フロートは4日」(計算過程なし)

→ルート未記載・計算過程なし

練習問題

問題

以下のネットワーク工程表について、各問に答えなさい。

作業P:①→② 所要4日

作業Q:①→③ 所要6日

作業R:②→④ 所要5日

作業S:③→④ 所要3日

作業T:④→⑤ 所要4日

(1) クリティカルパスを求めよ。

(2) 作業Sのトータルフロートを求めよ。

(3) 作業Rが3日遅延した場合、全体の工期への影響はあるか。

解答を見る

(1) クリティカルパス

前進計算:① EST=0, ② EST=4, ③ EST=6, ④ EST=max(4+5, 6+3)=max(9,9)=9, ⑤ EST=9+4=13

後退計算:⑤ LFT=13, ④ LFT=13−4=9, ③ LFT=9−3=6, ② LFT=9−5=4, ① LFT=min(4−4, 6−6)=0

EST=LFTのイベント:①(0=0), ②(4=4), ③(6=6), ④(9=9), ⑤(13=13) → すべて一致

クリティカルパスは2つ:①→②→④→⑤ と ①→③→④→⑤(どちらも所要13日)

(2) 作業Sのトータルフロート

TF = ④のLFT − ③のEST − 所要日数 = 9 − 6 − 3 = 0日

(3) 作業Rが3日遅延した場合

作業RのTF = ④のLFT − ②のEST − 所要日数 = 9 − 4 − 5 = 0日

遅延3日 > フロート0日 → 全体の工期が3日延長する(工期は13日→16日になる)

計算問題は「途中過程」も採点対象

記述式の計算問題では、最終答えだけでなく計算過程も見られます。プロの添削付き通信講座で途中式の書き方も確認しましょう。

※ 通信講座の比較はおすすめテキスト・参考書で紹介しています。

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まとめ|ネットワーク工程表は満点を狙える得点源

この記事のポイント

  • 前進計算(EST):「前のEST+所要日数」の最大値
  • 後退計算(LFT):「次のLFT−所要日数」の最小値
  • クリティカルパス:EST=LFTのイベントを結んだ最長経路
  • フロート:後のLFT − 前のEST − 所要日数
  • 遅延の影響:遅延日数とフロートを比較する

計算自体は足し算と引き算だけなので、手順さえ覚えれば難しくありません。練習問題を繰り返し解いて、本番で確実に得点しましょう。次は法規対策(穴埋め・条文記述)に進みましょう。独学の勉強法も参考にしてください。

練習を繰り返して計算力を鍛えよう

ネットワーク工程表の知識をミニテストで確認しましょう。

本番形式で力試しするなら模擬試験もどうぞ。

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