1級建築(第一次)

1級建築 左官工事・タイル工事・石工事【第一次検定の科目別解説】

左官・タイル・石工事のポイント(30秒で押さえる)

  • 左官工事:モルタル塗りは下塗り→中塗り→上塗りの3層。各層の乾燥を待って次の工程へ
  • タイル工事:積上げ張り・圧着張り・改良圧着張り・密着張りなど。打診検査で浮きを確認
  • 石工事:湿式工法(モルタル)と乾式工法(金物取付け)。1級では乾式が頻出
  • 出題頻度:毎年1問程度。タイルの張付け工法と石の取付け工法が狙われる

左官・タイル・石工事は建物の仕上げの美観と耐久性を左右する工事です。1級では各工法の特徴と施工管理のポイントが問われます。

左官工事

モルタル塗りの工程

モルタル塗りの3層構成

  • 下塗り:下地への接着確保。塗厚は壁で6mm程度。十分に乾燥させてから中塗りへ
  • 中塗り:平滑な面の形成。塗厚は6〜9mm程度
  • 上塗り:仕上げ面の形成。塗厚は3〜6mm程度
  • 総塗厚:壁の場合25mm以下が目安。厚すぎるとひび割れやはく落の原因

左官工事の注意点

  • 乾燥収縮ひび割れ:急激な乾燥を避ける。直射日光・強風を遮る
  • 吸水調整材:下地(コンクリート・ALC)の吸水が大きい場合に塗布して水の吸込みを抑える
  • セルフレベリング材:床仕上げに使用。流動性のある材料を流して自然に平滑面を形成する

タイル工事

タイルの張付け工法

工法 特徴
積上げ張り タイル裏面にモルタルを塗り、下から上へ積み上げて張る。内壁の小口・二丁掛タイルに使用。1日の張付け高さは1.5m以下
圧着張り 下地面にモルタルを塗り、タイルを圧着して張る。壁の大型タイルに適する
改良圧着張り 下地面とタイル裏面の両方にモルタルを塗る。接着力が高い。外壁に適する
密着張り 振動工具でタイルをモルタルに押し込む。床のモザイクタイルに使用
接着剤張り 有機質接着剤で張る。モルタルを使わない。内装の壁・床に適する

タイルの検査

打診検査のポイント

  • 打診検査:テストハンマーでタイル表面をたたき、音で浮きを判定する
  • 張付け後2週間以上経過してから実施(接着モルタルが十分硬化してから)
  • 引張接着強度試験:タイルの接着力を数値で確認。0.4N/mm²以上が合格の目安

石工事

石の取付け工法

工法 特徴
湿式工法 モルタルで下地に固定。外壁では引金物(だぼ)を併用して落下を防止。白華(エフロレッセンス)が生じやすい
乾式工法 ファスナー(金物)でRC躯体に取り付ける。モルタルを使わない。石の裏面に空洞(ふところ)ができる。白華が少ない。高層建物の外壁に主流

乾式工法が主流の理由

湿式工法はモルタルの水分が石を通過して白華の原因になる。また地震時にモルタルが割れて石が落下するリスクがある。乾式工法は金物で石を躯体に固定するため、地震時の安全性が高く、白華も少ない。現在の外壁石張りは乾式工法が主流です。

よくある間違い・ひっかけポイント

ひっかけ1: 積上げ張りの方向

「積上げ張りは上から下へ張り付ける」→ 不正解。積上げ張りは下から上へ積み上げます。重力で下がらないよう1日の張付け高さを1.5m以下に制限しています。

ひっかけ2: 改良圧着張り

「改良圧着張りは下地面のみにモルタルを塗る」→ 不正解。改良圧着張りは下地面とタイル裏面の両方にモルタルを塗ります。片面だけに塗るのは通常の圧着張りです。

理解度チェック

【問題1】タイル工事に関する記述として、正しいものはどれですか?

(1)積上げ張りの1日の張付け高さは2.0m以下とする
(2)打診検査は張付け後1週間以内に行う
(3)改良圧着張りは下地面とタイル裏面の両方にモルタルを塗る
(4)密着張りは主に外壁の大型タイルに使用する

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正解:(3)改良圧着張りは下地面とタイル裏面の両方にモルタルを塗る
改良圧着張りは両面塗りで接着力を高める工法です。(1)1日1.5m以下。(2)打診検査は2週間以上経過後。(4)密着張りは床のモザイクタイル用。

【問題2】石工事に関する記述として、誤っているものはどれですか?

(1)乾式工法はファスナーで石をRC躯体に固定する
(2)乾式工法は湿式工法より白華が生じにくい
(3)湿式工法は高層建物の外壁に最も適している
(4)湿式工法では引金物を併用して石の落下を防止する

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正解:(3)湿式工法は高層建物の外壁に最も適している
高層建物の外壁に適しているのは乾式工法です。湿式は地震時の安全性や白華の問題があり、現在は乾式が主流。(1)(2)(4)はいずれも正しい記述です。

【問題3】左官工事に関する記述として、正しいものはどれですか?

(1)モルタル塗りは1層で仕上げるのが原則である
(2)急激な乾燥はひび割れの原因となる
(3)下地の吸水が大きいほど仕上がりが良い
(4)壁のモルタル総塗厚は40mm以上が望ましい

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正解:(2)急激な乾燥はひび割れの原因となる
直射日光や強風による急激な乾燥は乾燥収縮ひび割れの原因です。(1)3層(下塗り・中塗り・上塗り)が原則。(3)吸水が大きいと水を吸われてモルタルの硬化不良を起こすため吸水調整材を使用。(4)総塗厚は25mm以下が目安。

まとめ

この記事のポイント

  • 左官:下塗り→中塗り→上塗りの3層。急激な乾燥を避ける。壁の総塗厚25mm以下
  • タイル:改良圧着張り=両面塗り。積上げ張り=下から上・1日1.5m以下
  • タイル検査:打診検査は2週間以上後。引張接着0.4N/mm²以上
  • 石工事:乾式工法が主流。金物固定で白華少ない・地震に強い

1級建築 第一次検定の科目別対策

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