2級土木(第一次)

【2級土木施工管理技士】コンクリート工②(養生・品質管理・ひび割れ対策)をわかりやすく解説

コンクリート工②(養生・品質管理・ひび割れ)の要点(30秒でわかる)

  • 養生:湿潤養生期間(普通セメント5日以上)が毎年出る数値
  • 品質管理:圧縮強度試験・スランプ試験・空気量試験の方法
  • ひび割れ:乾燥収縮・温度ひび割れの原因と対策をセットで
  • 寒中・暑中:寒中コンクリート(5℃以下)・暑中(25℃超)の対策

結論から言います。コンクリートは打設して終わりではありません。養生(ようじょう)こそがコンクリートの最終的な品質を決める重要な工程です。この記事ではコンクリート工の後半として養生・寒中暑中対策・ひび割れ・品質管理試験を解説します。

出題傾向をチェック

養生・品質管理・ひび割れから毎年2〜3問出題されます。特に養生日数とひび割れの原因・対策が頻出です。コンクリート工①(材料・配合・打設)と合わせて学習しましょう。出題範囲の全体像は「第一次検定の出題傾向と攻略法」で確認できます。

コンクリートの養生

養生とは、打設後のコンクリートを適切な温度・湿度で保護して、十分な強度を発現させることです。

湿潤養生

コンクリートが硬化するには水が必要(水和反応)。乾燥させると水和反応が止まり、十分な強度が出ません。そこで散水や養生シートでコンクリートの表面を湿った状態に保つのが湿潤養生です。

セメントの種類 湿潤養生期間の目安
普通ポルトランドセメント 5日以上
早強ポルトランドセメント 3日以上
混合セメント(高炉B種等) 7日以上

養生方法の選定フロー

試験では「この条件ではどんな養生が必要か?」という出題が定番です。以下のフローで判定できます。

日平均気温は?
4℃以下 → 寒中コンクリート |
25℃超 → 暑中コンクリート |
通常 ↓
セメントの種類は?
早強 → 3日以上 |
普通 → 5日以上 |
混合 → 7日以上
養生方法の選択
散水養生・養生マット・養生シート・膜養生

寒中・暑中の判定基準(4℃以下・25℃超)は丸暗記必須です。「土工①(土質試験・土量変化率・盛土)」の含水比の知識とセットで押さえましょう。

寒中コンクリートと暑中コンクリート

寒中コンクリート(日平均気温4℃以下)

❄ 寒中コンクリートの対策

  • 打込み時のコンクリート温度を5〜20℃に保つ
  • 養生中はコンクリート温度を5℃以上に保つ(ジェットヒーター・保温シート)
  • 初期凍害を防ぐため圧縮強度5N/mm²以上になるまで保温を続ける
  • 練混ぜ水を加温する場合は40℃以下(セメントに直接熱湯をかけてはいけない)

冬の現場ではコンクリートを打った後にシートとヒーターで保温するのが日常風景。初期凍害を受けるとコンクリートの強度が永久に回復しないので、寒中対策は非常に重要です。

なぜ初期凍害は回復しないのか?

コンクリートが固まる前に凍ると、内部の水が氷になって膨張し、セメントと骨材の結合(水和反応)が物理的に壊されます。一度壊れた結合は、春になって気温が上がっても元には戻りません。つまり初期凍害=永久的な強度低下です。これが「養生温度5℃以上」を厳守する理由であり、試験でも「初期凍害を受けたコンクリートは春になれば回復する→×」という形で頻出します。

暑中コンクリート(日平均気温25℃超)

☀ 暑中コンクリートの対策

  • 打込み時のコンクリート温度を35℃以下に保つ
  • 運搬・打込みをできるだけ短時間で行う
  • 打設後は直射日光を避け速やかに湿潤養生を開始
  • 練混ぜ水の冷却、骨材への散水冷却も有効

覚え方のコツとひっかけパターン

養生日数の語呂合わせ

「早3(さん)・普5(ご)・混7(なな)」で一発暗記。
早強セメント → 3日以上
普通ポルトランドセメント → 5日以上
混合セメント(高炉B種等)→ 7日以上
数字が小さい順に「早く固まるセメント」と覚えれば理屈も通ります。

暑中・寒中の温度基準の覚え方

寒中コンクリート:日平均気温4℃以下(「し(4)ぬほど寒い」で4℃)
暑中コンクリート:日平均気温25℃超(「にこにこ(25)暑い」で25℃)
打込み温度は寒中5〜20℃、暑中35℃以下
練混ぜ水の加温は40℃以下(セメントに直接熱湯は禁止!)。

よく出るひっかけパターン

ひっかけ①「普通セメントの養生は3日以上」→ 正しくは5日以上。3日は早強セメント。
ひっかけ②「寒中コンクリートの定義は日平均気温0℃以下」→ 正しくは4℃以下。0℃まで待ってからの対策では遅い。
ひっかけ③「暑中コンクリートの打込み温度は25℃以下」→ 正しくは35℃以下。25℃は「暑中の定義」の気温であり打込み温度ではない。
ひっかけ④「初期凍害を受けたコンクリートは、春になれば強度が回復する」→ ×。初期凍害の強度低下は永久に回復しない

ひび割れの原因と対策

なぜ乾燥するとひび割れるのか?

コンクリート内部の余分な水分が蒸発すると、体積がわずかに縮みます(乾燥収縮)。全体が均等に縮めば問題ありませんが、表面だけが先に乾くと、表面は縮もうとするのに内部が抵抗する形になり、引っ張り応力が生じてひび割れが発生します。だから急激な乾燥を防ぐ湿潤養生が重要なのです。現場では養生マットやシートで覆い、散水を続けることで表面の急激な乾燥を防ぎます。

ひび割れの原因 対策
乾燥収縮 W/Cを小さくする、十分な湿潤養生
水和熱(温度ひび割れ) 低熱セメント使用、パイプクーリング、リフト分割
初期凍害 寒中対策(保温養生)の徹底
アルカリシリカ反応 無害な骨材の使用、高炉セメントの使用

ひび割れの原因と対策の判定フロー

試験では「このひび割れの原因は何か?」と問われます。発生時期と状況で判定しましょう。

ひび割れの発生時期は?
打設直後〜数日 ↓ |
数週間〜数ヶ月後 → 乾燥収縮 |
数年後 → ASR
打設直後のひび割れ — 何が起きた?
凍結した → 初期凍害 |
マスコンで高温 → 水和熱
対策の方向性
初期凍害 → 保温養生の徹底
水和熱 → 低熱セメント・パイプクーリング
乾燥収縮 → W/Cを小さく+十分な養生
ASR → 無害な骨材+高炉セメント

ひび割れの原因特定は、「いつ」「どんな環境で」発生したかがカギです。「基礎工(直接基礎・杭基礎・土留め・締切り)」の地盤知識も合わせて確認しましょう。

品質管理試験

現場でのコンクリートの品質確認には以下の試験を行います。品質管理の統計的手法については「品質管理(品質特性・ヒストグラム・管理図)」で詳しく解説しています。

試験名 何を確認するか
スランプ試験 コンクリートの軟らかさ(ワーカビリティー)
空気量試験 AE剤による空気量(凍結融解に対する耐久性)
圧縮強度試験 設計基準強度を満たしているか(供試体を28日養生後に試験)
塩化物量試験 鉄筋腐食の原因となる塩化物イオンの量(0.30kg/m³以下)

品質管理試験の実施タイミング

現場でどのタイミングで何を試験するか、流れを押さえましょう。

STEP 1:荷卸し時(生コン車が到着)
スランプ試験空気量試験塩化物量試験
→ 配合通りの品質かをその場で確認
STEP 2:供試体の採取
150×300mmの円柱供試体を3本1組で採取
→ 標準養生(20±3℃の水中)で保管
STEP 3:材齢28日後
圧縮強度試験を実施
→ 設計基準強度を満たしているかを判定

試験で問われる品質管理の数値

スランプ:一般的な土木構造物で8〜12cm。許容差はスランプ8cm以上の場合±2.5cm
空気量:一般的に4.5%(許容差±1.5%)
塩化物量0.30kg/m³以下(鉄筋の腐食を防止するため)
圧縮強度:供試体3本の平均値が設計基準強度以上であること
数値はそのまま試験に出るので、正確に暗記しましょう。

理解度チェック

Q1. 普通ポルトランドセメントの湿潤養生期間の目安は何日以上ですか?

解答を見る

正解:5日以上
早強セメントなら3日以上、混合セメントなら7日以上。セメントの種類によって必要な養生期間が異なる点は超頻出です。

Q2. 寒中コンクリートでは、養生中のコンクリート温度を何℃以上に保つ必要がありますか?

解答を見る

正解:5℃以上
初期凍害を防ぐため、圧縮強度が5N/mm²以上になるまでコンクリート温度を5℃以上に保つ必要があります。

Q3. 乾燥収縮によるひび割れを防ぐための対策を2つ挙げてください。

解答を見る

正解:①水セメント比(W/C)を小さくする、②十分な湿潤養生を行う
W/Cが大きいと乾燥時の収縮量が増えます。また養生不足で急激に乾燥するとひび割れが生じやすくなります。

まとめ ― コンクリート工②の要点整理

コンクリート工の後半(養生・品質管理・ひび割れ対策)は、打設後の品質を左右する重要な工程です。試験では数値の正確な暗記が得点の分かれ目になります。

  • 養生日数は「早3・普5・混7」で暗記。セメントの種類で養生日数が変わる
  • 寒中コンクリート(4℃以下)は養生温度5℃以上を維持。初期凍害は永久に回復しない
  • 暑中コンクリート(25℃超)は打込み温度35℃以下。速やかに湿潤養生を開始
  • ひび割れは発生時期で原因を判定 ― 直後は凍害/水和熱、数週間後は乾燥収縮、数年後はASR
  • 品質管理試験はスランプ・空気量・塩化物量・圧縮強度の4つ。受入れ時と材齢28日の2段階で実施

コンクリート工①(材料・配合設計・打設)と合わせて学習すれば、コンクリート分野は確実に得点できます。2級土木は61問中40問を選んで解答する試験ですが、コンクリート工は基本中の基本なので全受験者が押さえるべきテーマです。選択問題の戦略は「選択問題の戦略」で詳しく解説しています。

実践練習で得点力を鍛える

養生・品質管理・ひび割れ対策の知識をミニテストで確認しましょう。

📝 コンクリート工 ミニテスト(四肢択一10問)

📋 模擬テスト(本番形式61問)

この記事のポイント

  • 養生はコンクリート品質の最終決定要因。湿潤養生期間を必ず守る
  • 寒中コンクリート:養生温度5℃以上、初期凍害防止が最重要
  • 暑中コンクリート:打込み温度35℃以下、速やかな湿潤養生
  • ひび割れの原因は乾燥収縮・水和熱・凍害・ASRの4つを押さえる
  • 品質管理試験はスランプ・空気量・圧縮強度・塩化物量の4つ。「コンクリート工①」の知識と組み合わせて得点源にしよう

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コンクリート工②の知識を定着させるには、関連テーマとセットで学習するのが効果的です。

2級土木施工管理技士の学習全体を俯瞰するなら「2級土木施工管理技士とは?」から始め、「第一次検定の出題傾向と攻略法」で試験全体の戦略を立てましょう。

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